堅い岩が風に揺るがないように、
賢い人はそしられても誉められても心を動かさない。
沈黙しても批判され、
多く語っても批判され、
少し語っても批判される。
この世に批判されない者はない。
最大の名誉は決して倒れない事ではない。
倒れるたびに起き上がる事である。
「他人の過失を見るなかれ。
他人のしたことと
しなかったことを見るな。
ただ自分のしたことと
しなかったことだけを見よ」
善行を軽く見てはいけない。
水一滴の滴りも、つもれば水瓶をあふれさせる。
心ある人は、小さな善を積み重ねて、いつのまにか、
福徳に満たされているのである。
おのれを抑えることと、多くしゃべらずにじっと考えることは、
あらゆる束縛を断ち切るはじめである。
旅に出て、もしも自分よりすぐれた者か、または自分に等しい者に出会わなかったら、
むしろきっぱりと独りで行け。
愚かな者を道連れにしてはならぬ。
誠あり、徳あり、慈しみがあって、損なわず、慎みがあり、自ら調え、
汚れを除き、気をつけている人こそ「長者」と呼ばれる。
「みずから自分を励ませ」
自灯明・法灯明<涅槃経>
自らを灯とし、法を灯とせよ
「私や他者に頼ってはならない。自己とダル(理法)を拠りどころとせよ」
と釈尊は説かれた。
「自灯明・法灯明」は、釈尊が入滅される前に弟子に示された最後の教えだといわれる。
「他者に頼らず、自己を拠りどころとし、法を拠りどころとして生きなさい」ということ。