WHITE STREET 徒然記

フォトグラファーの端くれである吉澤忍の気まぐれブログです。

能楽「恋重荷」と変なオーバーラップ

2009-04-25 19:32:33 | Weblog
先ずは読売新聞の記事から。

女子大生に猛アタック、最後は「焼き殺すぞ」…70歳男逮捕
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090424-OYT1T01247.htm

いやはや・・・
「お若いですなぁ・・・」
としか言えないのデス。

自分が「事件・事故」を取り上げる事は少ないのデスが、
この「年の差」を扱った能楽があったので、それを紹介。




「恋重荷」(こいのおもに)

舞台は菊の花薫る九月の白河院。
その菊の世話をする庭師の老人、
山科荘司(やましなのしょうじ)がこの物語の主人公。

ある日、荘司は一人の女御(にょうご:天皇の後宮の身位の一つで、天皇の寝所に侍した。位は、皇后・中宮に次ぐ。)を見かけ、好意を抱く。

それを知った女御が臣下に命じ、
きらびやかな布で包んだ荷を示し、
これを持って庭を百回も千回も回ることができたら姿を拝ませようと言う。

荘司は力を尽くして挑戦するが、重荷は岩を錦に包んだもので、
荘司の老いた力ではどうすることもできない。
絶望のあまり荘司は女御に弄ばれた事に対して恨みを抱いて憤死する。

(ここまで前半部)

従者から老人の死を聞いた臣下は
女御にその由を告げ、
こうした者の一念は恐ろしいから一目見るように勧める。

女御は憐れに思い、
重荷の所へ行ってそれを悔やみ、やがて立とうとするが、
盤石に抑えられたように動くことが出来ない。

そこへ荘司の亡霊が現れ、
女御に恨みを述べ、激しく責める。

うるんだ瞳で女御に懇願され、
荘司はやがて恨み心が和らぎ
千代までも女御の守り神になろうと誓って姿を消す・・・

(終わり)


「げに恋は曲者なり」
というのがこの能楽の有名な台詞デス。

年齢差、身分差が入り混じっており
女心の恐ろしさと男心のやりきれなさが
この能楽の魅力という人もいマス。

この「恋重荷」の場合、
荘司に罪はあったのか?
女御に罪はなかったのか?
ブログを御覧の方はどちらだと思いマスか?

普通であれば、
この読売新聞の記事のように
恨みに恨み通すのでしょうけれども、
荘司は「守り神になる」と言い放っていマス。


今の風潮では
「草食系男子」等という語句も出回っておりマス。

自分が思うに
恋をした後の失恋が恐ろしく、恋が出来ない人達が多いのではないか?
というのが原因で
「草食系」が多くなったのではないか?と解釈してマス。

はたまた、この「恋重荷」のように
恋をした人間が滑稽に見える
そうなるのはゴメンだ、というのもあるかもしれませン。

また「ストーカー」という事例も原因かもしれまセン。
恋心を抱いたはいいけども、
行動の一端では「ストーカー扱いされるのではないか?」と
余計に億劫になるのかもしれませン。
「ストーカー=犯罪者」ですからね。


「恋」というのは
「げに曲者」ですなぁ・・・。

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2 コメント

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おもろい・・・ (TAKA)
2009-04-27 14:56:21
能が観たくなりましたよ。
今度来たら、これを肴に1杯やりますかw
レス (吉澤)
2009-04-27 17:27:27
TAKAさん>
能楽には
源氏物語を題材にしたものや
小野小町の老いた後の話などなど。

ストーリーはかなり豊富にありマス。


新作の変わり種だと
漫画『ガラスの仮面』中で出てくる物語の『紅天女』を
能楽にアレンジしたものもありマスよ。

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