面白い日本語と英語の慣用句(イディオム)とことわざ

日本語と英語の慣用句やことわざには、表現や発想がよく似たものがある。
たとえの面白さをいろいろな角度からながめる。

面白い日本語と英語の慣用句(イディオム)とことわざ(202)

2012年08月12日 | 日本語の慣用句、英語の慣用句
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31 色を使った日本語と英語の比喩表現

 日本語と英語でたとえに使う色の持つ意味を比較してみた。日本人と欧米人の「色」に対する感覚の類似点や相違点が見えて興味深い。

 31.1 を使った例

 「証拠があるからあいつはだ」というように、「黒」は日本語で「有罪」を意味する。「白をつける」は「良し悪し・善悪をはっきりさせる」ことで、この場合は「黒」は「悪」の意をもつ。さらに、「い霧」、「星」、「いうわさ」、「腹い」など「黒」をネガティブなたとえに使うことが多いようである。しかし、「目のいうちは」、「字」などのようにネガティブでないたとえに使うこともある。
 一方、英語でも「black-hearted」(腹黒い)、「a black list」(要注意人物一覧表)、「a black lie」(悪意に満ちたうそ)、「black magic」(魔術、妖術)、「blackmail」(恐喝する)、「a black market」(やみ市場)、「black money」(裏金)、「the black sheep of the family」(一家のもてあまし者)、「look black」(見通しが真っ暗)、「The pot calls kettle black.」(目くそ鼻くそを笑う)、「Two blacks do not make a white.」(他人の悪事が自分の悪事の言い訳にはならない)などのように、やはり「黒」をネガティブなたとえに使うことが多いようである。「Two blacks do not make a white.」は「Two wrongs do not make a right」に対応する。          
 英語の「in the black」(黒字)および「in black and white」(文章の形で、印刷して)、「swear black is white」(どんなうそでもつく、鷺を烏と言いくるめる)「は「black」をネガティブでないたとえに使った例である。
 「黒」に対する発想は日本語と英語で比較的似ているといえる。

 このブログの目次は「面白い日本語と英語の慣用句(イディオム)とことわざ(152)」で見ることができます。
 「よく似た英語と日本語の慣用句集」(文芸館 : http://www.books.co.jp)ものぞいて見てください。


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