読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

結城充孝著「アルゴリズム・キル」

2017-02-01 | や・ら・わ行

女性刑事クロハシリーズ第4弾。組織捜査逸脱する行動が問題しされ、所轄署の警務課に異動になった黑葉佑は、内勤中心の日々は単調だがようやく慣れ始めた。しかし、身元不明で傷だらけの少女が保護され、未成年の瘦せ細った打撲痕だらけの死体の不審死が連続で起きて、存在しないはずの少年に関する「奇妙な噂」がもたらされる。独自の調査を始めるクロハだったが・・・。

「アルゴリズム」というのは、コンピューターで計算を行うときの「計算方法」のことだが、広域に考えれば、何か物事を行うときの「やり方」のこと。

ネット社会の仮想ゲームや著者特有のカタカナ名がやたら多く人間関係を理解するのに時間がかかった。署内で起きた警察官の自殺問題が同時進行で主人公に降懸り孤立したクロハがもがきながら、複雑化した人間関係のまま物語が展開され、犯行の動機ともいうべき「都市の迷宮」の悪意の真相にたどり着くまでの過程がもどかしきイラついた。近未来小説らしい著者独特の世界観。

2016年6月光文社刊

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