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勝間光学 双眼鏡6x30

2015-09-11 16:35:54 | Weblog

 また新しい双眼鏡を購入するきっかけになったのはミルスケール付のSTEINER 8x30を紛失した為でした。MILスケールのついた双眼鏡は種類も数も少なくてそんな時日本の双眼鏡の草分け的メーカー勝間光学が目に止まりました。

 東京板橋区は戦前、戦中軍需工場が集結しその中には現在も有名光学メーカーとして知られる会社も数多く存在しています。

 この辺の歴史はこのページが大変参考になりました。

板橋区の光学産業 http://homepage3.nifty.com/_norisan/astro/tokushu.pdf

 勝間光学は生産を海外への輸出なかでも軍用双眼鏡へシフトしまた有名光学メーカーへの部品供給などを行った時期があるそうです。いわゆる販売店流通はなく海外入札の数千台~数万台の輸出がほぼ100%を占め国内流通は僅かなものでたまたま在庫があればか次の生産時に余裕があればのスタンスで基本受注生産。数か月待たされることも珍しくないようです。

 双眼鏡の有名どころといえばスワロフスキー、カール・ツアイス、ライカやニコン等あたりが高級機メーカーでキャノンなどが続き後は数えきれないほどのメーカーがあります。価格もピンからキリまであり20万を超えるものから数千円のものまで溢れています。カメラレンズに代表されるように光学機器は様々な収差の処理やレンズ素材、コーティング処理などによってその性能もさまざまです。

 

 すべての収差や象の歪を解決すればそれは高級機になりそれなりの価格になってしまうのはやむをえません。

 軍用規格を満たす事は防水性や耐衝撃性、要求される光学性能が満たされる事が必要です。高級双眼鏡の性能を追求するととても高価になり大量に取得することが難しくなります。そこで中心部を重点的に光学性能を高める方法が取られたのでしょうか?

 もっとも多用する中心部を重点にし周辺部の像の歪をある程度許容する。。。理に適っていて数十か国の軍隊で採用される実績があるようです。

双眼鏡をのぞいてみると安物とは異なる極めてシャープな像です。特に中心部は素晴らしく別に所有しているツアイス7x50に匹敵します。ツアイスも周辺象は甘くなるのでなかなかの性能です。光軸もピタリと合っていて夜間強い光源での滲みも少ない。

 一台2万円ちょっとの双眼鏡としては優秀です。

 オーダーの際MILスケールを入れてもらう事が可能です。スポーツ観戦や星の観察、バードウォッチングでは邪魔なだけなのですが特殊な双眼鏡を持ちたい願望で迷わず入れてもらいました。

 

 MILスケールとは大きさが分かっている物体を基準として対象物までの距離や大きさ、高さなどを測定できるものです。

「ミル」とはミリ・ラディアン(Milli Radian)の略で、角度の単位ラディアンの1000分の1です。 360度は2πラディアンで1ミルは360度の6283.185…分の1 射撃や砲の照準には古くから使われています。実用で使いやすい数字に丸めてきりの良いように360度の6400分の1と定義(米陸軍)されています。

 普通に使うには単なる基準尺度であれば用は足りる事であまりミル単位にこだわる必要はありません。

 ミル・スケールの使い方は

 大きさが分かっている  

   目標物の大きさ(m)

  ------------ x1000=距離(m)

   レクティル(ミル値)

 この公式から1000mでの1ミルは1mでもし距離が1000mならスケールがそのままm計測値になり500mや2000mなど倍数関係にあれば計算は容易です。 

 

 距離が分かっている場合

 レクティル(ミル値)x距離(m)

ーーーーーーーーーーーー    =大きさ(高さ)

 1000

 

  建物の1階分のおおよその高さは3m ミル値は17.5 よって対象物までの距離は約170mとなります。

 

 毎回暗算は大変なので(ボケ防止にはその方が良いのだが)換算表カードを作りました。

 人の身長を基準にするときは1.7m 建物1階=3m 普通車全長=4m 電柱=12.5m で計算しました。レーザーレンジファインダーの様に正確に距離を測れる訳ではないのですが人間の距離感は100mを超えると途端にいい加減になりこのような測定が役に立つ(いつ?)のでしょう。 精密射撃では距離は大変重要なファクターなのでライフル射撃をやる人には便利でしょうね。。。

 さて遠くの大きな目標はどうでしょう

 例えばスカイツリーが遠くに見えているとして現在地から双眼鏡で距離をはかるには?

スカイツリーの高さは634m(ムサシと覚える)ところが市街地だと建物がじゃまして基部からの測定が出来ません。そこで第二展望台の高さ450mを利用します。

   634-450=184m

 双眼鏡でスカイツリーの第二展望台からトップまでが15ミルで見えたとすると

   184m

  -------x1000=12,266m 約12km離れているということになります

   15ミル

 

 ヨットレースではライバル艇との距離・方位・速度の把握がレースの駆け引きで大変重要となるのでマリンスポーツ用双眼鏡はミルスケールやコンパスを内臓した物があります。マストの高さを基準にするそうですが現在ではレンジファインダーでしょう。

 こんな目盛りが視野にあったら普段邪魔なのでは? 確かにそうですがレクティルはとても細い線で見慣れてくると頭のなかで無視するフィルターが働いてきます(ほんとか?)

 製造メーカーでの購入は他にも便利な事があって見口ゴムやレンズキャップなど部品を安く(とても安く)分けてくれます。当然修理や調整もOKで一生モノの道具となり得るでしょう。ミルスペックを満たし窒素ガス充てんの防水仕様です。 

 使っていての不満はアイレリーフが15mmで眼鏡をかけて見ずらい20mmあったら私には最適でした。

 ゴルフの練習ラウンドなどではグリーン上のピンフラッグの高さは決まっているので目測の練習にはとても役立つ道具になるでしょう。。。もうだいぶ前にゴルフは止めてしまいましたが似たような単眼鏡を使った事があります。


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