読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

城山真一著「二礼茜の特命 仕掛ける」

2017-09-17 | さ行

2015年『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞した「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」の続編。主人公「株取引の天才」二礼茜が今度は、内閣金融局"特命係"として、企業救済のミッションを託される。 茜は、同局の秘密部門、通称SII(エスツー)に所属する国家公務員。相棒だった百瀬良太が今度は茜の上司となって、トレーディングンのアシスタント役を務めることに。SIIは、経営危機に直面した企業からの依頼を受けである茜らを派遣。茜は、依頼人のもっとも大切なものと引き換えに、その場で設けたディーリングルームでデイトレードにより資金作りに努める。新たな依頼主である創薬会社のエヌメディックは、提携していた大手製薬会社が共同研究から撤退し、銀行から融資引き揚げの通告を受けている上、株価が乱高下したことで、インサイダー情報が漏れていた可能性まで噂されていた。茜は「インサイダー取引にかかわった人間を特定すること」を条件に、株取引を開始する。しかし、大型株の市場ではヘッジファンドなどが操る自動売買システムが高速取引で相場を牛耳っていた。さらには会社を先導していた取締役が怪しい振る舞いをみせるようになった。生き残りのための最後の切り札となった茜の資金作り。しかしヘッジファンドが操るコンピューターによる超高速取引が立ちふさがり、危機は深まる一方に。茜は超高速のスキにできる「瞬間」に勝負をかけた。茜対巨大アルゴリズム取引。 金融や証券市場のことが詳しくなくても、茜のトレーディングの様子がガイドになり、市場の最前線のスリルが味わえる。実在の人物をモデルにしたと思われる実業家らを登場。実際の出来事とオーバーラップして、裏話がこうだったのかもしれないと想像する楽しみもあった。2017年7月宝島社刊

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