四輪クドウの独り言

見えたまま、聴こえたまま、感じたまま…

佐藤愛子さんの「人間の煩悩」を読み、彼女の豪快で痛快な92年の人生に乾杯!こっちは完敗

2016-10-02 17:34:40 | 日記

●今日は日曜日。午前は道産子会の役員会で、午後は佐藤愛子さんの「人間の煩悩」を見ふけっていました。いやぁ、おもしろい。92歳の佐藤愛子さん、もう人生達観しています。というより小説家の友人との会話を通して、自由人の優雅さがうらやましく思いました。

●最初の章が「人間とは」で、小説家の親友というか珍友というのか別に、中山あい子さんいます。とにかくこの中山さんは豪快な人、自分をよく見せようという意識がない。ある時、腎臓が悪いので透析を進めたが、イヤだといった。「透析の費用はタダだ」と言ったら「バカだねぇ。大した税金払っていなのに、国に負担かけたらの悪いじゃないの」といい、「人間も死んだらゴミだ」というのが持論だった。そこらに捨ててもいいんだけど、ひとに迷惑かけるから「検体」をすると。「検体もいいけど、ホルマリン漬けになるよ」と言ったら、「いいんだよどうせゴミだから」と言ってきかない。中山あい子さんは80歳で亡くなり、娘さんは、本人の希望通り検体の手続きをして葬儀はしなかった。

●このような小説家との交流を通して、コラム風にまとめたもので読みやすい。遠藤周作や川上宗薫、北杜夫、安岡正太郎、上坂冬子などなど次々とエピソートをまじえて展開していく。何より、夫の借金を憶単位抱え、その返済をするため原稿を書きまくり、そこから自分の人生を作り上げるのは、さすがというほかない。詩人サトーハチローが実兄です。「無垢な人は無敵である」、「人を救えると思うことは欺瞞である」、「人間関係は最初が肝心」、「人生は苦しいのが当たり前」、「高をくくるとろくなことがない」「損得で生きる人生は不幸」など、実にシャレています。人は煩悩を捨て去ることは難しいが、煩悩を捨てる意識を持てば、意外に楽しく、自分を見失うことなく生きられそうだ。それにしても「佐藤愛子さん、92歳の人生痛快」に乾杯!こっちは完敗です。


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