凡人むむむの連載するのだ

というわけで、連載はじめました。

最近ヨンダフォン・ヨンデルフォン11(漫画編)

2008-11-27 | ヨンダフォン・ヨンデルフォン
最近、PCが壊れて、作業がとにかく億劫です。

『色彩のヒント』(柏木博)☆☆☆☆★
色についての知識がア行から順に羅列された本。
・なぜ日本で選挙に立候補した政治家は白い手袋をつけるのか。
・なぜヘンリー・フォードはT型モデルに黒色のみを採用したのか。
・なぜ縞の衣服は、売春婦、道化、死刑執行人といった人々が着るのか。
あらゆるものを色という角度から切り取っていてとてもオモロ。

脱線した話もオモロ。適当に抜粋
・『自然が少なくなる冬に戸外から常緑樹を室内に飾ることと結びついたクリスマスツリーの習慣が、日本にも取り入れられた。ところが最近、街路樹をクリスマスツリーのように電灯で飾るようになった。しかも、葉の落ちた落葉樹に電灯を飾っていたりする。室内に自然を取り込むのではなく、室外の自然をさらに人工化するということになる。』
・『ブルージーンズを洗いざらしにし、色あせこそ価値のあることだという感覚が広がったのと、食品に化学染料を使うことが嫌われるようになったのはほぼ同時代のことであり、これは相互に関連のある文化現象であったといっていいだろう。正にカウンター・カルチャーの力である。』
・『産業社会は、生産の場と消費の場とを空間的に距離をとった。同様に、消費の場と廃棄の場とを空間的に距離をとる傾向にある。』
うへへー。
よだれ拭くのが大変な本でした。


『白』(原研哉)☆☆☆★★
白色。空白。余白。について。
無とは異なる白。
読み終わったら頭の中が真っ白になっちゃった。


『家―良い家の作り方』☆☆☆★★
家にはへそがある、ということで間取りではなく家の重心についての話。
特にテレビについて、水越伸と原研哉の対談がオモロでした。
テレビは家の明かり、暖炉の役割となる。
CES2008のPAVC坂本社長の基調講演はよっぽど好評だったようで、
よく引用されているみたいです。


『装飾とデザイン』(山崎正和)☆☆☆☆☆
ル・コルビュジエとガウディ、ピラミッドと古代中国の青銅器。
これらの全く逆の方向性を持つ造形が世の中には両方存在することについて、
ピラミッドなどの幾何学的で規則的に無限に広がる側を「デザイン」(設計)、
髪飾りなどあくまで本体に付け足す側、飾る側を「装飾」として話を展開。
造形の起源、機械化による設計と生産の分離などとにかくオモロ。
なんだか、弥生式と縄文式的な話が、わかったような気になります。


『柔らかい個人主義の誕生―消費社会の美学』(山崎 正和)☆☆☆☆☆☆☆
勝手にルールを越え、初の七つ星の快挙です。
めちゃくちゃ面白い!!!!時間ある人はゼヒ読んでもらいたいです。

「消費」と「生産」。
いま、なぜ消費側に移りつつあるのか、
僕はようやく、世の中の流れが理解できた気がしました。一瞬。

ちなみに、消費と聞くと思わず果てしない物欲が思いつきますが、
ジツはそうではなくて、高級料理をゆっくりと味わうように、
その時間がいつまでも続くように願うのが、消費の本質のようです。
つまり食べ終わってしまった時点で消費は終わってしまうわけで、
その間のプロセスをできるだけ伸ばしたい、ということです。

自分のを含め、ブログの内容のほとんどは「消費」によるもの。
そしてどうやら、消費は顔の見える同士の世界で進むみたいです。


『挨拶はたいへんだ』(丸谷才一)☆☆☆★★
著者自身が、祝賀会や葬式などで実際に行った挨拶の原稿がまとめられた、変な本。
変なハウツー本よりよっぽどタメにはなる気はしますが、
文豪の人達の名前をじぇンじぇンしらない僕にとっては価値も半減。
挨拶の中身も、高等技術すぎるので、ハイレベルすぎるので、
まあこんなすごい世界もあるのね、程度にとどめておきました。


『日本文化における時間と空間』(加藤周一)
時間と空間と酒と涙と部屋とYシャツと太陽とシコムーン。
未読です。


『アイデア・ブック-スウェーデン式』(フレドリック・ヘレーン)☆☆☆★★
アイデアのヒントがまとめられた本。
誰か知らんし。有名なのコノ人。
オモロかった気もしますが、全然身になってはいません。
この手の本は、重なるところは重なるに決まっていますが、
とりあえず定期的に当ってみたいです。


『ひらめきの導火線 』(茂木健一郎)☆☆★★★
ノーベル賞を受賞するような一人の天才が企業を引っ張るという発想のは幻想で
対するトヨタのカイゼンのような衆知を集めることが大事なんだという話。
どんな天才も過去の人の実績を基にしているわけで、
この連鎖を大事にしようという話でした。


『悪口の技術 』(北野武)☆☆☆★★
とにかくなんにでもけなし続ける本。
国はエネルギーを失い、親は「かたち」を失い、性は安売りされ。
「かたち」に隙間があるから面白いのであって、今はそれすらない。

昨日、NHK番組『爆笑問題のニッポンの教養』に宮沢章夫がテレビに
出ててびっくりしたのですが、
「今までの演劇は身体を鍛えてから演じていたが、今の若い子のは
普通の人間が動いていた方が面白いと思ってやっている」
みたいなことを言っていました。

型がないとか、基礎がないとか、そういう方向。
それは壊すでもなく、崩すでもなく。
なんかそういう共通した流れというのがあるのではと思いました。
それをよしとするかどうかは別ですが。
本自体は古い本ですが、ハッとするところは多々ありました。


『これでいいのだ。―赤塚不二夫対談集』☆☆☆☆★
ガンになった後の対談集(写真)。再読。

一番せつないのは談志との対談。
赤塚さん「いまはおもしろくない」
談志「そうでもないよ。いまだってなかなか面白いよ」
というようなやりとり。
対照的に現在に肯定的だった談志ではありますが、
それも、昔の方がもっと面白かったというのが
前提にあるような気がしてさらにせつないです。

作者のテレビ特集は目に付くものは全部見ましたが、
なにせ生き証人が少なすぎるが残念。


『中原中也詩集』☆☆★★★
どうして買ったのか理由もわかりませんが、
寝る前に一詩でも読んで感受性が豊かにしようと思い立ち。
ちっとも変化ありましぇん。


『西の魔女が死んだ』(梨木香歩)☆☆☆☆☆
小説は読まない人間ですが、多くの人に薦められる機会があったので購入。
こんな素敵な本に出会うと、読後は世界が変わった気がします。
読後感がいいとかではなく、世界が変わりました。
間違いのない、星五つ本。




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