すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

士郎正宗「攻殻機動隊 2」

2005-11-22 09:05:19 | 書評
放浪編 その七


自分が平均以上の受け手であるのかどうかは、時々不安になることです。(30で家出しておりますから、社会人としては平均以下ですが)
まぁ全ての作品が想定している受け手になれるわけはなく(ドイツ語の作品は、当然のことながらドイツ語を理解できる人間に向けてつくられているわけですし)、あんまり気にして仕方ないのでしょうが。


で、放浪中。読んだ本を捨て去ることに抵抗のあるタイプなので、全てバックに収めなくてはいけない。そんなわけで、読めば読むほど、持ち物が増えてしまう。

「あんまり複雑なもんは読みたくないなぁ~」とも言っていられなくなり、「これなら、かなり持ちこたえられそうだ」と選んだのが士郎正宗「攻殻機動隊 2」。

が、ちょっと、僕には難しすぎた…………。のっけから分からない。
既知限界サイボーグである素子にとって
アクティブなドライブは全て自分であり
アクティブなソースは全て自分の記憶である
それらは常に可変であるが
周期的に「生物部品」が燃料や睡眠を要求し
基本帰属層を思い出させてくれる
物理も情報も共に現実であり
全てはいつまで続くか分からない人生そのものなのだ
士郎正宗「攻殻機動隊 2」1頁 講談社
「既知限界サイボーグ」?。もう意味が分からない。(「SF通なら、お馴染みの言葉なのだろうか?」と思っていたが、グーグルで検索しても、15件しか出ないぞ…………)
ようするに、物質に依存しない、情報だけの存在となった「素子」であったが、普通の人間と同じような人生が待っている…………ということなのか? いまいち、自信が持てない。

まぁ、読み進んでいくうちに、分かってくるのだろう…………などと甘い希望を持っておりましたが、…………降参です。
もう、最後まで、さっぱりでした。(そんなわけで、家出中に読み終えることは、できませんでした)

自分の読解力不足なのかもしれませんが……………、これは、ちょっと作品自体にも欠点があるような気がするなぁ。
もうちょっと、読者に説明をすべきなんじゃないかなぁ。

作者としては、そんな軟弱な読者は想定していないのでしょうけど。


物語に関しては、そんな感じでした。

絵柄は、全編CGを駆使し、カラー多目。
描き込みは凄いです。特に女体に関して、アメリカでのみの発売を前提としていたら、きっと女性器のビラビラまで描いただろうと想像できるような、頑張りです。(が、好き好きがあるとは言え、あまり「勃つ」ような絵ではないと思います)

そんな感じでした。


攻殻機動隊 (2) KCデラックス

講談社

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