東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

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不動産会社シンエイエステートが東京都から29日間の業務停止処分命令 (東京・立川市)

2011年01月27日 | 家賃保証会社・管理会社・(追い出し屋)

 東京都立川市に本社のある不動産会社シンエイエステートは、敷金・礼金ゼロなどの「ゼロゼロ物件」を宣伝に1都3県にまたがって1万3,000件の物件を扱っている。

 この会社、保証人のいない方、休職中・失業中の人など貧困層や高齢者をターゲットに、「誰でも入居可能」が謳い文句だ。ところが、この会社の契約書は悪質で、「支払いを滞った場合は、請求書の配布、電話連絡等の甲の負荷業務に伴う費用として、督促手数料3000円を支払うものとします」(註1)と家賃の支払いが翌月の初めに支払っても、3000円を徴収する。多摩借組にも「給料の支払いが遅れるので、30回以上督促手数料支払った」という相談も寄せられている。

 また、入居時に数万円の「退室立会費」なるものを予め徴収し、一切返金しない明記されている(註2)。極めつけは「賃借人に賃料の未払いが生じた場合、賃貸人の請求にも関わらず、指定の期日までに支払いを行わなかった場合に、賃貸人が強制退室を行う」(註3)と追い出し行為を明記している。

 組合も参加している住まいの貧困に取り組むネットワークでは、2年前(2009年9月)に同社に対して、徴収された督促手数料の返還や追い出し行為を止めるよう要請し、立川市内をデモ行進したりして同社の悪質な行為を社会的に訴えた。

 また、東京都に対して保証人のいない入居者への「短期一時契約書」は違法ではないか、消費者契約法に反する契約書の作成を止めるよう、「東京都」と消費者団体の「消費者機構日本」に対して申入れを行った。

 この結果、東京都は同社から意見徴収を行った上で、2010年6月9日~7月7日までの29日間、同社に業務停止処分が下された。

 また、「消費者機構日本」からも「賃貸契約書」と「短期一時契約書」に対して、2009年の12月に10項目にわたって是正の申入れが行われた結果、2010年4月に「督促手数料」と「退室立会費」条項の削除、「自然損耗であっても賃借人は畳・クロス・襖の張替費用を半額負担する」原状回復条項についても削除すると回答してきた。また、同社は「強制退室」条項は当然のことながら削除すると回答した。

 しかし、すでに支払った督促手数料や退室立会費については未だに返還してこない。尚、追い出し行為の被害者との訴訟では、和解に応じ賠償金を支払っている。

 

東京借地借家人新聞より


(註1) 第4条(家賃・管理費・駐車場料の支払い)
4.入金方法に関わらず、前月末日までに乙(借主)が甲(貸主)へ当月分の支払いを滞った場合は、請求書の配布、電話連絡等の甲の負荷業務に伴う費用として、乙は甲に督促手数料3千円を支払うものとします

 ⇒督促手数料という名目をとっていたとしても、支払期日を遅延した際に支払う金銭としては、滞納違約金と同様であることは疑いようがない。消費者契約法9条2号では支払期日のある金銭の違約金として上限を年率14.6%と定めており、また、滞納期間に関わらず、一律に3000円の支払いを義務付けることは、消費者の利益を一方的に害する条項であり、消費者契約法10条に反して違法である。


(註2) 第15条(退室立会費)
1.乙の本物件の入居期間に関わらず、乙の退室の際は、甲により必ず本物件の点検を行うものとします。乙は甲の行なう点検に立会うものとし、その点検及び立会いに伴う費用は、乙の負担とします。

2.点検及び立会いに伴う費用は「退室立会費」として、乙は本契約締結時に前払いで甲に支払うものします。

3.乙は本契約の解約時に、新規契約時及び更新契約時の契約書、またはそれに添付の覚書に基づいて、ルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等を甲に支払うものとし、乙から甲に預託中の敷金がある場合は、第5条3項に基づき、敷金との相殺にて支払うことができるものとします。但し、本契約締結時に乙が甲に退室立会費を支払済みの場合には、ルームクリーニング代等は発生しないものとします。

5.甲が乙より受領する退室立会費は、解約の理由を問わず、返金されないものとします。

 ⇒入居時に敷金ゼロ礼金ゼロで契約した入居者の多くは、仲介業者にて「退室立会費」なる名目で、本契約締結時に前払いで数万円を徴収されている。これは、3項でルームクリーニング代、シャワーカーテン代交換代等に充当するものとされている。預託中の敷金がある場合には、敷金との相殺にて支払うとされていることからも、敷金ゼロを謳うが、「退室立会費」は実質的には敷金の趣旨である。

 ⇒自然損耗・通常損耗について賃借人に原状回復義務を負担させる旨の特約は、消費者契約法10条に該当し、無効である。


(註3) 第19条(特約)
乙に賃料の未払いが生じ、甲及び株式会社シンエイエステートの請求にも関わらず、乙が指定の期日までに支払いを怠る、または約束不履行の際、甲は「強制退室」の処置を行うものとします。」

 ⇒法的手続きに則らない自力救済行為は法治国家では基本的に認められておらず、違法である。


その他に問題になるものに念書がある。

 <念書

 「 賃貸借契約を締結するにあたり、契約条項第11条の連帯保証人を選任せずに契約入居することの許可をお願い致します。

 上記物件を賃借するにあたり、契約条項を遵守し、特に賃料の滞納しないこと、物件・付属設備等を故意に破損しないことを約束致します。

 万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません。

 なお、今回賃貸借契約を締結するにあたり、敷金(家賃2ヵ月分)を預け入れ致します。」

⇒保証人が不要であるとホームページなどで謳っていながら、保証人をつけることができない入居者に対しては、実際には上記「念書」を書かせている。

⇒「万が一、賃料滞納等の事故が発生し、当月の賃料を10日までに支払わなかった場合には何らかの督促を要せずに玄関ドアのシリンダー鍵の交換、室内の家具等残存物処分にも異議申し立て致しません」という条文は、法治国家では認められていない自力救済行為を認める条項である。実行された場合は、住居侵入罪(刑法130条)や窃盗罪(刑法235条)、器物損壊罪(刑法261条)にも該当する刑事犯罪となる。・・・・(東京・台東借地借家人組合)

 

東京・台東借地借家人組合

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