風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

越冬タテハ ’11春北海道

2011-06-17 | ’11春北海道
今回は、成虫のまま北海道の厳しい冬を乗り越えたタテハチョウの仲間です。
どのチョウも本州ではどちらかといえば山地のチョウで、
鳥取では見ることはできません。

最初は珍しくてカメラを向けていたクジャクチョウですが、
どこの林道でも日向ぼっこをしていて、
最後は見向きもしなくなってしまいました(笑)。


クジャクチョウ 11.5.18 北海道音威子府村

黄色い縁取りがあるので、そのままキベリタテハです。
この越冬した個体は縁の黄色が抜けてしまって「シロベリタテハ」になっています。

盛夏に発生した直後のキベリタテハは、縁の黄色も金色っぽく光り、
赤味のある小豆色の翅も不思議な光沢があってとてもきれいなチョウです。


キベリタテハ 11・5.19 北海道中札内村

翅の裏にアルファベットのL(エル)に似た白い小さな模様があることから、
エルタテハと名付けられています。

ところでこのエルタテハ、越冬の厳しさを物語るかのように、
これでもかというほど傷つきボロボロです。
特に左後翅は鳥にでもつつかれたのか、欠けてほとんどありません。

この蝶も本州(中部地方)では、比較的標高のある山でないと見れません。


エルタテハ 11・5.19 北海道中札内村

シータテハもエルタテハと同じで、
後翅中央にあるC(シー)の字形の小さな模様から名付けられています。
鳥取ではどこにでもいるキタテハに良く似たチョウです。

このシータテハだけは、かつて鳥取にも生息していたようで、
大山周辺では1960年代に絶滅したと松岡嘉之さんの『新大山の蝶』にあります。
鳥取のレッドデータブックでも「絶滅」となっています。


シータテハ 11・5.24 北海道八雲町

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