お百姓さんに、なりたいな。
いつの日か。
立派なお百姓さんに、なっていたいな。
まずは、いま・ここ、から。
なんでも自分でやってみよう。
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5年目の今年もやってみます、マイ梅干作り。
これまでのいくばくかの経験を生かしつつ。
“ああ、梅の実ってフルーツだったよなあ…”
って感じるような、香りの良い梅干を目指して。
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梅は、有機・無農薬栽培のものを。
また、出来るだけ我が家に近い産地のものを(地産地消)と、例年埼玉産のものを選んでいたけれど。
今年は不作とか。
でも、まあ、それもまた、「自然」。
で、今年の梅は和歌山産の南高梅に。
塩は海水から伝統的な製法で作った自然塩。
今年は伊豆大島産。
紫蘇(しそ)は今年は使わず、梅と塩のみのストレート梅干の予定。
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完熟直前に収穫して宅配便で送られる梅。
金曜の朝に届いてから、その追熟具合を観察して。
日曜の夜、梅の実の香りで充ちみちた部屋で、塩漬け作業に。
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そうそう、今年は、裏技として、砂糖を使うことに。
・梅の重さの18%の塩・塩の重さのの20%の砂糖 *塩分を程ほどにして、砂糖を入れるのがポイント …という“失敗しない梅干レシピ”を応用。
砂糖は、塩より浸透圧が高いため、梅の水分(梅酢)が早く出るんだとか。
その梅酢が梅をヒタヒタするのでカビが防げる、という訳らしい。
このレシピ通りに作った2006年の梅干はうまく出来て、評判がよかった。
次の年からは“塩だけ”の本格レシピに挑戦して、それなりにうまくいった。
けれど、とにかく、しょっぱいのだ。
梅干の周りに塩が吹くこと吹くこと。
いまいち不評でキッチンには余剰在庫多数。
(*僕としては、オールドスクールな塩吹き梅干も貴重かつオツなもんだとおもうんだけどなあ…食べる前に一晩酢水で塩抜きすれば美味しいし、その戻した梅酢は江戸時代の立派な調味料だ)
まあまあ、なので。
今年は、無漂白の砂糖をチョッピリ使って、塩分濃度を抑えてみることに。
こういう毎年のちょっとした工夫も、手作りならではの楽しみ。
マクロビオティックなひとなんかには、砂糖使用は不評かも。
蜂蜜でも使ってみようかな、とも思ったけれど、今の僕には冒険が過ぎるかも。
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因みに。
梅干の塩分は。少ないと、カビが発生しやすく、仕上がりも酸っぱいそう。
多いと、塩辛くなる。
25%以上では、梅干の周りに塩の粉が吹くそう。
因みに、江戸時代の梅干は40~50%の塩と現在の3倍の紫蘇で漬けたそう。
出来た梅干は、一旦、水に漬けて塩抜きしてから食べる。
そして、塩抜きした水は、調味料として使うのだ。
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●材料と道具
・梅の実 やや大ぶり 3kg
・伊豆大島産の自然塩 500g
・三温糖(無漂白)目分量
…塩分濃度は15%弱、やや塩分控えめ。
*砂糖を少し使った分、カビなどが発生しないといいなあ。
*それから14%程度の梅干って、どのくらい保存が効くんだろうか? …実験だ。
・焼酎(屋久島産芋焼酎「三岳」)…殺菌消毒=カビ防止用 *道具はすべて焼酎で拭いておく
・壷 (酸に強いものならよい。僕のは、ほうろう製。)
・ザルとボウル (あればよい)
・小さな器
・はかり
・ポリ袋
・重し
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●手順
まずは、塩漬けまで。
1 大き目のボウルに、塩と砂糖を混ぜておく (以下、「塩」という)
2 1の内、1/3量は小さな器に別にして、とっておく。
3 梅の身を手早く洗って、拭く
4 梅の実を焼酎に潜らせ、ザルにあげ、軽く水気を切る
5 ほうろう壷にポリ袋をセットしておく
6 4の湿った梅を、1に入れて、塩(2/3の方)をまぶしつけて、5のポリ袋に入れる
7 6の梅の上に、塩(1/3の方)を振りかけて覆う
8 ポリ袋内の空気を抜くようにして、袋の口をねじって密閉する
9 重し(梅の2倍の重さ)を乗せて、1週間おく
10*途中、1日1回、ポリ袋の天地を返すように動かすこと。
出てきた梅の汁(梅酢)と袋の下に溜まる塩を混ぜ合わせ、梅の実の表面に梅酢を行き渡らせるため。
1週間もすれば塩は見えなくなる。
…てな感じ。
書くと面倒だけれど、やってみると、甚だ簡単。
所要時間、ほんの10分。
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何度やっても、楽しいな。
赤紫蘇で赤梅酢を作って漬ける場合は、1週間後に。
今回は紫蘇なしなので、続けて本漬けに入ることに。
1ヶ月後、7月の20日を過ぎた頃には、3日間の晴れ続きを狙って「土用干し」だ。
ああ、楽しみ。
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またまた、因みに。
最近読んだ本によると、この「土用干し」が大切なんだそうだ。
梅の実を塩漬けするだけなら、それはただの「梅漬け」。
外に晒し、天日に干すことによって、空気中の菌と出会って、梅干が発酵食品になるんだとか。
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手作り、って、やっぱり、いいな。
こうして。 僕の、「マイ・スウィート・ロード」、百姓道は続くのです…。
<…梅干づくりは、今後も、シリーズ記事として書いていくつもりです…>
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4 梅干を漬けてみよう 2006 その2 しそ漬け・しそシロップ
4 梅干を漬けてみよう 2006 その3 土用干し
4 梅干を漬けてみよう 2007 本格レシピ(ダイジェスト)
4 梅干を漬けてみよう 2008 その1 梅の実のヘタをとる
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ああ、いい匂い… マイ梅干2009
晴れたから… 2 夏のお日さま待ち
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