スタートレック・コミュニティ

スタートレックを楽しむ人たちのブログです

#70爬虫類族の攻撃

2005-09-23 17:33:02 | ENT
ついにアザティ・プライムに到着ということで、
何だか嫌~な予感とともに見進んでいきましたが、
ところがどっこい、
かすかな希望を感じさせる出来でした。
現時点では「かすかな」にとどまりますが…

NX-01の旅は、
特に第3シーズンに入ってから、
脱線、転覆の連続でした。
しかし、制作者が「このままではいけない」と
スタトレ精神への回帰を志したなら大歓迎です。

いみじくも、このエピソードで
アーチャー船長は「自分たちの任務は探索だ。
ズゥインディから地球を救ったら、
元の任務に戻ってほしい」と
視聴者の不満に対する謝罪の言葉ともとれる
発言をしていました。
個人的にはこれで少し満足…

もうひとつは、
やっと敵側とまともに交渉し始めたということです。
いくらズゥインディが
非人道的な先制攻撃を仕掛けてきたにせよ、
相手種族の意図、戦力もろくに知らずに、
ただ攻撃兵器を破壊にいく、というのは無謀すぎます。

今回、ダニエルスが
これまでの謎を相当に話してくれたので、
やっと旅の目的が明確になり始めました。
そもそも、ここまで謎を引っ張る理由は全然ないですよね。
もっと早くに、今回の流れに持っていけば、
あんな脱線は起こりえなかった、と思うのですが…

とにかく、
やっと敵側と意志の疎通を図り始めたということで、
相手種族との接触、交渉において、
スタトレ精神の発揮が求められていくでしょう。
きっといい方向に進むと信じたいです。
(アーチャー船長の「べらんめい」的な交渉術は
ちょっといただけない感じはしますが)

あと、雑感ですが、
トゥポルの壊れ方はどうしたんでしょう。
それと、ポートス並みだったメイウエザーが
急に登場機会増えましたね。
ホシは相変わらずですが…

マーズダイレクト

2005-09-18 22:45:04 | テン・フォワード
僕がもう1つやっているブログでも触れましたが、
今「マーズダイレクト~NASA火星移住計画」
という8年前に書かれた本を読んでいます。

火星への有人飛行やコロニー建設の方法を
空想ではなく、科学的裏付け十分に書いた本です。
古い本ですが、
宇宙開発は8年前とほとんど状況が変わっていないので、
楽しく読めてます。

そのなかで、
スタートレックに関する記述を見つけました。
火星への最初の有人ミッションでは、
どのような飛行士を何人送り込むべきか
について説明した部分です。

著者のロバート・ズブリン氏は、
人数は4人という考え方でした。
内訳は宇宙船の故障に対応するため、
まずエンジニアを2人、
そして、火星上でのミッションのため、
2人の科学者(地質学者、地球生物学者)を
乗せるのがいいと力説していました。

それをスタートレック風にまとめてました。
「有人火星ミッションに必要なのは
2人のスコッティと2人のスポック中佐であって、
カーク船長やスルー大尉、マッコイ少佐は必要なく、
第一、彼らを入れる士官室も余分も
食糧もないということになる」
トレッキーとしては、かなり分かりやすい比喩でした。

「マーズダイレクト」の考え方は以前に聞いたような
記憶がありましたが、
本を読んでいくうち、その内容にワクワクしてます。

ズブリン氏の主張する
有人の火星ミッションでは、
人が乗った宇宙船が出発する前年に
火星の二酸化炭素を使って酸素などを作り出す装置や
現地で活動するための探査車、居住カプセルなどを
あらかじめ送り込んでおきます。

人の乗った宇宙船が着くころには、
その機器が、現地での活動のためのエネルギーや
帰りの燃料を作っているという計画です。

これらの機器、宇宙船の打ち上げは
アポロを発射したサターンV級の能力で十分だそうです。
なんだか、今すぐにでも実現できそうな感じで、
読んでいて、とても興奮しました。

ワイズ監督死去

2005-09-16 15:42:53 | テン・フォワード
スタートレックの映画第1弾(TMP)の
メガホンを取ったロバート・ワイズさんが
14日、心臓の病気で死去しました。91歳。

「スタートレック」もさることながら、
やっぱり「サウンド・オブ・ミュージック」ですよね。
この映画、恥ずかしながら大人になってから観たのですが、
とても感動した覚えがあります。
朝日新聞の訃報では、
「職人的な質の高い作品で知られた」と賛辞を送ってます。

TMPも、賛否はあると思いますが、
一般向け映画としては、
スタトレ映画の中で最も良くできていたのでは…

個人的には「カーンの逆襲」や
「ファーストコンタクト」が好きなのですが、
TMPは作品全体の「密度」や「重厚感」が
群を抜いていると思います。
設定もスタートレックを知らない人でも
分かりやすく、驚く内容だったと思います。
特に、「ビジャー」の正体を明かす最後の場面は…

そういえば、「ビジャー」も太陽圏の外に
でていこうとしていますね。

#69トゥポルの反乱

2005-09-16 15:31:03 | ENT
この邦題はないっすよね。
原題の深読みではないし、親切な邦訳でもない。
単なるネタバレですね。
この邦題だと、
前半に船長が少しずつおかしくなっていく過程で、
「いつ反乱が起きるのだろう」と気がそれますよね。

船長はおかしくなりかけのときに、
「少しは改心したのかな」と思わせるまともな台詞を言います。
しかし、それが「毒」に冒されていたせいだとは…

船長の判断に異議をとなえる部下に、
アーチャー船長が「地球人はどんなに厳しい状況でも
倫理観は失わない」-みたいなことを言いました。
この台詞自体は、まともなものだと思いますし、
スタートレックの精神を表現している言葉だと思います。
しかし、
その台詞が「異常な精神状態の下」で語られたように
扱った話の流れは、ファンの願いを無視しているというか、
分かってて言い訳しているというか…寂しい限りでした。
あの部分の台詞は違うものにして欲しかったです。

昆虫族の子供を救うということに、
まともなクルーは誰一人賛成しなかったのも
不思議でした。
一般論でいえば、
おかしくなりかけの船長が言っていたことが
最もスタートレックらしかったのですが、
最後は船長がおかしくなって、
部下の反乱が成功して…
子供は置き去りで、あの星を去る。
何が「善くて」
何が「悪いのか」が全然分からなくなりました。
戦争はそういうものかもしれませんが、
何だか釈然としなかったですね。



#150進化の刻印

2005-09-11 17:05:03 | TNG
今、「スタートレック科学読本」(徳間書店)を読み返しています。
アシーナ・アンドレアディスという
ギリシア人の女性科学者が書いた本です。
その冒頭部分では、「生命の定義」の難しさについて語られ、
その例として「進化の刻印」などが挙げられていました。

ウエスリーが逃がしてしまった細胞治療用の極小の医療用ロボットが
エンタープライズのコンピューターに侵入して、
自己増殖を繰り返して進化し、意識を持つというストーリーです。
ここに、196年に1度という中性子星爆発の観測に命を賭けてきた
スタッブス博士がからみ、危機が増幅していきます。

やっぱり脚本が良く書けていますよね。
科学的な裏づけはもちろんですが、
ストーリー展開でも、ロボットの進化と
ウエスリーの成長を上手にからめていく辺りは、
さすがとうならせます。

ビバリー(このエピソードから復活)がガイナンとからむ
最後のシーンも、ユーモアが利いていて思わずです。

さらに、このエピソードの根底に流れる思想というか信念というか、
それが観る者を感心させます。
自己増殖したロボットを、
ビバリーが「知性のあるものを殺せない」と訴えると、
ピカードがそれを当然のものとして受け入れ、
クルーも従う。
ウオーフだけは全滅を主張しますが、
これは彼の役割だから仕方ないとして…

人道主義みたいな簡単な言葉では済まない主義を感じました。
宇宙を探検するなかでは、
想像もつかない生命体と遭遇することもあるでしょう。
そのとき、自分たちの尺度に合わないからといって
破壊、殺戮することは、許されないはず。
生命というものに対する認識は、慎重で深くあるべきです。
そうでなければ、宇宙で新しい生命を探索する資格はないですよね。
TNGは、ストーリー構成上、それを誠実に描いたと思います。

「やっぱ、これだよなあ~」と感じました。
ENTのスタッフ、脚本家に見せてあげたい。
(当然見たはずなのに…)