『目先の利益を捨てなさい』、サブタイトルは、「お客様の喜びが「無限の需要」を創造する」。広岡等・著、東洋経済新報社、2002年12月発行。
著者は、カー用品販売の「オートウェーブ」社長。
従来型の小売業では、お客様の顕在ニーズを調べて、それに対応するように商品の品揃えを行っていきます。新しい商品の需要が生まれれば、売れなくなった古い商品を棚から外し、新しい商品を陳列する。こうして、売れ筋商品ばかりのラインアップをいかに作り上げていくかが、スーパーバイザーと言われる人たちの腕の見せどころとなっています。
これに対し、売るべき商品をあらかじめ決めて、絞り込んで、集中して販売するのがオートウェーブの販売方法です。もちろん、店舗に一つの商品しか置かないのではなく、最低限のラインアップはしますが、一つの商品を圧倒的に強くしていくことで、品揃えよりも絞り込みを重視します。
こちらが徹底的に絞り込んで売る商品を決めて、研究し、知識を深め、その商品に対して圧倒的に強くなっていく。その商品に強い担当者を一人、二人と増やしていく。他店よりも深く研究し、セールストークや展示方法をあらかじめ準備し、お客様に提案し説明し、勧めることによって、お客様のニーズにより深くアピールするようになり、その商品は売れるようになります。こちらの準備次第で、さらに売り方次第で、商品は売れるのです。 以上、p.72~73より
商品を展示しておくだけの受け身の販売から、こちらが重点商品を絞り込み、主体的に準備して、お客様に勧めて販売することで、お客様の購買意識は変化するのです。
しかし、そのためには単一の商品について圧倒的と言えるまでの強さと深さを持っていなければダメです。在庫や商品知識だけでなく、専門職がいてお客様のお車に合わせて取り付けや加工や裁断ができる。またどこよりも親切で早い、というようにお客様の潜在意識に届くサービスができるようにならなければなりません。 以上、p.76より
後発医薬品の使用促進が遅々として進まないという。しかも地域薬剤師会が阻害要因のひとつとなっているという(リスファクス 2007.4.17)。
本書を読んで、ハッと気づいた。これまで薬局では、患者さんに対して処方せんに書かれていればどんな薬でも取り揃えようとしてきた。だから在庫の多さは、ある意味、薬局の強みでありステイタスでもあった。これはドラッグストアにも通じるものがある。多くのアイテムを持つことがニーズ応えることができる、という価値観である。代替調剤でない処方薬については、これが当てはまる。
しかし後発医薬品は、処方せんに書かれている通りでなくても、一定の範囲内で薬局が選定できるものである。患者さんの言われるがままに揃え、ひたすら在庫を増やしていくような受け身で進めるものではない(要望を聞かない、という意味ではない)。
薬局側から提案して、主体的に擦り合わせていくものだ。その中で患者さんによって当初は多少の希望の違いがあろうとも、本当にお勧めできるものを打ち出していけばよいのだろう。この絞込みによって、必要以上の在庫拡大が防止できるのではないかと思う。事実?、米国にいたある薬剤師から、薬局が勧めるもの1種類でだいたい済んでいたということを聞いたことがある。
後発品を選定する中で、特定メーカーの品目がお勧めだと評価されることは少ない。ある程度は絞れても、やがて大差のない品目がいくつか残る。しかし、さらに何らかの観点(当然、患者さんの視点)で絞り込みを行うのだ。文字の見やすさ、PTPからの取り出し易さでもいい。その説明をすることで、後発医薬品選定のバラツキを防ぐことができる。
在庫の置き方は、先発医薬品と後発医薬品と異なる。これまで後発医薬品に対して、先発医薬品のやり方で進めようとしてきたから、進展しにくかったのではないか。この考え方を基本に、薬局内で後発医薬品の推奨、インフォームドコンセントを図っていけば、過剰在庫の拡大を減らしつつ、使用促進が図られるのではないだろうか
著者は、カー用品販売の「オートウェーブ」社長。
従来型の小売業では、お客様の顕在ニーズを調べて、それに対応するように商品の品揃えを行っていきます。新しい商品の需要が生まれれば、売れなくなった古い商品を棚から外し、新しい商品を陳列する。こうして、売れ筋商品ばかりのラインアップをいかに作り上げていくかが、スーパーバイザーと言われる人たちの腕の見せどころとなっています。
これに対し、売るべき商品をあらかじめ決めて、絞り込んで、集中して販売するのがオートウェーブの販売方法です。もちろん、店舗に一つの商品しか置かないのではなく、最低限のラインアップはしますが、一つの商品を圧倒的に強くしていくことで、品揃えよりも絞り込みを重視します。
こちらが徹底的に絞り込んで売る商品を決めて、研究し、知識を深め、その商品に対して圧倒的に強くなっていく。その商品に強い担当者を一人、二人と増やしていく。他店よりも深く研究し、セールストークや展示方法をあらかじめ準備し、お客様に提案し説明し、勧めることによって、お客様のニーズにより深くアピールするようになり、その商品は売れるようになります。こちらの準備次第で、さらに売り方次第で、商品は売れるのです。 以上、p.72~73より
商品を展示しておくだけの受け身の販売から、こちらが重点商品を絞り込み、主体的に準備して、お客様に勧めて販売することで、お客様の購買意識は変化するのです。
しかし、そのためには単一の商品について圧倒的と言えるまでの強さと深さを持っていなければダメです。在庫や商品知識だけでなく、専門職がいてお客様のお車に合わせて取り付けや加工や裁断ができる。またどこよりも親切で早い、というようにお客様の潜在意識に届くサービスができるようにならなければなりません。 以上、p.76より
後発医薬品の使用促進が遅々として進まないという。しかも地域薬剤師会が阻害要因のひとつとなっているという(リスファクス 2007.4.17)。
本書を読んで、ハッと気づいた。これまで薬局では、患者さんに対して処方せんに書かれていればどんな薬でも取り揃えようとしてきた。だから在庫の多さは、ある意味、薬局の強みでありステイタスでもあった。これはドラッグストアにも通じるものがある。多くのアイテムを持つことがニーズ応えることができる、という価値観である。代替調剤でない処方薬については、これが当てはまる。
しかし後発医薬品は、処方せんに書かれている通りでなくても、一定の範囲内で薬局が選定できるものである。患者さんの言われるがままに揃え、ひたすら在庫を増やしていくような受け身で進めるものではない(要望を聞かない、という意味ではない)。
薬局側から提案して、主体的に擦り合わせていくものだ。その中で患者さんによって当初は多少の希望の違いがあろうとも、本当にお勧めできるものを打ち出していけばよいのだろう。この絞込みによって、必要以上の在庫拡大が防止できるのではないかと思う。事実?、米国にいたある薬剤師から、薬局が勧めるもの1種類でだいたい済んでいたということを聞いたことがある。
後発品を選定する中で、特定メーカーの品目がお勧めだと評価されることは少ない。ある程度は絞れても、やがて大差のない品目がいくつか残る。しかし、さらに何らかの観点(当然、患者さんの視点)で絞り込みを行うのだ。文字の見やすさ、PTPからの取り出し易さでもいい。その説明をすることで、後発医薬品選定のバラツキを防ぐことができる。
在庫の置き方は、先発医薬品と後発医薬品と異なる。これまで後発医薬品に対して、先発医薬品のやり方で進めようとしてきたから、進展しにくかったのではないか。この考え方を基本に、薬局内で後発医薬品の推奨、インフォームドコンセントを図っていけば、過剰在庫の拡大を減らしつつ、使用促進が図られるのではないだろうか
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