「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

日本における外資系製薬企業

2005年01月13日 | スペシャル
2005.1.4 にkeiさんにいただいたコメントで
「日本における外資系製薬企業の
今後についてどう思うか?」
という趣旨の質問をいただきました。

その時は特に中外製薬について軽くコメント
させていただきましたが、本日は
外資系製薬企業の今まで、そして今後を
SIUの独断と偏見で語らせていただきます。
外資系メーカーにお勤めのかた、間違っていたら
こっそりメールください(涙)

ちなみに内資製薬企業の今後は2004.12.31に
「スペシャル」のカテゴリでUPしてますので
読んでない方は、よかったらどうぞ。

さてと・・・
ちなみに外資らしからぬ名前の
外資系メーカーって知ってます?

こんなの↓
万有製薬*→メルク
中外製薬*→ロシュ
エスエス製薬→ベーリンガー
(エスエスは外資っぽいか・・・)

あとなんか、あったっけな・・・?
ぱっと思いつくのは、このくらいですかね。
「万有→メルク」なんかは、この世界にいる方は
「あたりまえじゃん」とお思いでしょうが
一般的には結構、日本のメーカーだと思われていたりします。
しかし一般薬*出してない割には名前が知られているよな
万有って・・・

日本に進出している、海外メーカーか・・・
最初に大風呂敷を広げたのは良いのですが
SIUは日本に研究所を持っているメーカーしか
わかんないんですよ。
だから売上とかに関しては、「外資は・・・」と
一括りにした、全体的な総括になってしまいますね。
しかも営業の現場とかは
まったくもってわからない・・・
読者さんにMRさんがいたら、
現場がどんな感じか誰か教えてください(涙)

「事件は研究所で起こっているんじゃない
営業で起こってるんだっ!」

(もう古いな・・・、歳か・・・)

「COX-2インヒビター封鎖できませぇーん」とか
(いいかげんにしないか、ワタシ)

本題に戻ります
一般的に日本に入り込んできている
外資メーカーというのは
ものすごく大きいわけです、つまり・・・

研究・開発・パイプライン導入にお金がかけられる

自社製品(ピカ新)をたくさん持っている
(いい薬が多い)
ので

(あくまで、簡単にいうと)
「売るライン=販売網」 さえあれば儲かるわけです。

ところが、今までは日本の製薬市場は外資が
参入しにくかった(らしい)それで売れなかったと。
金融なんかと同じでいろいろな形で守られてたんですね。

外資が日本において、自社では薬が売れない状況で
しょうがないから、日本の会社に委託して
手数料払って売っていたのです。
日本の会社はその利ざやが有ったわけです。
代理店さんみたいな感じですね。
しかし、状況はかなり変わってきてます。

外資が日本においても販売網を整備しており
日本における営業の仕方もわかってきたようです。
例えばファイザーはファルマシアとの合併によって
国内一番のMR数を誇るようになり
他社に託す意味はなくなっています。
(2005年1月現在で3000人以上いるらしい・・・
すごいですね)
販売網を構築できている会社は、これからで出てくる
薬に関しては、間違いなく自社のみで販売するでしょう。

また、お医者さんも盛んにEBM*と言い出し
本当に効くいい薬であれば外資製だろうが
内資製だろうが関係なく使うようになってきています。

このように流れとしては、いい薬を持っていて
販売網も出来あがってきた、海外メガファーマが
日本市場を徐々に、しかしながらしっかりと
飲み込んできているというのが現状です。

・・・と、SIUは思っているのですが。
真実はどうでしょうかね?

何はともあれ自分をかんがみると、研究者の役割は
「患者さんが喜んでくれるような薬をつくる」
というのに限りますね。

日本で勝ち組みといわれている会社は
そのような薬を持っているからやっていけるわけですから。
はい、がんばります、たとえ実験で火傷をしようとも*(涙)


中外製薬*
研究所は御殿場にあります。
富士のふもと。
冬はホントに寒いらしいです。
けっこう箱根まですぐの距離だったりする。
旧ロシュの鎌倉研究所は閉鎖され、御殿場に一本化。
加えて筑波研究所は閉鎖の模様・・・
中外製薬の御殿場寮は
「プレミヤム・アウトレット」の
わりと近くにある。
(ちなみにここのアウトレットは関東近県の
アウトレットの中ではSIUの一番お勧め)
さらにもっと近くに怪しいホテル群がある(笑)
(2005.1.13記入)

万有製薬*
(過去ログより)
こんなに日本らしい名前ながら、しっかり外資です。
会社のイメージはMRさんにしても
研究職にしても、おとなしいという感じ。
ロシュ・ダイアグノスティックスから
(ロシュの診断薬部門)
引き抜かれた社長さん(平手さん)が
頑張って体質を変えようとしているが
なかなか変わらないとの噂。
社内では「変わるのは十年後だ」と
言われているとか、いないとか。
(2004.12.27記入)

一般薬*
処方箋なくて薬局で買えるお薬
対義語としては「医家向け薬」かな?

EBM*
Evidence Based Mediceneの略
「根拠に基づいた医療」ということ。
製薬各社は上市後の商品にも
大きなお金を投資して
他の類似品と差を見出すための
大規模臨床スタディを組んでいる。

たとえ火傷をしようとも*
「あちち」(2005年01月12日)の項を参照のこと

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