東京ドーム事故「同乗者のロック確認せず」女性アルバイト
産経新聞 1月31日(月)11時5分配信
東京都文京区の東京ドームシティアトラクションズで、走行中のコースターから男性客が転落死した事故で、安全確認を担当した20代の女性アルバイト従業員が警視庁捜査1課と富坂署の事情聴取に対し、「同乗の3人の安全バーもロックされているか、手で押し込んで確認しなかった」と説明していることが31日、捜査関係者への取材で分かった。同課は同日、業務上過失致死容疑で現場検証し、バーのロックの状態や転落時の状況などを詳しく調べる。
アルバイト従業員は聴取に対し、「口頭でバーを下げるよう乗客には伝えたが、手で確認はしなかった。バーは下りているように見えた」と説明。同課は男性客のロックが不十分だったとみて、従業員らから事情聴取し、確認作業の実態を調べる。
同園によると、バーの確認について、責任者が係員に口頭で「手で押して確認するように」と指導していたが、運行マニュアルには「安全バーがしっかり倒されているか確認。乗車していないところも倒します」として、具体的な方法は記載していなかった。
事故は30日午後0時40分ごろ、「スピニングコースター舞姫」で発生。知人3人とコースターに乗った羽村市の会社員、倉野内史明さん(34)が発進して約100メートルのU字カーブで左に曲がっている時に投げ出され、約8メートル下のコンクリートに転落し死亡した。
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安全バーがしっかり倒されているか確認するというが、「しっかり」の中味があいまいだ。どのようなことが「しっかり」なのか。客観的ではない。
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安全バーは各座席に設置されている。客が手前に引いて腹部のあたりで固定し、締まるとカチッと音がする仕組み。体形に応じて8段階で固定されるが、自動で確認する装置はなく、係員が目視や手で触れて固定具合を確認する。大柄などの理由で安全バーが固定できない場合は、乗車させない規定になっていた。
(中略)
事故当時、安全バーの点検はアルバイトの女子大生が担当しており、女子大生は同庁の事情聴取に対し、「口頭で『安全バーを下ろしてください』とアナウンスしたが、手で触っては確認しなかった。バーが下りているように見えたので、発車しても大丈夫だと思った」と話したという。
(読売新聞 1月31日(月)1時47分配信)
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安全バーは乗客が手前に引き、体格に応じて適切な部分で固定。運転中は解除できない。しかし、固定されなくても、係員がボタンを押すと発車する。倉野内さんは体重100キロ以上で、安全バーが固定されなかった可能性もあるという。
(毎日新聞 1月30日(日)20時37分配信)
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会社側は火消しに躍起だが、この会見のあり方に早速批判が出ている。
死亡事故という重大な事態にもかかわらず、社長が不在だったことに非難が集まっているのだ。
企業の危機管理に詳しいリスクヘッジ代表の田中辰巳氏は「上場企業としてはあり得ない事態です。会見は企業側の危機意識が問われる場。社長不在ということは事故の重大性を軽視している証左に他ならない」と指摘する。
(中略)
先の田中氏は「企業側の対応をよく注視する必要がある。不祥事や事故を起こしたとき誰がどういう対応したか。企業側の体質が分かる。十分でない場合は、信用しない方がいい」。
(夕刊フジ 1月31日(月)16時57分配信)
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今回の事故について、アルバイトの安全確認ミスを指摘する声があるが、その前にコースターの構造上の欠陥が考えられると思うのだがどうだろうか。
まず、ある一定のところまでバーを倒し、固定が確認できるとランプがつくような構造にして、スタッフが手で押さえなくても固定が確認できるとか、固定が確認できないとスタートできないとか、コースターにフールプルーフ思想の設計や機能がなかったことはないだろうか。もしくは、固定未確認や何らかのアクシデントで解除された場合は、コースターに自動停止装置が働くとか。
バーで固定する方式は、体格によってバーが確実に倒れているかどうかがあいまいであり、車のシートベルトのように、どうやっても飛び出さないような方式のほうが良かったのではないか。
腹部にバーを当てる固定方式は、客がこの程度の固定でよいと思った程度と、係員が大丈夫であると判断する程度に違いはなかったのか。乗客にその判断を委ねるという点でも、固定方式上の問題といえるのではないか。
スリルが楽しいコースターといえども、安全が保障されたうえでのこと。安全が前提だ。
仮に、安全性を最小限に削いで、スリルを味わうとしたら、それはスリルと呼べるものではなく、もはや恐怖だ。
産経新聞 1月31日(月)11時5分配信
東京都文京区の東京ドームシティアトラクションズで、走行中のコースターから男性客が転落死した事故で、安全確認を担当した20代の女性アルバイト従業員が警視庁捜査1課と富坂署の事情聴取に対し、「同乗の3人の安全バーもロックされているか、手で押し込んで確認しなかった」と説明していることが31日、捜査関係者への取材で分かった。同課は同日、業務上過失致死容疑で現場検証し、バーのロックの状態や転落時の状況などを詳しく調べる。
アルバイト従業員は聴取に対し、「口頭でバーを下げるよう乗客には伝えたが、手で確認はしなかった。バーは下りているように見えた」と説明。同課は男性客のロックが不十分だったとみて、従業員らから事情聴取し、確認作業の実態を調べる。
同園によると、バーの確認について、責任者が係員に口頭で「手で押して確認するように」と指導していたが、運行マニュアルには「安全バーがしっかり倒されているか確認。乗車していないところも倒します」として、具体的な方法は記載していなかった。
事故は30日午後0時40分ごろ、「スピニングコースター舞姫」で発生。知人3人とコースターに乗った羽村市の会社員、倉野内史明さん(34)が発進して約100メートルのU字カーブで左に曲がっている時に投げ出され、約8メートル下のコンクリートに転落し死亡した。
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安全バーがしっかり倒されているか確認するというが、「しっかり」の中味があいまいだ。どのようなことが「しっかり」なのか。客観的ではない。
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安全バーは各座席に設置されている。客が手前に引いて腹部のあたりで固定し、締まるとカチッと音がする仕組み。体形に応じて8段階で固定されるが、自動で確認する装置はなく、係員が目視や手で触れて固定具合を確認する。大柄などの理由で安全バーが固定できない場合は、乗車させない規定になっていた。
(中略)
事故当時、安全バーの点検はアルバイトの女子大生が担当しており、女子大生は同庁の事情聴取に対し、「口頭で『安全バーを下ろしてください』とアナウンスしたが、手で触っては確認しなかった。バーが下りているように見えたので、発車しても大丈夫だと思った」と話したという。
(読売新聞 1月31日(月)1時47分配信)
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安全バーは乗客が手前に引き、体格に応じて適切な部分で固定。運転中は解除できない。しかし、固定されなくても、係員がボタンを押すと発車する。倉野内さんは体重100キロ以上で、安全バーが固定されなかった可能性もあるという。
(毎日新聞 1月30日(日)20時37分配信)
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会社側は火消しに躍起だが、この会見のあり方に早速批判が出ている。
死亡事故という重大な事態にもかかわらず、社長が不在だったことに非難が集まっているのだ。
企業の危機管理に詳しいリスクヘッジ代表の田中辰巳氏は「上場企業としてはあり得ない事態です。会見は企業側の危機意識が問われる場。社長不在ということは事故の重大性を軽視している証左に他ならない」と指摘する。
(中略)
先の田中氏は「企業側の対応をよく注視する必要がある。不祥事や事故を起こしたとき誰がどういう対応したか。企業側の体質が分かる。十分でない場合は、信用しない方がいい」。
(夕刊フジ 1月31日(月)16時57分配信)
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今回の事故について、アルバイトの安全確認ミスを指摘する声があるが、その前にコースターの構造上の欠陥が考えられると思うのだがどうだろうか。
まず、ある一定のところまでバーを倒し、固定が確認できるとランプがつくような構造にして、スタッフが手で押さえなくても固定が確認できるとか、固定が確認できないとスタートできないとか、コースターにフールプルーフ思想の設計や機能がなかったことはないだろうか。もしくは、固定未確認や何らかのアクシデントで解除された場合は、コースターに自動停止装置が働くとか。
バーで固定する方式は、体格によってバーが確実に倒れているかどうかがあいまいであり、車のシートベルトのように、どうやっても飛び出さないような方式のほうが良かったのではないか。
腹部にバーを当てる固定方式は、客がこの程度の固定でよいと思った程度と、係員が大丈夫であると判断する程度に違いはなかったのか。乗客にその判断を委ねるという点でも、固定方式上の問題といえるのではないか。
スリルが楽しいコースターといえども、安全が保障されたうえでのこと。安全が前提だ。
仮に、安全性を最小限に削いで、スリルを味わうとしたら、それはスリルと呼べるものではなく、もはや恐怖だ。
体格のよい乗客だったのであれば、誰よりも十分に固定されているかどうか、注意すべき乗客ではなかっただろうか。
(朝日新聞・夕刊 2011.1.31)
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薬局でも、調剤事故・インシデント報告を読むと、鑑査が不十分だった、といった理由が数多く見られている。
もし、相当の健康被害があった時に、「鑑査が不十分なまま薬剤を交付して、お金を取るなんて」と言われているのと全く同様だと思う。
現実には、鑑査不十分を軽く見ている向きがある。このような認識は是非改めたい。 #RM