都心で行われた、病院薬剤師向けの勉強会。テーマは『提供される医薬品情報を鵜呑みしていませんか?』。演者は中央区にある某企業系病院の薬局長。
総括すれば、製薬企業からの情報の中には、巧みな表現やグラフが用いられ、自社に都合のいいように仕立てられているから、薬剤師はそれを見抜いて、マジックにひっかからないように、日々情報に触れて注意しましょうね、というだけのこと。
確かに部分的にはけっしてウソの情報とはいえないが、そのあつらえかたというか、メーカー作成の資料は、製剤全体の評価としてはいかがなものか、というものが多い。それはいいとしよう。
しかしだ。冒頭で現在のMRってこんな程度なんだよ、という“実例”紹介として、まず「今から12年前にあった薬害で、これを契機に添付文書の記載のあり方が見直されたものは何か」と、ソリブジン薬害のアウトラインを現在のMRがどれくらい知っているかどうか、アンケート調査した内容が示された。
このような有名なことでさえ、若いMRの多くは知らないんですよ、年配者でも当該メーカーの者でなければ知らない、ってMRは開き直るんですよ、というMR批判。
次いで、医学・薬学系主要欧米雑誌を8誌とりあげ、雑誌の略名や発行国、発行頻度をアンケート調査し、ほぼ100%、誰も知らない、有名な雑誌に目を通さないなんて不勉強ですねぇー、そんな人たちがMRとして病院に来ているんですよ、というMRの大批判が繰り広げられた。
おいおい、そんな事がMRを評価するうえで、格好の質問なのかい?、ってMRでなくても思う。ソリブジン薬害は、薬学部卒なら一般教養として習っていてもいいだろうが、文系やの他学部卒のMRには、ソリブジンという名前程度が関の山で、相互作用のメカニズムまで問うのは、いかがなものだろうか。
ましてやJAMAやBMJ等の素性的なことを聞いて、不勉強だの、信用がおけない、という証拠のように持ち出すセンスはいかがなものだろうか。
自分が英雑誌を少しくらい読めるという、単なる自慢話をしたかった、鼻にかけたかっただけじゃないか。
総論として、だから病院薬剤師の皆さん、適性使用のために情報を正確に読んで安全確保に寄与しましょう・・・、それはいいが、あまりにもモノの一端を見て、それを知らないのはボケカスのように言うのはいかがなものか。そんな偏った見方をしている病院薬剤師こそ、情報の評価のしかたどころか、物事の見方を誤るのではないか、と危惧される。
この演者、来春からは近年千葉県N市に移転した某大学・薬学部の助教授として赴任する。この大学は、選択を大きく誤った。母校なだけに、残念極まりない
総括すれば、製薬企業からの情報の中には、巧みな表現やグラフが用いられ、自社に都合のいいように仕立てられているから、薬剤師はそれを見抜いて、マジックにひっかからないように、日々情報に触れて注意しましょうね、というだけのこと。
確かに部分的にはけっしてウソの情報とはいえないが、そのあつらえかたというか、メーカー作成の資料は、製剤全体の評価としてはいかがなものか、というものが多い。それはいいとしよう。
しかしだ。冒頭で現在のMRってこんな程度なんだよ、という“実例”紹介として、まず「今から12年前にあった薬害で、これを契機に添付文書の記載のあり方が見直されたものは何か」と、ソリブジン薬害のアウトラインを現在のMRがどれくらい知っているかどうか、アンケート調査した内容が示された。
このような有名なことでさえ、若いMRの多くは知らないんですよ、年配者でも当該メーカーの者でなければ知らない、ってMRは開き直るんですよ、というMR批判。
次いで、医学・薬学系主要欧米雑誌を8誌とりあげ、雑誌の略名や発行国、発行頻度をアンケート調査し、ほぼ100%、誰も知らない、有名な雑誌に目を通さないなんて不勉強ですねぇー、そんな人たちがMRとして病院に来ているんですよ、というMRの大批判が繰り広げられた。
おいおい、そんな事がMRを評価するうえで、格好の質問なのかい?、ってMRでなくても思う。ソリブジン薬害は、薬学部卒なら一般教養として習っていてもいいだろうが、文系やの他学部卒のMRには、ソリブジンという名前程度が関の山で、相互作用のメカニズムまで問うのは、いかがなものだろうか。
ましてやJAMAやBMJ等の素性的なことを聞いて、不勉強だの、信用がおけない、という証拠のように持ち出すセンスはいかがなものだろうか。
自分が英雑誌を少しくらい読めるという、単なる自慢話をしたかった、鼻にかけたかっただけじゃないか。
総論として、だから病院薬剤師の皆さん、適性使用のために情報を正確に読んで安全確保に寄与しましょう・・・、それはいいが、あまりにもモノの一端を見て、それを知らないのはボケカスのように言うのはいかがなものか。そんな偏った見方をしている病院薬剤師こそ、情報の評価のしかたどころか、物事の見方を誤るのではないか、と危惧される。
この演者、来春からは近年千葉県N市に移転した某大学・薬学部の助教授として赴任する。この大学は、選択を大きく誤った。母校なだけに、残念極まりない