■漱石忌ネット句会■

フェイスブック等の交流会
インターネット俳句コンテスト協会(会長 高橋信之)

「漱石忌ネット句会」開催御礼

2014-12-11 10:52:31 | 日記

「漱石忌ネット句会」開催御礼について

この度、夏目漱石を偲び、その功績を讃える「漱石ネット句会」を催したいと思い、12月1日(月)にお呼び掛けをしたところ、投句は1日(水)、選句終了は10日(水)という、わずか一週間あまりにも関わらず、Facebook の「いいね」数は136名で、実際の参加は28名を数え、一人3句の84句のご投稿があり、北は北海道、南は沖縄の方々にご参加していただきました。まさにオンライン時代の句会ということになりました。もちろん、「座の文学」である俳句の特性は題詠「漱石忌」に賛同して集まり、取り組む点で少しも損なうことがなかったといえましょう。ここに、多くの方の参加を得て、選句に迷うほどの優れた作品をご投稿していただいたことに深く感謝を申し上げます。皆様のご協力なくしては成り立たなかったことは言うに及びません。また、お忙しい中に選句と選評をお引き受けいただいた各選者の方々には誠に恐縮の念を抱かざるを得ません。懇切丁寧な選と選評は宝となりました。さらには、事務の一切を取り仕切られた「インターネット俳句コンテスト協会」の方々、特に高橋信之様には大変お世話になりました。綿密な計画と緻密な作業に当たられ、成功に導いていただきました。最後に、私の提案に同意し、実行委員になっていただいた方々にはお礼の申し上げようもありません。滞りなく終えることができたのには実行委員の皆様のおかげです。 「漱石忌ネット句会」は今回の成功と反省点を踏まえ、来年度も行う気持ちでいます。その節は今回と同様に、ご参加とご投稿をお願い申し上げます。 「漱石忌ネット句会」実行委員長 永田満徳

平成26 年12月10日(水)


入賞発表/漱石忌ネット句会

2014-12-10 10:52:34 | 日記

■12月漱石忌ネット句会■
■入賞発表/2014年12月10日■

【金賞】
★漱石忌港の見ゆる喫茶店/涼野海音
漱石忌。作者は一人港の見える晴れ晴れとした喫茶店にいる。コーヒーを片手に、もちろん漱石の書を開き、三昧にふけっている。明るい漱石忌だ。(高橋正子)

【銀賞】
★黄落の漱石句碑の彫深む/藤田洋子
漱石の句碑のひとつは漱石が教師であった松山中学(現松山東高校)の校庭にある。銀杏の木が立ち並ぶあたりは「黄落」の季節。句碑を読もうとすれば、字の彫りも陰影深く、子規漱石の往時を忍ばせる。(高橋正子)

★マドンナの離婚のメール漱石忌/茂木ひさを
「マドンナ」の句が面白かった。この「マドンナ」は学生時代の作者のあこがれの女性と、「坊っちゃん」のマドンナとをかけている。こういうメールをもらうと、男としてはちょっと心が揺れるのではないか。(林 誠司)

【銅賞】
★漱石忌餡を煮詰める夜の廚/佃 康水
漱石忌の夜、餡を煮詰めている。なにも餡を煮詰めるのに漱石忌でないくてもよいが、一生懸命なところに、それが、餡を煮詰めることだけに、ふっと漱石風のユーモアを感じる。(高橋正子)

★吾輩の居所さだめなき漱石忌/桑本栄太郎
私は、なっちゃんと親しみを込めて呼んでいる夏目漱石。私の尊敬してやまない現代文明と真っ向から立ち向かった文人。人生は、時に旅に例えられる。その人生の旅を生涯、夏目漱石は、していたのではないか。『吾輩は猫である』の猫の視点で描かれた独創的な、デビュー作からずっと居所をさだめることもなく、座ったり横になったりするように精神の安息もないくらいに歩み続けた道のりを偲びつつも親しめる作品との出会いに感謝しきれない。(豊里友行)

★文豪も愛でし湯煙漱石忌/河野啓一
松山の道後温泉の風景。「坊ちゃん」で知られる温泉の湯煙をみながら、今日は漱石忌であったと漱石を偲ぶ作者の姿がみえてくる。(中本真人)

【五島高資特選3句】
★漱石忌餡を煮詰める夜の廚/佃 康水
『草枕』の「余はすべての菓子のうちでもっとも羊羹が好だ。別段食いたくはないが、あの肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。ことに青味を帯びた煉上げ方は、玉と蝋石の雑種のようで、はなはだ見て心持ちがいい。のみならず青磁の皿に盛られた青い煉羊羹は、青磁のなかから今生れたようにつやつやして、思わず手を出して撫でて見たくなる。西洋の菓子で、これほど快感を与えるものは一つもない。クリームの色はちょっと柔かだが、少し重苦しい。ジェリは、一目宝石のように見えるが、ぶるぶる顫えて、羊羹ほどの重味がない。白砂糖と牛乳で五重の塔を作るに至っては、言語道断の沙汰である」という一節を思い出した。もちろん、このことを知らなくても掲句における「夜の廚」から生まれる餡には、漱石における美意識の根源を彷彿とさせるものがある。また「煮詰める」という措辞に漱石の芸術への深い思い入れもよく感じられる。

★漱石忌路面電車の音軋む/藤田洋子
★師走の夏目坂下りてはまた上る/高橋信之

【高橋正子特選3句】
★黄落の漱石句碑の彫深む/藤田洋子
漱石の句碑のひとつは漱石が教師であった松山中学(現松山東高校)の校庭にある。銀杏の木が立ち並ぶあたりは「黄落」の季節。句碑を読もうとすれば、字の彫りも陰影深く、子規漱石の往時を忍ばせる。(高橋正子)

★縁側に父居て猫いた漱石忌/祝恵子
★漱石忌港の見ゆる喫茶店/涼野海音

【豊里友行特選3句】
★吾輩の居所さだめなき漱石忌/桑本栄太郎
私は、なっちゃんと親しみを込めて呼んでいる夏目漱石。私の尊敬してやまない現代文明と真っ向から立ち向かった文人。人生は、時に旅に例えられる。その人生の旅を生涯、夏目漱石は、していたのではないか。『吾輩は猫である』の猫の視点で描かれた独創的な、デビュー作からずっと居所をさだめることもなく、座ったり横になったりするように精神の安息もないくらいに歩み続けた道のりを偲びつつも親しめる作品との出会いに感謝しきれない。

★漱石忌余生と云へど枯れ切らず/桑本栄太郎
★漱石忌生涯秘する嘘ひとつ/本村照香

【仲 寒蟬特選3句】
★マドンナの離婚のメール漱石忌/茂木ひさを
「猫」「胃病」「外国」などのキーワードはありふれ過ぎて取りづらい。かと言って全く離れては漱石忌の必然性がない。その点「路面電車」「夜の厨」は即かず離れずでいいのではないか。「マドンナ」は離婚のニュースがメールで来る所が現代的で面白いと思った。思えば「我々のクラスのマドンナは…」などという表現も漱石のお蔭か。

★漱石忌路面電車の音軋む/藤田洋子
★漱石忌餡を煮詰める夜の廚/佃 康水

【永田満徳特選3句】
★猫の髭引っ張ってみる漱石忌/茂木ひさを
漱石は知る人ぞ知る愛猫家である。小説を書くのに倦んで、側の猫にちょっとしたいたずらをしたこともあっただろう。漱石のそういう一面が捉えられた句として好感が持てる。

★思ひ出す吾のあだ名や漱石忌/武藤隆司‎
★本棚の奥から一冊漱石忌/高橋秀之

【中本真人特選3句】
★文豪も愛でし湯煙漱石忌/河野啓一
松山の道後温泉の風景。「坊ちゃん」で知られる温泉の湯煙をみながら、今日は漱石忌であったと漱石を偲ぶ作者の姿がみえてくる。

★漱石忌路面電車の音軋む/藤田洋子
★瀬戸海を靄の包める漱石忌/佃 康水

【林 誠司特選3句】
★マドンナの離婚のメール漱石忌/茂木ひさを
「マドンナ」の句が面白かった。この「マドンナ」は学生時代の作者のあこがれの女性と、「坊っちゃん」のマドンナとをかけている。こういうメールをもらうと、男としてはちょっと心が揺れるのではないか。

★山門は昔のままに漱石忌/宮 幸代
★たっぷりと世の中教えた漱石忌/迫田和代

【松野苑子特選3句】
★猫の髭引っ張ってみる漱石忌/茂木ひさを 
漱石と言えば『吾輩は猫である』。だから、この漱石忌ネット句会でも猫の句多かったけれど、その中でこの句が一番面白かった。漱石忌イコール猫というところにとどまらず、目の前の猫の髯を実際に引っ張ったのだ。すごい。猫には迷惑な話だがこの動作によって句にエネルギーが生まれた。そしてユーモアもある。ユーモアは『吾輩は猫である』の底流にあるものだ。

★漱石忌我輩の胃のピロリ菌/毎野月湖
★漱石忌コーヒー豆は夜の色/涼野海音

【入選7句】
★四十過ぎ迷いばかりの漱石忌/菊池宇鷹
四十代で逝った漱石の苦悩はいかばかりだったのでしょう。現代も変わらぬミドル世代が抱える悩みや迷いが、悩める文豪の忌日にしみじみと伝わります。 (藤田洋子)

★漱石忌テムズの空の北斗星/河野啓一
留学中のロンドンだと思いますが、空の北斗星を仰がれて、いろいろと考えられたと思います。勿論残してきたものえのことです。 (迫田和代)

★抽斗に旧札五枚漱石忌/今村征一
片付けものをしていて、思わぬところからお札が出てくるということは、あるものです。旧の千円札は漱石の肖像。その千円札、使われたのでしょうか? (多田有花)

★漱石忌今日は優しく猫を見る/高橋秀之
何時も追い返している野良猫をやさしく見ているのは今日が漱石忌がであることを知っている作者だ。日向にいる猫と縁側でくつろいでいる作者の姿が見える。(今村征一)
今日は優しく猫を見る・・・猫の死亡通知まで認めた漱石である。彼のまなざしの底に何があるのかは分らないが、忌日のこの日には、優しく猫を見遣るのである。(本村照香)

★歳時記の傷み繕う漱石忌/矢野文彦
気にかかっていた歳時記の傷みを繕う作者、漱石さんのことを思いながらでしょうか。(祝恵子)

★智と情のはざま思うや漱石忌/河野啓一
人は成長するにつれ、智(理性)と情(欲求・感情)のせめぎ合いの中で調和を取りながら、日々生きて居るところがある。漱石の作品の中でも人間の葛藤が描かれ、それが文豪たる所以であり、漱石忌に因み色々深く考えさせられる。 (桑本栄太郎)

★味噌汁の豆腐だけ食ふ漱石忌/仲 寒蝉 
味噌汁の豆腐と忌の組み合わせ。意表をついていて、それこそ掴みずらい面白さ。 (をがはまなぶ)


全作品/漱石忌ネット句会

2014-12-10 10:51:46 | 日記

 

12月
漱石忌ネット句会投句


No.01 桑本栄太郎
01.漱石忌余生と云へど枯れ切らず
02.日溜りの猫に膝貸す漱石忌
03.吾輩の居所さだめなき漱石忌

No.02 菊池宇鷹
04.朝食後胃薬を飲む漱石忌  
05.四十過ぎ迷いばかりの漱石忌
06.冷や飯を味噌汁で煮る漱石忌

No.03 祝恵子
07.縁側に父居て猫いた漱石忌
08.淀川に夕焼け落とし漱石忌
09.火花散る鉄工所の音漱石忌

No.04 迫田和代
10.漱石忌あちらこちらに句を残し
11.たっぷりと世の中教えた漱石忌
12.遠い友近くの友や漱石忌

No.05 増田太三
13.彼の人に逢いたくてゆく漱石忌
14.平成へ遠くなりゆく漱石忌
15.漱石忌行住座臥も適わざる

No.06 藤田洋子
16.黄落の漱石句碑の彫深む
17.漱石忌街騒を逸れ句碑の前
18.漱石忌路面電車の音軋む

No.07 河野啓一
19.漱石忌テムズの空の北斗星
20.文豪も愛でし湯煙漱石忌
21.智と情のはざま思うや漱石忌

No.08 多田有花
22.フォーマルのパンプスを買う漱石忌
23.漱石忌日々の散歩は欠かさずに
24.湯たんぽの湯をこぽこぽと漱石忌

No.09 津野利行
25.赤門は修復不能漱石忌
26.将軍の石碑冷たき漱石忌
27.胃に穴の開くほどのこと漱石忌

No.10 茂木ひさを
28.鈍色の異国の空や漱石忌
29.マドンナの離婚のメール漱石忌
30.猫の髭引っ張ってみる漱石忌

No.11 柳原美知子
31.久に読む新聞小説漱石忌
32.湯の町の足湯賑わう漱石忌
33.空晴れて石鎚拝す漱石忌

No.12 今村征一
34.膝に猫抱いて推敲漱石忌
35.ハイカラと言はれし頃も漱石忌
36.抽斗に旧札五枚漱石忌

No.13 佃 康水
37.漱石忌伊予への旅を提案す  
38.瀬戸海を靄の包める漱石忌
39.漱石忌餡を煮詰める夜の廚 

No.14 高橋正子
40.漱石忌机上に積みおく「三四郎」
41.子規漱石二人の句碑読み漱石忌
42.漱石忌の道後の温泉(ゆ)からひょこり漱石

No.15 高橋句美子
43.セーターを洗ったあとの漱石忌
44.冬紅葉鮮やかに落ち漱石忌
45.漱石忌の林檎香る夜の深さ

No.16 高橋信之
46.師走の夏目坂下りてはまた上る
47.漱石忌の漱石全集売られけり
48.漱石忌晴れそのままに暮れゆける

No.17 小川 学
49.漱石忌国の半分五十路越え 中
50.学の教師に恋し漱石忌
51.遺品には有形無形漱石忌

No.18 西村楊子
52.漱石忌青い記憶と赤煉瓦
53.哲学はよしたまへ君漱石忌
54.赤門から赤煉瓦まで漱石忌

No.19 毎野月湖(Gakko Maino)
55.漱石忌またあの頭危機蕭疎
56.漱石忌句集買ふ客よく来るよ
57.漱石忌我輩の胃のピロリ菌

No.20 仲 寒蝉
58.漱石忌箸のひとつも転がらず
59.漱石忌インク壺から溜息が
60.味噌汁の豆腐だけ食ふ漱石忌

No.21 涼野海音‎
61.漱石忌港の見ゆる喫茶店
62.漱石忌コーヒー豆は夜の色
63.雨音を来る靴音や漱石忌

No.22 武藤隆司‎
64.山脈をつなぐ尾根道漱石忌
65.思ひ出す吾のあだ名や漱石忌
66.譲りたるものに筆名漱石忌

No.23 川岡末好
67.俳句とはこころの春よ漱石忌
68.好物は酒とカステラ漱石忌
69.身も病みて安心(あんじん)ありや漱石忌

No.24 永田満徳
70.漱石忌深々と座して指定席
71.呑み食ひのついでに連句漱石忌
72.漱石忌俳句講座の最終日

No.25 矢野文彦
73.歳時記の傷み繕う漱石忌
74.のらねこの庭を賑わす漱石忌
75.漱石忌ジャスターゼ錠けさも服む

No.26 本村照香
76.漱石忌生涯秘する嘘ひとつ
77.雪山は火を抱へつつ漱石忌
78.枕辺に置くデスノート漱石忌

No.27宮 幸代(Sachiyo Miya)
79.山門は昔のままに漱石忌
80.参禅に戸惑ふ心漱石忌
81.潮騒に轟く硝子漱石忌

No.28高橋秀之
82.快晴の穏やかな波漱石忌
83.本棚の奥から一冊漱石忌
84.漱石忌今日は優しく猫を見る


■選句/漱石忌ネット句会■

2014-12-09 16:12:25 | 日記

■漱石忌ネット句会■
■清記(投句一覧表)/28名84句

01.漱石忌余生と云へど枯れ切らず
02.日溜りの猫に膝貸す漱石忌
03.吾輩の居所さだめなき漱石忌
04.朝食後胃薬を飲む漱石忌  
05.四十過ぎ迷いばかりの漱石忌
06.冷や飯を味噌汁で煮る漱石忌
07.縁側に父居て猫いた漱石忌
08.淀川に夕焼け落とし漱石忌
09.火花散る鉄工所の音漱石忌
10.漱石忌あちらこちらに句を残し

11.たっぷりと世の中教えた漱石忌
12.遠い友近くの友や漱石忌
13.彼の人に逢いたくてゆく漱石忌
14.平成へ遠くなりゆく漱石忌
15.漱石忌行住座臥も適わざる
16.黄落の漱石句碑の彫深む
17.漱石忌街騒を逸れ句碑の前
18.漱石忌路面電車の音軋む
19.漱石忌テムズの空の北斗星
20.文豪も愛でし湯煙漱石忌

21.智と情のはざま思うや漱石忌
22.フォーマルのパンプスを買う漱石忌
23.漱石忌日々の散歩は欠かさずに
24.湯たんぽの湯をこぽこぽと漱石忌
25.赤門は修復不能漱石忌
26.将軍の石碑冷たき漱石忌
27.胃に穴の開くほどのこと漱石忌
28.鈍色の異国の空や漱石忌
29.マドンナの離婚のメール漱石忌
30.猫の髭引っ張ってみる漱石忌

31.久に読む新聞小説漱石忌
32.湯の町の足湯賑わう漱石忌
33.空晴れて石鎚拝す漱石忌
34.膝に猫抱いて推敲漱石忌
35.ハイカラと言はれし頃も漱石忌
36.抽斗に旧札五枚漱石忌
37.漱石忌伊予への旅を提案す  
38.瀬戸海を靄の包める漱石忌
39.漱石忌餡を煮詰める夜の廚 
40.漱石忌机上に積みおく「三四郎」

41.子規漱石二人の句碑読み漱石忌
42.漱石忌の道後の温泉(ゆ)からひょこり漱石
43.セーターを洗ったあとの漱石忌
44.冬紅葉鮮やかに落ち漱石忌
45.漱石忌の林檎香る夜の深さ
46.師走の夏目坂下りてはまた上る
47.漱石忌の漱石全集売られけり
48.漱石忌晴れそのままに暮れゆける
49.漱石忌国の半分五十路越え
50.中学の教師に恋し漱石忌
 
51.遺品には有形無形漱石忌
52.漱石忌青い記憶と赤煉瓦
53.哲学はよしたまへ君漱石忌
54.赤門から赤煉瓦まで漱石忌
55.漱石忌またあの頭危機蕭疎
56.漱石忌句集買ふ客よく来るよ
57.漱石忌我輩の胃のピロリ菌
58.漱石忌箸のひとつも転がらず
59.漱石忌インク壺から溜息が
60.味噌汁の豆腐だけ食ふ漱石忌

61.漱石忌港の見ゆる喫茶店
62.漱石忌コーヒー豆は夜の色
63.雨音を来る靴音や漱石忌
64.山脈をつなぐ尾根道漱石忌
65.思ひ出す吾のあだ名や漱石忌
66.譲りたるものに筆名漱石忌
67.俳句とはこころの春よ漱石忌
68.好物は酒とカステラ漱石忌
69.身も病みて安心(あんじん)ありや漱石忌
70.漱石忌深々と座して指定席

71.呑み食ひのついでに連句漱石忌
72.漱石忌俳句講座の最終日
73.歳時記の傷み繕う漱石忌
74.のらねこの庭を賑わす漱石忌
75.漱石忌ジャスターゼ錠けさも服む
76.漱石忌生涯秘する嘘ひとつ
77.雪山は火を抱へつつ漱石忌
78.枕辺に置くデスノート漱石忌

79.山門は昔のままに漱石忌
80.参禅に戸惑ふ心漱石忌
81.潮騒に轟く硝子漱石忌

82.快晴の穏やかな波漱石忌
83.本棚の奥から一冊漱石忌
84.漱石忌今日は優しく猫を見る

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◆互選のご案内◆
①清記(投句一覧表)の中から3句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、12月10日(水)午前9時から始め、12月10日( 水)午後6時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※選者:五島高資・高橋正子・豊里友行・仲 寒蟬・永田満徳・中本真人・林 誠司・松野苑子
※選者も上述と同様に選をお願いします。選者の選は、選者特選として表彰されます。