巡回展「無言館 遺された絵画」展の第3会場・愛知展は、この週末限りとなりました。
7月3日まで、豊川市の桜ヶ丘ミュージアム(0533-85-3775、名古屋からJRまたは名鉄で約1時間)です。
この巡回展の特徴の一つは、図録を求めて帰る方の比率が異常に高いことだと、どの会場もおっしゃいます。
写真は、
原田 新 (山口県生れ 享年24)
のページです。
「祈り」の章の7番目に、
「自分が死んだらお経の代わりにこれをかけてくれと 言い残していったレコードが一日中原田家に響き続けた」というタイトルエピソード、
「妹・千枝子の像」など絵3点、
原田の写真と略歴、
そして妹・悦子さんのナマの言葉;「兄は大変クラシックが好きで・・(中略)・・朝まで泣き明かしたと聞いています」
が、配置されています。
確かに、普通の図録と違います。作品だけがあって巻末に第三者の解説が記されるスタイルではありません。作品を見て、生きざまやエピソードを読んで、もう一度作品を見て、対話する・・・・・そのために編集された図録なのですね。
繰り返しページを開きたくなる逸品です。