昨年10月、フェニックスからラスベガスに渡って車で旅をしました。そのときの帰りの飛行機で読んだ本です。
以前にテレビで女性のタレントがこの本を読んで「とても感動しました!」などと言っているのを見て、それは本当の感動を味わっていないはずと思いました。
男性が思う「母親」というのは、女性が思う「母親」への思いと異なると思います。
著者は「マザコンだった」と書いてありますが、それはわかりやすく書いてあるだけで、男性が母親を思う気持ちをうまく表現するのはとても難しいように思います。母親だけに「愛する」などの表現を使うのにも抵抗があったり、愛するといってもそれはどこにでもある恋愛関係とはまた別の愛であり、母親だけに思う固有の愛だからでしょう。
それに対して母親も、固有な愛で子供を愛します。
男性というのは不器用でその愛をうまく消化できなかったりするんですね。「うるせーなー」とか思ったりして。
そして母親がいなくなったとき、その愛の大きさに気づく。
私もそうでした。
東京タワーとはあまり縁がありませんでしたが、母が入院していた病院から東京タワーが眺めることができました。
私はこの本を見るたびに、その病院からの東京タワーの眺めを思い出すと共に、母にうまく愛を与えることができなかった自責の念にかられます。
今日、母が亡くなって丸1年が経ちました。