新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ユルギカブ:万木蕪(カバタに並ぶ特産の赤蕪)

2006-11-14 21:48:16 | 植物観察1日1題
少し前にNHKの衛星放送やハイビジョンで放送され大きな反響を呼んだ番組、ネイチャー映像で有名なサー・ディビッド・アッテンボローのSatoyamaⅡ「命めぐる水辺」をご覧になった方も多いと思います。
これが放映されて一躍有名になったのが舞台となった滋賀県高島市の針江生水(しょうず)地区で、豊かで清らかな湧き水を家の中に取り込んだ「カバタ」と呼ばれる独特の仕組みが今も残り、人々は湧き水を日々の生活に利用しています。

13日、地元のボランチアーの方の案内でこの地区を見学してきました。人々が、実生活の中で自然の湧き水と緻密な関係を保ち、その中で巧まずして自然の生態系を乱さないように「循環と共生」を実践してきている姿を見て深い感銘を受けました。
植物観察の対象としては、水路に今なお花をつけているバイカモくらいしかありませんでしたが,せっかく興味深かった「カバタ」をぜひご紹介したいと思い、そこで洗って並べられていた当地名産のユルギカブ:万木蕪(アブラナ科アブラナ属)を取り上げました。

高島地区は距離が近いところから昔から京都への供給地として野菜の生産が盛んですが、なかでもこの“ゆるぎかぶ”は万木蕪と書き 、外が鮮やかな赤色で中身は白く、煮物や漬物などに人気の野菜になっています。珍しい読みの“万木”は近くの地名から来ているとのことです。
伝統が実生活の中に生き続けている生水地区のカバタ見学、対象のほとんどすべてが生身の人々が実際に生活に利用しているというユニークなツアーです。
TV番組で大事な役割を務めた漁師の田中三五郎爺さん、放送でも名演技?だったのですが本物も実にいい顔をしていました。

(留守をしますので16、17日は休載します)

ヒキオコシ:引き起こし(起死回生の妙薬)

2006-11-14 07:05:10 | 植物観察1日1題

ヒキオコシ:引起こし(起死回生の妙薬)2006.11.13
山道に円錐状に伸びた枝先や葉の付け根に淡い青紫色の唇形花を沢山つけているのはヒキオコシ:引起こし(シソ科ヤマハッカ属)です。
葉や茎に非常に強い苦味成分を含み、古くから苦味健胃剤として知られています。
日当たりのよい山地に生える多年草で、茎は四角、高さ50~100cm、下婿の短毛が密生します。
ヒキオコシの名は、弘法大師が倒れている修験者にこの草の搾り汁を飲ませたところ忽ち元気になり立ち上げらせることができたという伝説からきているといいます。別名もエンメイソウ(延命草)で、薬効のほども知れるというものです。
仲間に、花が黒色のクロバナヒキオコシ(05.10.27記事)もあります。