荒木志水

Shizu Araki

前田尚子さん

2009年05月28日 | webiog
5月25日
稽古場についている小さな窓から中の様子が一瞬垣間見える。あ、カンカンだ・・汗。
私は昼間の仕事の都合で他のメンバーより入りが遅れることが多く、電車の中で気持ちを高め、着いたらすぐに合流できるよう稽古に臨んでいるが、今日はカンカン・・まだまだ苦手な振りなので一層緊張した状態で、ドアを開ける。

「カンカン」と呼ばれるシーンは、振りとフォーメーションをとても正確にやらないと、そのシュールさ(と私は思っている)が見えてこないので、何度も繰り返す。足の移動はすべて決まっているのでずれる筈はないのだが、そこここでずれる。私も気付いたら一人列からはみ出しおり、悩む。まだまだやらねば。

稽古後半は打って変わって、水の中のように音のないゆっくりとした振りが中心のシーン。夢のように、時間軸と空間が現実とは少し違う、例えば知らないうちに人の大きさが変化していたり、人から人が生まれていたりするような不思議な世界。中には
インプロから作った振りもあり。幼少期をテーマに一つ振りを作ったが、志水さんの提案で、今まで手を使っていたところを、足に変えた。足を使うと、手よりも自由が利かなくなり、容易に動くことができない。すると全身を使って動かざるを得なくなる。これがよかった。有機的、というか、嘘のない動きになる。


前田尚子と申します。荒木さんの作品には今回初めて参加させていただいています。私にとっては初めてのタイプの作品で、課題が多く苦労していますが、毎回毎回稽古が楽しいです。一人として似た人のいない、バラエティ豊かな個性の集まりで、このメンバーでどんな作品に仕上がっていくのかすごく楽しみです。乞うご期待!

『前田尚子プロフィール』
1981年生まれ。埼玉県出身。
演劇活動を経て、国際基督教大学モダンダンス部にて、コンテンポラリーダンスを始める。
卒業後、西荻窪のダンスグループSEEDにてレッスンを続ける。
2006,2007年 セッションハウスのシアターフェス21にてソロ小作品を発表。
2007年より大橋可也&ダンサーズ参加。吉祥寺シアター「明晰の鎖」、新国立劇場「帝国、エアリアル」等に出演。現在に至る。

代々木公園 with 哲郎さん

2009年05月11日 | 稽古

 今日も晴天の代々木公園は人でごった返している。世田谷の砧公園に比べると多民族国家。ヒッピー風、外国人が多い。まあ、都心のオアシスみたいな立地だし、だいぶ慣れてきたが、人、人、人。

早朝A ちゃんから、待ち合わせ場所に向かう車内でMちゃんから「風邪でダウン」メールが届く。あれ、もしかして今日は一人で踊らねばならない・・・? まあ、それもいっか。以前は、踊り始めに低い姿勢でうずくまっていたりすると「お嬢さん、大丈夫ですか?」的に、声をかけてくれる心優しい人もいたのだが、坊主頭になってからグンっと激減したような。

それでも、一人だとあまり変なことはできない。i-pod聞きながらエクササイズだな。なにをしようか。と考えていると、集合場所に見慣れた人影が・・・。先月より音信不通気味だったスペースダンス代表、福原哲郎さんだ。稽古の約束をした日に現れず、何度電話しても出ないし、もしや倒れているのでは?? と、心配していたら、ある日「僕に連絡をくれるときは、メールの方が確実で~す」と能天気なレスが。もう、元気で生きててくれればなんでもいいや。


 森の中で3回。陸橋の上で2回。噴水のある池の淵で4回踊る。最近、ともかく激しく動く練習をしていたら、1回目から思った以上に体が動く。でも、これは踊りというより運動だ。それでも、ゆっくり、激しく、ゆっくり、激しく、とイーブンに繰り返すよりはと、出来るだけ長く激しく動き続ける。暖かくなり、木の茂った場所では黒くて小さな羽虫が湧いている。刺しはしないようだが、眼球すれすれに寄ってくるので、そいつらから逃げているせいもあるかも。陸橋に移動する。

 福原さんより「激しいパートの終わりが運動の終わりにしか見えない」と指摘を受け、7分間に一つの繋がり、統一感を持たせるよう心がける。前回の課題「上半身と下半身がバラバラ」これは、良くなったそう。

池の淵は、多くの人がベンチやビニールシートの上に落ち着いている。踊りながらウクレレを持ったお兄さんの前を通過したら、思わずちょっとセッションに。次の1回は、1曲まるまる一緒に楽しむ。知らない曲だったが、ほのぼのしたJ-POPで「あ、こんな曲調でも踊れるんだ」と、新境地。

ラスト2回は池の淵、陽の当たる方の面(高人口密度、甲羅干が盛ん)にて、打って変わってハードなスチエーション。テンションは上がるけど、消耗も激しい。なんか、のんびりやってられない気分に自分を追い込んでしまう。冷静に考えれば、停止しても、ゆっくりでも全然OKなのに。ひたすらハイになって放出している。「あっこれじゃ、ダメだ」と、動きながら思った。ハイテンションで放出し続けたら7分保たない。激しく動いていても、放出だけではなく補給、もしくは貯める方法が必要。福原さんは、呼吸だという。
それに「ゆっくり」「激しい」「停止」「移動」の4つしか持ち札が出てこない。AをやってB。またAをやったら、次のBは違う質感でないと飽きられてしまう。停止と移動はワンパターンでもよいかもしれないが、AとBのどちらかは展開していかないと。

これから暑くなるが、梅雨前にもっと踊りたいな。もう2、3歩でいけそうなのに、目の前にチラチラ見え隠れするのに、届かない。手応えがない。身体と空間が一体になって、ゆらりと歪むような、あの感じ。いつでもあそこに入りたい。覚えている中では過去に即興が7回ぐらいで(用賀駅の円形階段。ダンスシードのリハーサル。どこか地下鉄の通路。新宿駅南口。下北沢駅南口。輝く未来の稽古中)舞台上では5回ぐらい(ラッキービンゴ公開リハ、山形のお祭、08年3月の2 日目、路地裏ダンス2ステ目出だしなど)。
5,6回踊った後の〆。キツい稽古をつけてもらった後でのインプロ。人が踊った後のスペース。振付けがある場合は1度通して、その次。振りに感情移入できたとき。意外に体調不良で内蔵が痛いとき。
しかし、・・・確率低。

重森一さん

2009年05月09日 | webiog
5月7日  
朝から雨。本日の参加者は荒木(以下シズちゃん)、根岸、中村(トリッピー)、前田(尚子さん)、僕の五名。

荒木流ストレッチの後、「三十秒間カラダをバラバラに動かして暴れる」というのを順番に一人ずつ3セットやる。もっともアグレッシブかつアホのように暴れていた根岸さんが、頭を振りすぎたためか気持ち悪いと不調を訴える。実はこのとき僕もちょっと気持ち悪かった のだが、先を越されたので黙っている。

根岸さんが回復する間、初めてのシーンを作る。二人一組になって四つん這いで重なったり、猿の赤ちゃんを運ぶようにもう一人をぶら下げて四足で移動したり…。十月からリハーサルを続けているが、シズ ちゃんは四足で移動というモチーフがお好みらしい。

本日のハイライトはラストシーンを作り上げること。ここでの振り付け、通称「カンカン振り」がまあ覚えられない!足は常に横に平行移動を続けながら、上 半身でカッチリとしたポージングをワンカウントずつ変えていく…といったものですが、昔から二つ以上の事をどうじに出来ない僕にとってはまさに試練。み んなよく出来るよな…。
しかもこのシーンで使われている曲がカツカツ、コツコツといったクリック音が重なってフレーズを作っているミニマルミュージック風で、カウントを取ろう とすると他の音に惑わされてしまう!…今までに参加してきた作品が、勢いとキャラクターだけで乗り切ってきただけなんだと改めて思い知らされる。今更な がら基礎って大切だなあ。
しかしながらこんな僕でもさすがに振りが入ってきた!不完全ながらもなんとかみんなについてゆくことが出来るようになってきた。もっとも手の形やカラダ の角度などシズちゃんの理想とするレベルにはほど遠いらしいが。まだまだ稽古は続く…。


重森一と申します。「満月がなりやまない」には94年の初演に出演しました。しかし振り付けは全くの別作品と言っても過言ではないほどレベルアップして いるので、四苦八苦の毎日です。その鈍くささは「陸に打ち上げられたアザラシの赤ちゃんがアップアップしているよう」と揶揄されるほど。そのアザラシが 果たしてどこまで出来るのか?それは貴方自身の目でお確かめください。刮目して待て!


『重森一 プロフィール』
1974年石川県生まれ。貴重な十代を孤独なおたく少年として過ごし棒にふる。上京後演劇活動を経て、96~99年ダンスカンパニーNomade~sに参加。その後数年間「planBコメディーナイト」や「カバレットB」でひとり コントなどを発表。ダンスでは「伊藤キム+輝く未来」や「初期型」等に出演。また、un-pa名義で各地の大道芸フェスティバルやイベントに出没。銀塗 りとお餅つきで口を糊する三十五歳。東京都公認ヘブンアーティスト。

Information

2009年05月08日 | 今後の活動予定

2009年7月14日(火) 15日(水)   満月がなりやまない




誰かに知ってもらいたい。でも、喋りたくはない。だから、ダンスにしました。
なかなか呑み込めなかった出来事を、舞台上に再現して見せることで、
個人的な領域を犯してもらう。どうぞお好きなように読み解いて下さい。

振付・構成:荒木志水
出演:重森一 根岸由季 赤木はるか 中村理 前田尚子 前田尚子 加藤紗希 荒木志水 
ライブ演奏:柳本和宏
照明:三枝淳
音響:齋藤瑠美子
舞台監督:十亀脩之介
制作:増山裕人
開演:両日19:30 開場19:00
会場: 神楽坂die pratze
アクセス:http://www.geocities.jp/kagurara2000/map.html
料金:前売り/予約¥2,000 当日¥2,500
お問い合せ:margarine@live.jp
090-2145-1139(制作・増山)

 ライブ演奏:柳本和宏  
ノイズを使うミュージシャン柳本和宏さんが、『満月』にセミの声をライブで入れてくださることになりました。
セミの声は、以前から使用していましたが、時空を歪める感じで加工していただく予定です。



ミュージシャンとのセッションを希望しています。
ジャンル、楽器の種類は問いません。
ご自身のライブ、演奏会中、一部分へのゲスト依頼も歓迎。
お問い合わせshizuaraki@hotmail.co.jp
斉藤和志さんとのインプロセッションセッションの様子