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ローゼンメイデンを初見

2008年05月27日 | ヒーロー&アニメ

ある著名な政治家の方も楽しんでいるという噂の「ローゼンメイデン」を観ました。アニメは、もう4年ほど前のものですが、私にとっては初めての作品です。まず、面白かったです。シリアスなストーリー展開のなかにも、適度なギャグが織り交ざっていたりして、なかなか楽しめました。それぞれご覧になった方々ごとの感想はあるでしょうが、私が感じたことは、以下のとおりです。

①「ピノキオ」を超えられる
ローゼンメイデン(ここでは「アニメ」に限って整理します)は、ローゼンという人形師が作った人形たちの物語ですが、一部ピノキオを思わせるようなところがありました。息子を亡くした老人が、人形(蒼星石)を息子と思い込んでしまい、また人形もそれに応えようと振舞うところなどは、「ピノキオ」の物語にあるピノキオとゼペット爺さんの関係を連想させます。

一方で、私はふと思います。「これは『ピノキオ』を超えられる!」

「ピノキオ」がこれだけ世に知れ渡っているのは、言わずと知れたディズニーのアニメ映画による影響でしょう。絵本なども数多く出ていますから、「ピノキオと言えばこういう顔」というビジュアル的なイメージも、かなり定着しているのではないかと思います。ところで、この映画は1940年に公開された90分程度のアニメです。これが驚きです。たかだか90分のアニメで、60年以上も世界に定着させるというメディアの力は強大です。それと同時に、メディアの仕組みが変わりつつ現代において、そろそろバトンタッチが行われてもいいのではないかとも思うのです。

その視点で、ローゼンメイデンをみると、この作品は「ピノキオ」を超えられると思うわけです。ローゼンメイデンは、1期だけで全12話あるので、総計4~5時間ものストーリーになります。これに2期や特別編まで加えると、大変なボリュームになりますし、当然、ひとつのキャラクターに纏わる設定や、さまざまな物語や歴史が重厚になります。アニメ映画「ピノキオ」は、既に60年以上も前に誕生し、メディアの力で全世界的普及を成しえましたが、所詮90分のアニメであり、ピノキオをピノキオたらしめるストーリーは、その時間枠のなかでしか存在しえません。単純に本編の時間の長さだけでみても、ローゼンメイデンの方が、ボリュームがあるわけであり、コンテンツそのものの重厚さや密度の点で、むしろローゼンメイデンの方が勝っていると言えるのではないかと思うのです。

もう少し具体的に表現すると、例えば「ピノキオ」という物語に出てくる「ピノキオ」というキャラクターと、「ローゼンメイデン」という作品のなかに存在する「真紅」というキャラクターと、どちらがよりキャラクターとしての設定が緻密にできるかという点(細かい性格や言葉遣い、行動パターン等)で、後者の方が遥かに有利だし、実際にそれは物語全体にも反映されているのではないかと思うわけです。

これらは、作品のキャラクターや世界設定に対して、非常に大きな影響を与えるものであり、こうしたことに力を注いでいる作品は、世界観がしっかりするため、より優れた作品となる可能性が高まります。ここにメディアのルールや力関係が変わったとき、自ずとこうした優れた新しいコンテンツが、正当に評価される時代に転換していくのではないかと思うのです。

②戦うことの難しさ
ローゼンメイデン(人形)たちが互いに戦うのは、自分たちを作ってくれた人形師ローゼンが理想としていた人形「アリス」になるためという設定です。ローゼンメイデンたちは、そのために他の人形たちを倒していくわけです。こうした「人形同士がある目的のために戦う」という設定が、「戦わなければ生き残れない」というテーマで、仮面ライダー同士が戦う「仮面ライダー龍騎」の世界に重なって見えるのです。

これは、生きる者にとって、大変難しいテーマです。ローゼンメイデンのメイン人形である真紅が、「生きることは戦うことと」と平然と言ってのけるあたりに、その重みを感じるのですが、同時に「私のやり方でアリスゲームを制する」などという彼女の発言のなかに、単に「戦いに勝てば良い」というものではないという真紅なりの苦悩も感じます。相手をやっつけて「やったー!」、「勝ったー!」で済まさない、こうした世界観も大切だと思うのです。

③その他
萌え要素もあるでしょう。個人的には、真紅のジュンに対するツンな感じが「良い」と思います。

それから、相変わらず声優さんの豹変ぶりに感嘆してしまいます。完全に悪役的存在の「水銀燈」の声優である田中理恵さんは、「ふたりはプリキュアMaxHeart」ではシャイニールミナスだったり、「ちょびっツ」のちぃ役をされたりしていますが、あまりに違い過ぎです。つくづく、声優さんはすごいと思います。

以上、取り留めない感想文ですが、日本のアニメの凄さについて、あらためて書いてみたかったのでした。

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