常識について思うこと

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旧時代政治終焉のシナリオ

2009年12月25日 | 政治

日本の高度成長は、戦後の大型ベンチャーを中心とした経済界を背景とし、それを力の源としたビジョンある政治家たちが成し遂げたのだと考えます。高度成長を成し遂げる過程においては、今日、癒着と揶揄されるような構造的問題もありますが、それは、今でこそ問題として論じられるものであり、当時、日本を大きく成長させるための仕組みとして、立派に機能していたと考えるべきでしょう。そういう意味で、自民党というのは、かつて力とビジョンを兼ね備えた政党であったと言うことができると思います。ここでいう力とは、組織力という言葉に置き換えても良いかもしれません。

そう考えた時、現在の自民、民主の二大政党に所属している政治家、それ以外の政治家は、以下のように分類できるのではないかと思います。そして私は、古くなったパラダイムを整理し、旧時代の政治に幕を下ろす役回りは、この上から順番に担当していくのではないかと考えています。

第一段階:力があってビジョンを失った人々(自民党)
第二段階:それなりの力があってビジョンがない人々(民主党)
第三段階:力もビジョンもない人々(その他小政党、無所属)
 ※「力」については、時を追う毎に無力化していくと思われますが・・・

この整理のなかで、現在は第二段階にあたります。

ただし、このように整理すると、民主党の方々から、「ビジョンがないとは何事か!」というお叱りを受けるかもしれませんので、一言付け加えておきます。

民主党の方々は、これまでまともに政権を取ることがなく、政権運営に携わった実績がほとんどありません。したがって、たとえ何らかのビジョンがあったとしても、それを実現したとは言えず、それは単なる「絵に描いた餅」に過ぎないとも言えます。現状、政権与党ですので、もし確固とした正しいビジョンがあるのならば、かつての自民党の方々が成し遂げたような、新しい日本をきちんと作り出していくことになるでしょう。そういう意味で、民主党の方々には、きちんと結果としてお示しいただきたいと思うのです。もし、かつての自民党の方々の実績に比して、見劣りしないような結果を残された場合、私は、率直にお詫び申し上げなければなりません。ただし、この点、私は極めて懐疑的に見ております。それが、上記において、民主党の方々に対して、「(どっちにしても大した)ビジョンがない人々」としている理由です。

話を元に戻しますが、現状は、第二段階に過ぎません。民主党政権によっても、大した前進が期待できないと分かったら、この国の政治は、いよいよ第三段階に移行していくことになるでしょう。もちろん、最終的な第三段階に移行する前に、政権が自民と民主を行ったり来たりするような、多少の「揺り戻し現象」があるかもしれません。しかし、たとえそうした局面があったとしても、それは一時的な現象に過ぎず、どちらにしても第三段階が最終段階になることには変わりないと考えます。

第三段階は、もっと悲惨です。ビジョンがないだけでなく、そもそもの力の源泉すら持ち合わせていない、ほとんど口先だけの政治家ばかりになってしまいます。もちろん、ここで言う「ビジョンがない」という表現についても、もし現職の政治家の方々から反論があるようであれば、是非結果でお示しいただきたいと思います。少なくとも私は、彼らが大した結果を残せるとは思っていません。然したる力を背景に持たない政党や、個人だけで動くだけの無所属議員に、新しい日本をリードできる力はありませんし、次の時代は担えないというのが私見です。

そして私は、そうした意味での第三段階において、ようやく国民の多くが気付くのではないかと思うわけです。

-自分が政治家をやってもいいんじゃないか?-

こうなった時、いよいよ国民一人一人が政治家になるくらいの責任感を持って、政治に参加する時代になると言えるでしょう。第三段階のような悲惨な状況に陥るまで、新しい時代が訪れないと考えると、それはそれで大変なことではあります。しかし、日本という国の行く末について、国民一人一人がきちんと責任感を持てることができるということは、とても素晴らしいことだと思います。そして私は、それこそが、新しい時代における正しい政治の姿ではないかと思うのです。

昨日の鳩山さんの政治資金に関する会見に対して、いろいろと不満を述べられる国民の方々もいらっしゃるようです。それはそれで、心情としては非常によく理解できます。しかし、今起こっていることを、上記の整理に基づいて考えると、新しい時代に至るまでの第二段階の始まりに過ぎず、まだまだもう少し時間がかかりそうであることを指摘せずにはいられません。そして、私としては、自らが為すべき事を淡々と進めつつ、次の時代の到来に備えておきたいと考えます。

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