建てた当時、一般的に行われていた外壁サイディング工事の工法は直張りという張り方だった。現在は通気工法という防水透湿シートの上に縦横胴縁を柱、間柱に打ち付けその上に外壁サイディング工事を張るのが一般的だ。
この建物の損傷がひどいのは、直張りという張り方に全てがあると言って過言ではないと私は考えている。柱、間柱の上に防水シートを張り、柱と間柱だけでサイディングを張るというのは無理があると思う。大工が適切に受け材を設けながらサイディングを張ればよかったのだが、このときの大工は柱と間柱だけでサイディングを張ったのだった。
そんな訳で、高圧洗浄をして早く塗装をしたい私なのだが、それが叶わないのだった。
また屋根は雨漏り補修をしなければならないし、外壁サイディングはコーキングの亀裂を補修しなければならない。
ロフト部分に当たる(実質三階部分にあたる)外壁のコーキング亀裂が特にひどい状態だ。サイディングは反って波を打ちこの下にある和室八畳の雨漏り原因になっている。
よくよく調べてみると柱と間柱の間でサイディングの継ぎ目になっていたり、300ミリの梁があるところでは、しっかりした梁が受け材になるのに釘打ちが不十分(ほとんど打っていない)なためにサイディングが暴れる原因になっているのだった。
下地補修が必要な箇所は三階部分に相当する小屋裏(一部ロフトになっている)に集中している。これらを徹底的に補修するには、小屋裏とロフトを遮っている内壁を剥がす必要がある。これが大変な作業なのだった。日中のロフトは猛烈な暑さになる。雨の日でないと暑くてとても作業にならない状態になる。
やっとの事、天井、壁のベニヤを剥がすことができた。天井を剥がしたのは、雨漏りしている屋根の補修作業のためだ。コロニアルを半分ほど剥がすのに下から釘を叩いて剥がしやすくするためだ。外壁側には断熱材が入っていたが、天井、小屋裏側には断熱材がまったく入っていなかった。以前からロフトは暑く昼間はとても上がれないところだった。外壁塗装が終わったらロフトの断熱改良作業をする必要がある。
屋根裏換気口の真下のコーキングに亀裂がある。この裏の状態が次の写真になる。
小屋裏から状態を確認すると、柱と間柱の間でサイディングの継ぎ目になっている。小屋裏部分に発生している亀裂の大半は裏側に受け材がないため釘打ちされずに起こった症状なのだ。
大工になぜ受け材を設けずに突合せでコーキングしたのかを聞きたいものだ。写真に見えているコーキングは昨年の事、雨の吹き込みに気づいて応急処置した後だ。
サイディングの裏側に受け材が無いために継ぎ目のコーキングが切れている。
その裏側に構造用合板を垂木を使って受け材を柱、間柱に固定する方法をとった。
ここも典型的な受け材が無いためにコーキングが切れている。
ここも裏側に構造用合板を垂木を使って受け材を柱、間柱に固定した
小屋裏に関しては全て受け材の裏補強が必要だった。