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(07/06/01)

墨攻

2007年01月27日 | 丁稚 定吉の映画日記
わてが丁稚の定吉だす。
2月3日公開の「墨攻」の試写会に行って来ました。
戦争の痛みが時を越えて伝わってくる作品です。
原作コミックを読んでいたのですが、内容は全11巻のうち4巻まで。
量としてはこれが限度でしょう。なんとか上手く納めたという感じです。
女騎士が登場したりもしますが原作後半に出てくる「娘」と通じる点も多く不自然ではありません。
若手の顔が似てて見分けがつきにくいのと、動揺分子とスパイとの区別がつきににくく混同しがちなところが難点ですが、
戦いの迫力と残虐性の描写という点では
やはり絵よりも実写、文字よりも重低音といったところでしょうか。
腹に響く音が印象的で、DVDではこの迫力に欠ける事は間違いありません。
原作も良ければ役者もアンディ・ラウ、アン・ソンギと、ケン・ワタナベ以上に
世界に誇れるアジアの名優が共演・好演しています。
中国・日本・香港・韓国の合作であることがいい方向に出ています。
時は春秋戦国時代の中国、群雄が割拠して秦の始皇帝が統一する直前。
趙国に侵攻されそうになった燕国の梁城から、墨家に援軍の求めがあります。
現われた墨者はたった一人。一人で4000人を指揮し、10万の軍隊と対峙します。
墨家は特長のある思想を持っていますが映画ではあまり表には出てきませんが
「兼愛」「非攻」「非楽」「尚賢」といった部分のさわりは十分魅力的に描かれており、
最近までの日本と親和性が高い部分が多いですし、これからの日本を考える上での
一つのサジェストのになれば、と思います。
コミックではこの後、革離は墨家に戻り、そこを追われて趙国で秦国を迎え撃ちます。
この映画では「この後、趙は秦に滅ぼされる」という内容のテロップで
締めくくられますが、だからこそこの一文に思うところが多いのです。


今年見た3作品中1位

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