旧三井銀行小樽支店、小樽の経済活動が活発であった昭和初期、昭和2年(1927)建築、外壁に花崗岩を積み、アーチを連続させ、軒を装飾するルネサンスのデザインで統一していますが、その構造には鉄筋コンクリート造が採用されています。耐震に優れた鉄骨鉄筋コンクリート構造を曾禰中條建築事務所が設計した理由は、大正12(1923)年に発生した関東大震災によって石造やレンガ造の建築が甚大な被害をうけたためです。その後、鉄骨鉄筋コンクリート構造は三井銀行名古屋支店(昭和11(1936)年)三井銀行大阪支店(昭和12(1934)年)でも採用され、我が国の高層建築における耐震構造の規範にも発展しました。