不思議な袋の夕べ

よじくれた男、アンダーソンの駄言

フェスティバルFUKUSHIMA!に行って来た(2)

2011年08月18日 22時43分34秒 | Weblog



「激しい雨が~、俺を洗~う~」という、懐かしい歌のサビが聞こえてきそうな激しい夕立の中、放射能雨を浴びようがヴィンテージのB-25が濡れようが、そんな事には我関せずとばかりにハルミは叫ぶ。

独パン旗を支えている西やんとチバ氏、ずぶ濡れで観ている森田智子を除き、自分を含めた殆どはテントの中から声援を送った。

音楽解放区は午前11時から14時までの僅か3時間足らず、ここで中断してしまうと歌えなくなる人も出てくるだろう。
そんなハルミの男気(?)を受けてか、函館くんも土砂降りの中「友情山脈」で応える。


通り雨とはいえなかなか止まず、止むどころか自分の出番の直前にはゲリラ豪雨にも等しい降りになり、流石にチバ氏から「中断しようか」と言われた。
しかし、ここで中断してしまっては、豪雨の中歌い続けた彼等の想いを無にしてしまう。
「よし、やるか」と覚悟を決めた途端に雨は小降りとなり、自分が2曲目を歌う頃にはピーカンの青空に戻ってしまった。

大広場での生音とあって、路上などは殆どやった事のない自分は音がモニター出来ないことから、つい力みがちになり、何年か振りに弦を2本切ってしまった。
2本切るとチューニングもガタガタ、伴奏楽器としての機能は殆ど果たさないので2曲目の後半から“ギターパーカッション”での歌となってしまった(チバさんスンマセンでした)。
だが、福島の地で「海が無い(震災後バージョン)」と「お地蔵さん」を歌えたことは、自分としては感慨深かった。


自分の後にも飛び入りは続き、土曜にcoolfoolで会っためめこちゃんも飛び入っていた。

そして、サプライズなのか、はたまた最初から決まっていたのかは知らないが、最後に遠藤ミチロウ氏が何の前触れも無く登場し、2曲を披露してくれた。
観客も報道陣も含め殆ど撮影会の様な有様だったが、音楽解放区独パンエリアの象徴的なラストを飾ってくれた。



音楽解放区終了後は、皆がそれぞれのエリアに散らばった後の、閑散とした独パンエリアのテントでしばし休憩し、ウォーターステージでの“嵐”のエンケン、フラワーステージでは、前日ピストル氏に貸してあげたピックアップの調子を確かめ、球場ステージに移動して頭脳警察のほんの少し、スターリン246、ラストの渋さ知らズ(渋さをバックにしてのknocking on the heaven's doorは感動的だった)を堪能し、函館くんを福島駅まで送り届けて帰路に就いた。

途中事故渋滞に巻き込まれ、虫の音に到着したのは「午前惨事」を少し過ぎていた。



出演者・関係者が異口同音に「このプロジェクトは今年だけで終わりにはしない」と言っていた。
来年以降も開催されるとしても、終了時の段階で既に近隣からの苦情があったとの話もあり、会場の使用や近隣住民への根回し等、そう簡単に事は運ばないだろう。

しかし、これだけの面子がノーギャラ、手弁当で参加、運営もボランティアでやりきったのだから(内情は知る由もないが)、改善すべき点は改善して、来年以降も存続し、また開催される事を切に願う。

(おわり)

※写真提供:ゆきこさん

フェスティバルFUKUSHIMA!に行って来た(1)

2011年08月18日 07時33分47秒 | Weblog





15日の月曜、福島市まで「フェスティバルFUKUSHIMA!」を観に出かけてきた。


このイベントは「プロジェクトFUKUSHIMA」の一環として開催されたもので、詳細はこのプロジェクトのサイトを御覧頂きたい。


土曜からライブのため群馬に来ていた横浜のビトさんが言い出しっぺで、ビトさんはじめ自分、お騒がせツヨシ、ビトさんを観に来た東京の椎名君の四人で急遽福島へ行く事になったのだ。
前日14日の「まちなかフォークジャンボリー」に知人・友達が多数出演するということもあって、気になっていたイベントであった。


今月頭にチバ氏から、この日のメイン会場である四季の里で行われる「福島音楽解放区」での独唱パンク枠が決まったので是非参加しないかとの誘いがあったのだが、この時点ではまだ仕事のお盆休みの日程はおろか、休みの有無さえ決まっておらず、参加を断念。
誘いの翌日、断りの連絡を入れようとしたが参加表明者多数で既に締め切られていた。


結局お盆直前になってようやく休みが決まったのだが、“ETC休日1000円”が廃止となった現在、単独車で福島まで出かけるのは経済的に少々キツく、気軽に出かけるというわけにはいかない。
群馬は福島の隣県とは云え道路が通っていないので直接には行けず、福島市までは栃木を経由して300km弱、高速を使っても4時間程かかるのだ。
演奏しに行くのなら話は別だが、この距離と時間では入場無料ではあっても、独りで福島まで乗り込むまでにはモチベーションは高まらない。

そんな折、この日の四季の里フラワーステージ出演の竹原ピストル氏が、丁度良い具合に前日の14日に虫の音でライブだったので、氏を福島まで送りついでに観て来れば一石二鳥などという考えも浮かんだが、たまたま今回に限りピストル氏はベースの水野氏及び友人のリョージさんと共に車で移動していたので、その案もあえなく頓挫した。

そんな事から「このイベントにも縁が無かったなぁ」などと思っていたところに、降って湧いたような今回の話、高速代・ガソリン代含めても、車一台移動で四人で割れば3000円前後で福島まで行って来られる。
「これは渡りに船だ」ということで、今回の「フェスティバル~」行きと相成ったのである。



当日朝7時、予てから来客が決まっていて同行できないサトチエに見送られる中、自分の運転で虫の音を出発、関越道、北関東道、東北道と乗り継いで11時前に現地に到着した。

会場に入ってすぐ、「アンダーソンさ~ん!」と声を掛けられる。
前日のまちなかフォークジャンボリーに出演した河内伴理(以下伴ちゃん)と共に前々日から福島入りしていたゆきこさんであった。

丁度、伴ちゃんのユニット・てあしくちびるが演奏を始めるところで、バイオリンのツッチーさんとタンバリンのともちゃんさんに挨拶をし、伴ちゃんに音楽解放区の状況を聞いた。

ここで各自、自由行動とすることとし、三人と別れた。
自分はてあしくちびるを観てから独パンエリアへ移動した。



会場の四季の里は、前橋の親水公園くらいの広さで芝生広場の周りに水場やバラ園やレストランなどの施設があり、ちょっとした小奇麗なファミリー公園といった趣だ。

会場真ん中の芝生広場には、一面に継ぎはぎの風呂敷(大風呂敷というらしい)が敷き詰められていて、色とりどりの市松模様になった風呂敷が強い日差しを反射して眩しかった。
これは芝生からの放射線の影響に配慮したものであるらしい。


音楽解放区は特に場所を決めて割り振っているものではないらしく、参加者各自が思い思いの場所で演奏やパフォーマンスを行っていた。

園内は想像していた程の人出ではなく、会場内・会場間の移動にはさしてストレスを感じなかった。
軽食や飲み物を売る屋台が多く出店しており、どこも殆ど並ばずに買うことが出来た(北海道出身のビトさんは、場内のビール園でジンギスカンをしていたらしい)。

少々寂しくは感じるものの、人混みが苦手な自分には丁度良かった。
駐車場や駐車場向かいの野球場ステージから15分程歩かなければならなかったが、並ばずに駐められ、某巨大夏フェスなどと比べたらかなり楽な方らしい。
仮設トイレも設置されていたが、綺麗な既設のトイレも多く、こちらも好印象だった。

しかし、会場にはプレスやテレビクルーの数が異様に多く、オレンジや黄緑色のビブス姿の集団が至る処で目に付いた。
「犬も歩けばカメラやガンマイクに当たる」と言っても大袈裟ではないくらいの数で、同業者だけに少々鬱陶しかった。
報道陣の多さと反比例して、放射能を恐れてだろうか、外国人に関しては殆ど姿を見ることはなく、マッチョで屈強そうなセキュリティースタッフを除き、ほんの数人見かけただけだった。


独パンエリアに着くと、丁度主宰のチバ氏が歌い始めたところだった。
背後にはお馴染みの独パン旗が掲げられ、これが目立つせいか独パン関係者以外にも足を止めて観ている人や撮影陣が多かった。

この音楽開放区は電気を一切使わない完全生音が主旨となっているため、演者に近寄らなければ音は聞こえない。
しかも似たような生ギターによる弾き語りスタイルが多いので、この独パン旗は観客に対する絶好のアピールとなっていたようだ。
また、独パン参戦者には所謂“熱唱型”や“絶叫型”が多いので、概ね歌も聞き取りやすかった(それでも、チンドン屋よろしく管楽器を吹き鳴らしながら練り歩く集団が近づくと歌が掻き消されてしまう。あれは止めて欲しいね)。

3曲程度の短い持ち時間ではあったが、炎天下にも関わらずそれぞれ気持ちの込もった演奏が続いた。
中でも、西やんに至っては飛び跳ね回った挙句、小川に飛び込む(?)熱演ぶりであった(笑)。



演奏が終わったチバ氏に挨拶すると、「どうせだから一曲演ってって」と言われ、急遽歌う事となった。
「他の面子の時間を割いたら悪いな」と思い躊躇したが、当初から参加を表明していた「レギュラー陣」の演奏が終わった後に飛び入り枠が設けられており、ギターも貸してくれるというので遠慮なく歌わせてもらうことにした。

しかし、飛び入りコーナーの時間が近くなると急に雲行きが怪しくなり、“レギュラー陣”のハルミと函館くん二人を残す段になって、少々早めの夕立が降り出した。

「こりゃ中断かな」と思いきや、土砂降りにも関わらずハルミは演奏を始めたのだった。

(つづく)

8月のライブ予定

2011年08月10日 12時36分32秒 | ライブ予定

すっかりご無沙汰の更新である。

この夏、「蝉が鳴かない」「虫が少ない」という言葉をしきりに耳にする。
確かに、昼休みの散歩コースの緑道の桜の下には毛虫の糞が殆ど見当たらない。
例年ならこの時期、桜の下に黒い“つぶつぶ”がびっしりと敷き詰められているのだが。


さて、遅くなりましたが今月のライブ予定です。


8月23日(火)
神田淡路町 デボラ
デボラ3周年記念イベント
『サマーソウイチの知り合い2011』
18:00開場
18:30開演
1300円+ドリンク
出演
ソウイチ
水野寝地
八千代少年院
大森晴子
上村隆
アンダーソン
じゅんやと人情と夕焼けの集い
ぱにっくだらい



8月27日(土)
前橋coolfool
20:00~
400円+オーダー
出演
アンダーソン
オレンジ色
taki


以上ですので、宜しくどうぞ。