まだ夜は寒い
春の浅い夕べ
私の恋は
蕾を待たずに
散った
ひとりの夜
灯りをつけるのも
億劫で
薄暮の部屋で
香をくゆらす
それは
あの人が好きではなくて
わたしが好きな
白檀の香り
あの人は抹香臭いと
顔をしかめ
わたしはあの人に
心を奪われていたから
笑って
白檀を手離した
もう
好きなだけ
白檀の香をたけるのよ
わたしは
ひとりごちる
せいせいとして
いいはずなのに
白檀の甘い香りは
わたしを悲しくさせる
わたしは
はらはら
はらはら
涙をこぼす
黄昏時の恋は
花も咲かずに
消えた
わたしは
声もたてずに
静かに
泣いた
春の浅い夕べ
私の恋は
蕾を待たずに
散った
ひとりの夜
灯りをつけるのも
億劫で
薄暮の部屋で
香をくゆらす
それは
あの人が好きではなくて
わたしが好きな
白檀の香り
あの人は抹香臭いと
顔をしかめ
わたしはあの人に
心を奪われていたから
笑って
白檀を手離した
もう
好きなだけ
白檀の香をたけるのよ
わたしは
ひとりごちる
せいせいとして
いいはずなのに
白檀の甘い香りは
わたしを悲しくさせる
わたしは
はらはら
はらはら
涙をこぼす
黄昏時の恋は
花も咲かずに
消えた
わたしは
声もたてずに
静かに
泣いた