新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

センリョウ:千両(コンビでも違う生い立ち)

2006-07-08 06:00:21 | 植物観察1日1題
マンリョウと並んで正月の縁起物として人気のあるセンリョウ:千両(センリョウ科センリョウ属)ですが、この両者は種としてはまったくかけ離れた植物です。それがよくわかるのが今咲いているセンリョウの花です。
センリョウは古いタイプの離弁花類に属する被子植物で、花には萼も花びらもなく、ずんぐりした雌蕊の横腹から1本の雄蕊がつんと突き出ているだけです。これに対し合弁花類のマンリョウは、5深裂する裂片が反り返る白い花をつけます。
2週間ほど継続して観察しましたが、見ただけでは花が咲いているのかどうかはなかなか分からず、
雄蕊が枯れ落ちたようになったのを見て、何日か遡った日の写真を花の盛りと見て採用しました。花が終わると雄蕊が落ちますが、その跡が黒い点となって果実の先端に残ります。(1月6日記事)普通被子植物は茎には水分を通す導管がありますが、センリョウには裸子植物のような仮導管しかなく、管の途中に細胞壁の仕切りが残っています。花は簡単な構造ながらも被子植物の形に進化していますが、導管はまだ裸子植物の段階にとどまっているのだといいます。