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カタール、オマーン 12億ドルの米国武器売先

2012-06-15 13:30:59 | Latest Post

Qatar, Oman eye US military sales worth $1.2bn

中東産油諸国が高額の武器購入するのは、「買いたい」からだけではない。「買いたい」様に思い込まされ誘導される、更には嫌とは言えない「買わされる」圧力が厳然とあるからだ。

≪"The US Defence Security Cooperation Agency is eyeing military sales of more than $1bn to Qatar and Oman."≫

≪"This proposed sale will contribute to the foreign policy and national security of the United States by helping to improve the security of a friendly country which has been, and continues to be, an important force for political stability and economic progress in the Middle East," the agency added about both potential sales.≫

≪"The proposed sale of the helicopters will improve Qatar's capability to meet current and future threats and provide greater security for its critical oil and natural gas infrastructure, and significant national events," the statement said.≫

「アラブの春」と称する、西洋のアラブ諸国政政権替え戦略に積極的に融資してきたカタールだが、自国内の潜在的民衆蜂起にも十分に警戒してきた。現役退役とも国軍、警察、公務員の給与の大幅引き上げる現金ばら撒き政策と同時に、治安軍の武装能力も引き上げている事がこの新たな武器購入でもよく示されている。

カタール首長家族はカタール軍が護衛するのではなく、米軍が直接に護衛しているにしても、総勢170万人口のうち、地元カタール人は30万人程だ。その半数は首長一族と同部族だ。 軍事基地の上に建てられたと同様の極小都市国家の首長族が、世界第3の大天然ガス田を「所有」していると言う事は、言ってみれば「人質」と同然だ。生かされている事だけでも有難いのかも知れない。

 

 



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4 Comments

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質問 (雷怒)
2012-06-16 14:37:42
 はじめまして。大変、役に立つブログ、毎度参考にさせて頂いております。
 さて、この度の記事で一読して理解できない点がありましたので、質問させて頂きたいと思います。
 最後の方にある「人質」とはずばり首長家のことで、人質をとっている側は軍事基地の所有者である米軍・米国ということでしょうか。それとも首長家が天然ガス田を「人質」にとっていおり、我々消費者が「生かされている」ということでしょうか。
 読解力が弱くて申し訳ございません。お手数をおかけいたしますがご教示頂ければ幸甚です。
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回答 (管理人)
2012-06-17 18:18:21
ご来訪、ご質問ありがとうございます。
舌足らずメタフォな表現で失礼しました。
『人質』と表現したのは飽くまでメタフォですが、事実上、そう言う性質にある、と言うつもりで表現しました。
これは、全中東地域、特にも資源豊富な地域が近代に入って分断植民地化されてきた流れの中での実情で、帝国殖民宗主国に指名、据えられた統治者族は、一般民衆や外的から保護してもらう事と、資源
開発市場利権を与える事を条件に、統治者族長の地位を与えられ・認められてきた訳です。西洋支配に逆らえば暗殺、クーデターで頭替えされてしまう、と言う歴史事実が今日の今日まで続いています。 イラク、スーダン、リビヤ、シリアもその延長線上でみると、鮮やかに、端的に「なぜ」事情が見えてくると思います。
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御礼 (雷怒)
2012-06-19 13:08:54
管理人様、
早速のご回答有難うございました。
おかげさまでよく理解できました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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返礼 (管理人)
2012-06-20 06:10:15
ご丁寧に有難うございました。
こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします。
何時でもご遠慮無く、お気軽に、忌憚無いご意見をどーぞ。
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