すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

森田宏幸「猫の恩返し」

2005-02-07 17:00:03 | 映画評
池脇千鶴を最近見ないような気がする


「千と千尋の神隠し」は、映画館で見ました。
一人で行ったんですけどね。そしたら周りが小さな子供ばかり。映画が始まるまでの数分間を子供に包囲されて、かなりの苦痛でした。こうして普段とは異質な孤独に悩まされた思い出があります。(平日の病院の待合室では、老人に囲まれるという逆ベクトルの孤独が味わえます)

そんなわけで、ハウルは諦めております。


で、今回見たのは「猫の恩返し」です。

異界探訪譚というのでしょうか?
一人の少女が異界(猫の国)に連れていかれ、そこで成長し、現実の人間世界に戻ってくるという話。

あれ? 要素だけ抜き出すと、「千と千尋の神隠し」と同じのような…………。

まぁ「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」も、「自然界と人間界を結びつける巫女的な役割を持った少女が、自然の怒りをなだめて、世界に調和をもたらす」という要素だけにすると似たようなもんだしな。


「猫の恩返し」に戻りますと、なんで母子家庭なんだろう?
最初は母に甘えがちな少女が、最後では母を手助けする(養うとまでは、さすがにいきません)立場に転倒するわけなのですが、このプロットが先にできたために、父を設定から排除したのでしょうか?

母と同一(甘え)から自立(手助け)の展開に、父を持ちこむと、話が複雑になるから?
その代わりに、主人公を助けるバロンが、少女に自立をうながす父性をあらわしているということなのかな?


もっとも、そんな七面倒臭いことを考えなくても、やはりジブリ作品なんで、気楽に見れます。
日本的なコミカルなキャラクターの造形は、さすがです。

ファミリーでの映画としては、うってつけでは?


猫の恩返し / ギブリーズ episode2

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