さえない日々

夢の島まであとどのくらい?

喉越しのいい涙で…

2013-04-22 00:10:58 | インポート

冬の終わりに風邪をひいた。

喉の風邪。

つばを飲み込むのも一苦労。

熱はないので、仕事には行った。

休みの日は家でゆっくり過ごす。

で、思ったのだ。何か静かだな~と。

よくよく考えると、喉の痛みのせいで、独り言を言わないからなのだった。

そんな、「咳をしても一人」な日々。

ずっと一緒に過ごしてきたのは、キリンジの音楽だった。

そのキリンジが形を変えてしまう。

楽しいことをしていても、おいしいものを食べていても、

ここのところ、心のどこかに淋しさがつきまとう。

悲しみ、空虚感、残念な気持ち。

バカだよな~と思う。

でも、それくらい私には大きなことだった。

   

兄弟キリンジ最終ツアーの初日。横浜に出かけた。

Photo

3時間にも及ぶライブ。

新旧に渡る選曲。

全く長さを感じない、楽しいライブだった。

やっぱり、途中泣いてしまったが…

このライブをあと2回楽しめる。

でも、あと2回しか見られない…

アンケートには恨み言を書いてしまった。

   

3月17日。鹿児島でのライブ。

2_2

会場 に向かう途中 に麒麟児というお店を見つけてうれしくなる。

この日は、イベントで知り合ったKさんとライブまで話して過ごす。

今まで、キリンジファンとこんな風に話したことがなかった。

Kさんと情報交換することで、脱退のショックを分散できた気がする。

ありがたく、貴重な存在。

Caparvo2

ファンクラブ先行で、すぐにチケットをとったのに、

いつもの鹿児島ライブよりかなり整理番号は後の方。

でも何とか1列目の端をキープ。

やっぱり始めの方で泣いてしまったが、

その後は、ただただキリンジの音楽を楽しんでいた。

一曲一曲を聴き逃すまいと必死。

アンケートには、やはり恨み言。

   

この後、3月27日兄弟最後のアルバムTen発売。

発売日のニコニコキリンジを仕事の合間にこっそり見る。

夜のミズモトさんの生放送は楽しかった。

みんなキリンジが好きなんだよな~。

Tenは、ネット注文していたので、届くのは明日。

待ちきれずに、iTunesでダウンロードしてしまった。

インストがついてくる特典もあるし!

「きもだめし」「黄金の舟」…

お兄ちゃんの作った曲を弟が歌うって、贅沢だったんだな~

もう味わえないのかな。

dusty spring field 聴いているだけで泣きそう。

「ビリー」とか、「夢見て眠りよ」を聴いていると、

今後の馬の骨が楽しみになるけど…

やっぱり、淋しさが勝ってしまう。

   

そして、4月7日、福岡。私にとって最後の兄弟ライブ。

4月とは思えない寒さ。

この日もライブまでKさんと一緒で心強い。

横浜と鹿児島で手に入れられなかったタオルを手に入れるため、

早めに会場に並ぶ。

何とか手に入れられ、うれしい。

Photo

席に着き、早めにアンケートを書いておく。

2会場で恨み言を書いてしまったことを反省していたので、

この日は感謝の思いを込める。

ライブが始まるまで楽しみなような、まだまだ始まってほしくないような。

隣に座った人と少し話していると、ライブが始まる。

弟の喉の調子も良く、なんと美しい声!

愛のCoda、もうこの声で聴けないのか…

この不思議な間合いのMCも…

やっぱり淋しくなってしまう。

でも、頑張って最後まで正気で聴かないと!

ティンホイッスルやペダルスティールの音が美しく悲しく響く。

この日は、予定外のWアンコールまであった。

自分にとって最後のライブ。最高のライブだった。

Zepp

帰り道、Kさんと話しながら余韻にひたる。

仕事の都合でどうしても帰らねばならず、夜行バスで帰る。

興奮してなかなか寝付けず。

バスを降りてから、高速で帰る途中、

海沿いの道で朝日が昇る。

車の中に大音量でCHANT!!!!をかける。

輝ける今日を迎えよう!

   

4月12日。NHKホールへは行けなかったので、一人解散式。

アップされたセットリストを見ると、これまでと少し違ったようだが、

やはり、「茜色したあの空」~「もしもの時は」は最後の方で演奏されていた。

“喉越しのいい涙で最後のお別れできたらいいさ”と歌ったあと、

“僕らはきっと 地下水のように 通じ合っているのだから”、

“もしもの時は言ってよplease”と歌う。

これって、何かの暗示だったら良いな~。

などと淡い期待。

   

きっとずっと続くものなんてなくて。

思い通りにならないことだらけで。

それはよくわかっていたつもりだけど、今回の件はかなり応えた。

人生の後半部分にさしかかり、

自分がこの世に生を受けたことが奇跡的なことであり、

やり直しがきかないらしいということがやっとわかる。

これで良かったのかな~なんて、日々思っている。

けど、目の前のことに追われて、今日も暮れていく。

大きな決断をした弟にも、

その決断を受け入れた兄にも、

敬意を表したい。

喉越しのいい涙で最後のお別れ…はできそうもないけれど、

衝撃の「大事なお知らせ」からの半年は、

キリンジのファンで良かったな~と思える半年だった。


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