DUMMY FAKE ROLLERS

邦楽オススメ若手バンドから、洋楽のガールズロックやHR/HMまで、音楽やアーティストを色んな切り口からレビューします。

[THE CIRCLE / BON JOVI] 大人ロック!ハヴァナイスディ路線へ回帰

2009年11月21日 | BON JOVI好きにオススメ
BON JOVIの新譜『THE CIRCLE』、みなさん聴かれましたでしょうか。
最近、プロモーションでテレビに出まくっていたので、先行シングルの「We Weren't Born To Follow」を耳にした人も多いことでしょう。

前作『LOST HIGHWAY』(レビューはコチラ)で、カントリー路線が入ってしまって、今作どうなるか心配していた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ズバリ!ロックアルバムに戻っています(^^)雰囲気としては、『HAVE A NICE DAY』(レビューはコチラ)に近いかなと思いました。

しかし、今作もなかなか面白い楽曲が揃いましたよ。正直、一聴した感想としては、ちょっと地味な感じで1曲目しか頭に残らなかったんですが、何回も聴くととても味が出てきて、いわゆるスルメ的なアルバムなんじゃないかと思いました。またバラードが7曲目の「Live Before You Die」1曲しかないのも特徴的。

1曲目の「We Weren't Born To Follow」は、「It's My Life」~「Everyday」~「Have A Nice Day」の系譜を踏襲したカッコ良いロックアンセムですね。若干「Born To Be My Baby」に似ているような気もしますが。

●We Weren't Born To Follow / BON JOVI


2曲目の「When We Were Beautiful」は、これまでのBON JOVIにはなかったタイプの曲ですね。おおらかで壮大で、スケールの大きな美しい曲だと思います。1曲目よりもこっちの曲の方が、本作のハイライトのような気がします。

●When We Were Beautiful / BON JOVI


3曲目「Work For The Working Man」は、イントロが「Livin' On A Prayer」みたいですね。コーラスも男っぽくて、終始シブい雰囲気なロックでなかなか気に入ってます。8曲目「Brokenpromiseland」もコーラスが同様に男っぽくて、カッコ良いロックナンバーになってます。
4曲目「Superman Tonight」は、サビの盛り上がりがドラマティックで感動的ですね。5曲目「Bullet」は、本作で最もハードロックな雰囲気のナンバーですね。大盛り上がりはしませんが、シブくクールにキメてくれます。
9曲目「Love's The Only Rule」の最初のドラムは打ち込み?BON JOVIで打ち込みは初めてじゃないかな??
6曲目「Thorn In My Side」は、『Have A Nice Day』に入っていても違和感のない疾走感のあるロック。10曲目「Fast Cars」11曲目「Happy Now」も派手さはないけどメロディが良いですよ。ラストの「Learn To Live」も聴き込むうちにジワジワと良さが沁み込んでくる伝わってくるおおらかな楽曲。ラストを飾るに相応しいと思います。
本作、なかなかの佳曲揃いだと思うのですが、インパクトのある曲が少ないので、今後のライブでどれだけの曲が残っていくのかは疑問ですね。。。

ザ・サークル~デラックス・エディション(DVD付)

ユニバーサルインターナショナル

まとまりのある良いアルバム
特典のDVDはぜひ観て欲しい!!


ところで、初回限定CDには、トライベッカ映画祭で発表されたボンジョヴィのドキュメンタリー映画がボーナスでついています。これがなかなか必見です。
25年でここまで大きくなったモンスターブランド「BON JOVI」を背負って立つジョンの苦悩とそれを支えるバンドメンバー達、そして、彼らの絆。華やかに見えるミュージシャンライフの裏側のストレスと孤独。さらに、かつて『NEW JERSEY』ツアーで燃え尽きてしまった彼らの辛い過去とそこからの復活の経緯など。メンバーへのインタビューを中心とした映像はとても興味深いです。

サラリーマン的な環境にある日本のミュージシャンと、マネージメント、弁護士など全てを自分でコントロールするアメリカのミュージシャンの環境の違いがあるので、ピンと来ないところもあるかもしれませんが、プロのミュージシャンを目指す人は必ず観ておいた方が良いと思います。数万人の前でショウをした後に戻るのは家族の元ではなく、一人きりの孤独なホテルの部屋。そして、その部屋では、マネージメントや弁護士、お金の臭いを嗅ぎ付けてコンタクトしてくる様々な外野の人々と毎日のように電話。次に家族に会えるのは6週間後…みたいな様子が赤裸々に描かれています。ミュージシャン(特に海外の)は、好きな音楽ばかりやってりゃいいわけではないことが、ヒシヒシと伝わって来ます。それだけに、メンバー感の信頼が強くないと、やはり長く続かないんだろうなーと思います。

リッチーの言葉が印象的でした。「俺はジョンの右腕だ。常にそれを考えて行動している」的な発言があるのですが、ボンジョヴィというバンドは、ジョンという社長を中心に、他のメンバーがいかに社長のサポートをしていくかという環境ができあがっているようでした。これは相当な絆がないと難しいと思います。そしてジョンは、メンバーのバンド以外の活動について「俺は彼らのファンだし、メンバーが個々に活躍していることを誇りに思う」と語っています。思わず「う~ん、ボンジョヴィは良いバンドになったなぁ」と感慨に耽ってしまいました。

本アルバムを買うなら、ぜひ初回限定版を買って、このDVDを観て欲しいです。このDVDを観てから、歌詞を見ながらCD聴くと、きっと泣けます。

《 本ブログのレビューアーティスト一覧はコチラ 》


コメントを投稿