”主役は無対象 ”
★並木孝雄語録・其の二
パントマイムは一人で演じる事が多い。
当然、舞台の上で、一人だ。
一人なんだから、その人が主役だと思うだろう。
だって一人しか出てないんだから。^^;
でも、並木先生は違うとおっしゃった。
主役は僕じゃない。
主役は観客の心の中のスクリーンに映し出される、
僕の周りの風景なんだよ。
僕は舞台の上で一人だけど、
主役はその風景であって、僕は脇役なんだ。最初は私もびっくりした!
だって私は一人で舞台に立ち、
一人で観客の視線を集めることが重要だと思っていたから。
でも、重要なのは私なんかではなかった。
主役はあくまでも、私の周りの風景。空間。
観客の心の中のスクリーンに何が映し出されるかだったのだ。
何もない場所に風景を作り、
ストーリーを感じるのは、観客側の仕事。
観客の想像力が、
観客自身の心のスクリーンの絵(風景)を創造し、
言葉(セリフ)を創造する。
演者はその全てを決めることはできない。
もちろん、演者自身の中では、
台詞も、風景も決まっている。
でもそれを観客にすべてを押し付ける事はできない。
なぜなら、何も物(セットや小道具)を使わないし、
何も言わないからだ。
何も言わず、何も使わないで動く人を観て、
観客は自分でそれを感じ、作品を仕上げる。
演者が作品を仕上げるのではなく、
観客が作品を仕上げるのだ。
だから、観客の心の中にできた作品は、
とってもパーソナルな作品になる。
ひとりひとりがご自分で感じた作品をお持ち帰りできる。
そこが、パントマイムの醍醐味♪
それは、良質の小説や俳句や詩を楽しむ感覚と同じ♪
観る側の想像力を持ってして、
とーーーっても楽しむことのできる大人な芸術だ!演じる方は結構大変だけどね。。^^;
あ!!\(◎o◎)/
これが、昨日の答えなんだね~!(*^O^*)
”僕は教えてるんじゃない。伝えているんだよ。”
★並木孝雄語録・其の一
シスターの師であった並木孝雄先生の言葉。
先生であるより、先輩というスタンスだったんだと思う。
自分が受け継いだ文化を後世に伝える感じ。
高校卒業後、2年目くらいに、
東京マイム研究所に通い始めた私は、
先生という存在の方が、このような事をおっしゃった事に、
びっくりしたことを良く覚えている。
先生って圧倒的な権限を持つ存在だと思っていたから。
シスターが教師ではなく、伝道師を名乗るのも、
彼のこの想いが伝染してるから。
そう!想いは伝染する!
パントマイム遺伝子を受け継ぐような感じ。
伝える人としてのスキルアップを惜しまない!し、現在、発展途上!
これからも、進化し続けるよ♪
そして、並木孝雄氏の偉大な存在を、
後世に伝えていくこともシスターの最大の仕事。
こちらも励みます!\(^O^)/