超コトラー教授。近未来マーケティングのフロンティア、その進化した姿とは!

コトラー教授を超えて、近未来、最先端のマーケティングをINSECT`S,BIRD`SなEYEで展開!

■ 配分のマーケティング。「入」より、「出」が大事!

2008年07月30日 | Weblog
よい収入は、よい支出がもたらす。

A.出の意味:

利益を考える時に、とかく儲けかた(入)のノウハウ・方法に議論が行きがちであるが、
結局のところ、今ある資金(出)のポートフォリオが次の利益をきめる、
と言うことを忘れてはならない。
「出」が、短期、中期、長期の利益を規定する。

「出」のポートフォリオの決定には、人、会社、社会、世界の政治経済の状況等すべてが凝縮されてくる。
また、そこには経営者の経営哲学が現れてくる。

当然のことながら、企業の発展は経済的な富の源泉があってこそ可能となる。
その経済的な富を、どう再投資するかで次の利益が決まってくる。
また、サステーナブルな還元をユーザー・社会へしていけることになる。

B.出の工夫:

将来どう利益を上げるか(入)は、実は経営のどこに資源(お金、手間、時間、もの・・・・・)をかけるか(出)の問題に帰着する。

例:内部の人件費を削ることに熱心なのか、人材育成に投資するのか?
例:コストを削るための投資なのか、コストアップでも利益がアップする投資を選ぶのか?
例:長期的なイメージアップの企業広告に投資するのか、近々の利益に貢献するSP・商品広告に投資するのか?
例:社内還元に廻すのか、社会還元に廻すのか?
例:設備投資の廻すのか、人件費に廻すのか?

と「出」の決断のアイテムには事欠かない。

「利益の使い方(出)」には、経営者・企業の品性、哲学があらわれてくる。
儲け方には才覚が必要だが、使い方には教養が必要である、
と喝破した経営者もいる。

教養とは、
技術・ノウハウ、経営者としての経験値、・・・文化的センス、生物学的な能力・・・いろいろなものを含んだ総合力である。

 ここで確認しておく必要がある。

儲けること(入)を罪悪視するのは本末転倒というべきである。
資本主義であり、企業なのだから一定の利益をあげなければ生存できない。

しかし、上げた利益の使い方(出)もきわめて大切で、中期的・長期的には、お金は必ず、儲かった企業から離れ、社会へと巡っていく、という視点が忘れられてはならない。
問題は、何にお金をつかったのか、企業の永続性のためにキチントと再投資できているか・・・、即ちどうお金を循環させようとしているのかということである。

 但し、悩みがひとつある。
投資の効果(見返り)がなかなか簡単には測定できないということである。
占いではないが「当たらぬも八卦当たるも八卦」である。

 筆者も以前クライアントの重鎮から、「当たる調査」をやってくれと言われたことがある。
これは、調査というか、事業の意思決定の永遠のテーマである。

 要するに(残念ながら)、
人材投資、設備投資、M&A,自社株買い、寄付、CSR、
どれが最適で、正解の「出」のポートフォリオか?は永久にわからない、ということである。

 算数的な、割り切ったポートフォリオがなかなかできないとすると、
哲学・見識といった経営者の基礎素養、企業カルチャーのような情緒的な観点によらざるを得ないということになる。
広い意味での「教養」が必要になる。

C.出の規範:

 結局は、精神的な規範でポートフォリオのしかたを決めていくことになる。

 話は変わる。

「経営計画」という経営上の機能がある。

どのような配分で、資金・人材・時間を投入するか?
これは、技術、ノウハウ的なものだけで決まるのではなく、どのような社風、マネジメント手法か、どのような経営理念があるか・・・・
など総合的な変数群によって決まってくる。

 基本的には、この事業にこれだけ投資すれば、これだけのリターンがあるという観点できめることになる。

 問題は、事業投資の中の直接的な事業投資ではない部分の、人、教育、CSRといった間接的、中長期的な効果を期待する投資にある。
いわゆる計算が成り立ちにくい、リターンが見えにくい部分への投資である。

だからこそ、経営者の哲学が問われると言うことにもなる。

もし、悩むようであれば、最終的には、業界・世間では、利益・売り上げの何%は間接的投資へ配分している!というような一般的なノームでもかまわないとは思う。

D.出の行動:

 大事なのは投資の効果である。

あれこれと悩んでいても仕方が無い。

ある基準・判断で投資を決めたら、その効果をとことん追うという執念が大切である。
投資した大切なお金が、生きて使われているかをとことん突き詰める強い意志が必要である。

 お金が生きているな!、
という実感が得られればそれは立派な投資の意思決定ということになる。生きたお金ということになる。

 要は行動をおこし、きっちりと「出」をレヴュー&ガイドするということに尽きる。

生きたお金になるように目を光らせ頭を研ぎ澄まし、失敗の可能性(リスク)を事前にクリアし、予定調和的に成功状態に持ち込むような意欲とセンスが求められる。
「絶対成功させる」というパラノイア的な感覚が「出」には求められる。
特に間接投資にはそれが重要である。



当たる調査、判断を求めて今日も企業人は、皆悩む・・・?????

この稿おわり


■ 三比主義という経営&マーケティングの限界 企業のミッションとは何か?

2008年07月15日 | Weblog

企業の目標をどう設定するか?

企業活動の出発点である。
クリティカルパスである。

企業目標を考えるとは?

何が、社会にとって、企業をとりまく人々にとって、大切なことか?
幸福にする事につながるか?

を考えることである。

 この稿は、まず、三比主義から話を始める。

 A.三比主義的経営&マーケティングの弊害と凄さ

三比主義とは?!(さんぴしゅぎ)
対前年比、対他社比、対予算比
で経営管理することである。

資本主義の伝統的な、本質的な管理方法である。

しかし、この考え方は、近代的企業が産業革命以後誕生して近代経営をし始めたときから何も変わっていない。
明らかに金属疲労を起こしている。
社会主義的、共産主義的経営が終わったと同じように。

 ■ まず、三比主義の凄さとは。

適者・強者生存で、弱者を淘汰し最適な企業を残し結果社会に貢献するという、かなり強引な、しかし間違いなく一定の効果が上がる方法論である。
そのロジックは筋論としては正しい。

近代産業革命が起こってから、今までその命脈を保ってきた手法であり、そのすべてを排除するものではない。

 ■ 逆に、三比主義の弊害とは。

 ・数字を追うことが目的化する。
・ 過剰競合が生じ、あまりに無駄が多く資源活用の生産性が悪くなる。
・ 消費を過剰に刺激し、欲望を極端に走らせる
・社会的な不正義が、不的確性が多く発生する。(例えば環境問題、格差問題、ストレス社会誕生・・・)

しかし、三比主義を是正するのに共産主義までいくと行き過ぎである。
あまりに人間の欲望に鈍感で性善説に立ち過ぎるからである。

三比主義の修正・革新・進化については、いまだ発展途上であり、現代マネジメントにおいてその解はでていない。
試行錯誤中である。


 B.三比主義の功罪:

改めて三比主義(さんぴしゅぎ)について客観的な解釈をしておく。

 1.対前年比:

ポジ:拡大再生産は不可欠
(起業は利益を上げてその富を再投資しなくてはならない。
革新性を求めて変わることで、環境の変化に適応して、次の利益を確保し、投資家に還元しなくてはならない。) 

ネガ:既存事業のへの拘泥
(経営のマネジメント、商品・販売マーケティングが同じ方法で進み、革新性が生じず、徐々に環境からかけ離れてしまい、マーケットの賛同を得にくくなっていく。)

 2.対他社比:

ポジ:他社に負けることはマーケットからの退場を意味する。
(相手よりいい商品・サービス、いいコミュニケーションをすることにより、短中期的な競争に勝つノウハウを獲得できる。)

ネガ:自主性が失われる。
(他社のことばかり見ていては、自分のこだわり、新規創造性の芽を摘むことになる。投資方向性が他社を意識した単純な優位性確保だけに向かう。)

 3.対予算比:

ポジ:経営の精緻化が図れる。
(しっかり管理して、内外に約束したコト(予算)を守ることができる。
しっかり守ることで、立てた予算のどこに問題があったのかが把握でき、経営の予測精度を高めることができる。)

ネガ:環境の変化に適応できなくなる。
(予算にこだわって環境の変化に鈍感になる。相手の出方、景況感のくるい・・・などへの迅速な対応が出来なくなる)

 4.別の視点:

「三比主義」は、内向志向(思考)に陥ることが多くなる。
社会へ目がむかなくなる。
自分の利益に忠実になり過ぎ、
反社会的行為に走る、
法的には問題はないが無過失責任的な結果を生じてしまう、
ことになりやすい。
社会からの、生活者からの、声に疎くなる。

これらの反面教師的な象徴として、昨今は、
コンプライアンス、CSR、耐震・食品偽装問題など
のリスクキーワードがクローズアップされてきているのである。

 C.三比主義の克服:

 資本主義では、最後は金銭に換算され成果が問われる。
そして、ストックホルダー、ステークホルダーにいくら還元されたかが問題とされる。
いくら、「三比主義」からの脱却を求められても、利益が上げらなければ、社員から、銀行から、協力してくれる会社から、株主からの評価は得られない。
どうしても利益追求に走らざるを得ないのである。

構造的に見ても、企業の自覚、経営者の自覚を待っていたのではなかなか弊害を除去することはできないのである。

従って、三比主義の弊害を克服するには、古典的な経営指標ではない、別の新しい、創造的な経営指標の導入が不可欠である。
新しい視座を用意し、社会的な認知を与え、法的にも担保されることが求められている。
そして、その指標によって経営の透明性が増し、生産性が向上し、企業収益が増大することが求められるのである。
そうでないと、新・経営指標は、資本主義の世界ではなかなか定着しないのである。


では、単純な三比主義ではない別の方法とは何か?

 1. 制度的、財政的な支援を担保して、寄付や社会還元事業・イベントが出来るようにすること。

その行為が、その企業の信用を高め、企業収益にいい影響を与えるような社会土壌をつくっていく、気運を高めていく。
制度的指標の整備(利益の1%拠出ルールなど)もこの方向のひとつである。

 2.三比主義のような量的指標だが、三比主義の単純な収益オリエンテットとは異なる別の指標を導入する。

 例1.マーケティング会計指標の導入:

この数年の売り上げ・利益に占める新製品構成比で目標化する。

 例2.修正時価総額指標の導入:

単純な時価総額ではなく、いろいろと工夫をして、株価形成の需給ギャップをもろに受けない、ぶれない、客観性のある指標とする。

株価は、企業の実績、成長性、ブランド力、またマーケットの様々な状況を反映した、いろいろなプレーヤーの目論見、期待値で形成される総合指標である。
これを企業評価に使わない手はない。
(例えば、半年、一年、数年の平均株価でみるとか?、同業界平均との乖離、同企業規模平均との乖離・・・など、また、事業の多様性を反映させ集中度、安全度指標を儲けるなどである。)

 D.企業利益の再配分について:その意味とは?

一方、あまり難しいことをいわずに、社会還元をしたらいいじゃないか?!
という論も根強くあるのも事実である。

そこそこの利益でいいから、そんなに儲けず労働分配率を上げたり、協力会社への利益圧迫をせずにもっと支払ったらいいじゃないか?
もっと納税したらいいじゃないか?
という意見もある。
しかし、それは評論家の言うこと。
そんなそこそこで適当なことは、生きた経営の世界の中ではありえないのである。
企業というのは、最大限の経営エネルギーを傾けてはじめて利益は微笑むのである。

そこそこの利益なんてのはありえないのである。

いままでに大企業、優良企業といわれながら、どのぐらいの企業がつぶれてきたか、
を見ればわかる。
要するに、経営は常に気を抜かず、必死に儲けるように経営して、初めて儲かるのである。
適当にやれば、違法をすれば当然の報いとして経営は傾くのである。

従って、結果としての利益から何らかしらの還元を実現していくことが妥当である。

 よくある論は、企業の外形に応じて利益の一部を供出する方向である。
外形(売り上げ、従業員数、資産等)に課税する方向はこの方法の典型的なものである。利益(儲け)に関係なく、外形に課税するのは、企業を疲弊させることにつながりかねない。

 利益の一部を供出する方向が妥当である。

企業は社会の公器なので外形に課税するという方法は一つのやり方ではある。
しかし、企業はサステナブルであり続けるために拡大再生産をしなければならないという現実もある。
いろいろ考えて見ると、利益の一部を供出して、その範囲で社会責任を負うというのが通常の健全な姿のように思う。

但し、利益の社会還元については、政府・自治体の支援が不可欠である。(税制上の経費参入、補助金・・・・・・等々)

 企業は、
雇用により従業員の生活を確保し生きがい・働き甲斐の場を与える、
商品・サービスの安定的な供給をおこない、
納税義務を果たす、

いろいろな責務を負っている存在である。
社会的な責任を負い、かつサステナブルな企業として社会責任を果たしていくためにも利益を確保しなくてはならないのである。


 F.新・経営&マーケティングの視点:(企業ミッションとは何か?)

古典的な「三比主義」を脱し、新しい企業目標をどう考えていくか?
新・経営&マーケティングのミッションをどう考えるか、設定するか、ということになる。

参考までに、別の原稿で発表した新しいミッションの視点を再掲する。

 以下再掲:

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

経営&マーケティングの新しいミッションとは・・・:

端的にいえば、

・生活のスタイル(購入、使用のスタイル)を変えなくてはいけない、ということである。
・供給側の立場で言えば、作り方・売り方のマーケティングのパラダイムを変えなくてはならないということである。

大切なポイントは「5つ」ぐらいになる。

 ■ポイント1:自然環境からの要請

①環境マーケティング:(待った無しのスロー、ロハス的ライフスタイルへの対応)
②再生マーケティング:オークション等、ノミの市、セコハン流通などモノの使用復活、ベストマッチングビジネス・・・)
③節約マーケティング(非在庫、受注生産、もったいない思想・・・)



 ■ポイント2:精神的目標からの要請:脱物質という要請

④幸福マーケティング:(量的満足から、幸福満足へ/GDPからGNHへ・グロスナショナルハピネス)
⑤会話マーケティング:(人と人のつながりを大切にしたコミュニケーションこそ重要)

 ■ポイント3:生活効率、便利性からの要請

⑥非占有マーケティング:
(情報満足-ゲーム、ネットサーフィン、小説、TV・・・
視認満足―タウンウォッチング、ウィンドウショッピング・・・
人間関係満足―出会い、パーティ、家族団欒・・・
等の非占有で満足をえる枠組みの導入)
⑦共有マーケティング:(レンタカー、カーシェアリング、レンタルビジネス・・)


 ■ポイント4.ネガティブな社会環境からの要請

⑧地道マーケティング:(ネガなことの清算をキチント、地道にする。例:高齢化対応)
⑨正直マーケティング:(食品・耐震偽装、アパレル原料偽装などいい加減な対応の排除)


 ■ポイント5.ポジティブな社会環境からの要請

⑩本物マーケティング:(富裕層、高質なものへの本物ニーズへの対応)
⑪公共マーケティング:(収益概念からフリーな分野、社会インフラづくり 例:介護・・・)

以上、今後のマーケティングは、今までの量的なマネジメントではとらえられない次元で、動き出していくことになる。

パラダイムが変わればマーケティングの方法も、マーケティングの目標も異なる。
新しい認識・行動が社会要請にもかなうし、ビジネスチャンスにもなる。

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上、再掲

 単純な三比主義からは脱したいものである。

 そういえばトヨタはROEと同時に環境のCO2排出関連指標を経営の同列におくことを発表した。

この稿終わり




■ 経済・マーケティングのパラダイムシフト、概念を変えよう!?

2008年07月05日 | Weblog


A.まずは、トピックスから:株価低迷の意味とは?

ここのところの12営業日連続(平成20年7月4日)で株が下がり続けている。
いまから54年前に(戦後の混乱期)起こって以来だと言う。
思い返せば、今年の正月明けの株価は、初日としては戦後最大の下げで始まった。

目に見えないところで何かが起こっている。
表面的な理由はいろいろある。(以下)

1.米国発のサブプライムローン問題の影響
(米国の住宅不良債権問題が証券化で世界に拡散している)

2.原油を初めとする一次産品の高騰

3.物価インフレ懸念(生活品の値上げラッシュ)

4.台頭するアジア、とりわけ中国の台頭、
BRIC‘Sの台頭による日本の相対的地位の低下

5.環境問題の足かせ論(CO2削減の苦痛感)

6.国内問題(高齢への福祉・年金、財政問題、教育劣化、犯罪増など)の根深さ

7.遅々として進まない、むしろ後退する政治・経済改革

株価の凋落のハード要因は複合的である。
また、気分的でもある。
即ち、つとめてソフトな要因が横たわっている。

とにかく、全体的に日本に対する気分が萎えている。
ついてないイメージ、しけたイメージなのである。

冴えないものには人もお金もついてこない、ということに尽きる。

投資家でも、外国語ができ国際社会で動くDNAをもっている人であれば、国内に投資するよりは、今伸びている、ユーロへ、BRIC‘Sへ投資したいと思うであろう。

海外へなじみが無い人は、今でも鎖国的に国内に投資はしてはいるが、じくじたる思いであろう。

!!!??? 余談:少し気になることがある。

‘08は世界恐慌の始まりの年になるのでは、といういやな予測をする人もいる。

・一次産品の半端でない高騰が経済を圧迫し、
・食糧のエネルギー転換への投機資金が食糧事情を悪化させ、
・環境問題が経済活動を制約し、社会的・心理的不安をあおり・・・・、

といった具合にいままでにないハードルの高い、ストレスの高い状況をつくってしまっているのである。

どこかで矛盾が噴き出し、パニクルのではという予想だ。


B.日本の状況:悲観的なその状況とは?

日本は、成熟した落ち着いた国に、重要だがローカルな国になってしまった、という感じなのであろう。

バブル前は日本の通貨を国際化しようという動きもあったが、今後はUSドルを凌駕するユーロ(人口も、通貨供給量も米国を上回っている)、台頭する人民元という3つで世界経済は廻っていく感じだ。

日本はかったるく見えるようだ。
とにかく遅い、見えない、という感じらしい。

人もお金も、今の絶対額の大きさよりも、成長していく将来の期待値を買うものである。
元気のいいところに運気が集まる。

日本には潜在力がある、という。

何しろGDP世界第二位の国力がある。
やること、出来ることはたくさんある。
しかし、政策決定ができない、
スピーディに実行できない、
と評価されたようだ。

日本は、一人当たりGDPでは18位で、その額は一位の国の半分以下である。

バブル前は1ー2位だった。

為替の円高の影響も大きい。
もちろん失われたバブル崩壊の10年が大きい。

BIGな国の有り様が出来ていないということである。

日本には1500兆円もの個人資産がありながら、それが有効活用されていない。

生産性が極めて低い。

変なところへ投資されていて、それが不良債権化しているのではとの危惧もある。
パンドラの箱化して、その貸付先の箱を誰も怖くてあけられないような嫌な雰囲気もある。

日本は、今こそ大改革が必要なのだが、その意欲が萎えている。

政治が、政治資金、年金の電子化・名簿確認、防衛汚職へと、

社会・経済が、食品偽装・耐震偽装・アパレルの原材料偽装へと、
後ろ向きな処理へ向かってしまっている。

生きた未来感のある部門へ投資が進んでいない感じなのだ。


C.成熟した国の再生モデル:何かいい手はあるか?

成熟した国が、金融国家へ、新技術国家へ、また観光国家へと向かい、立ち直るように、
日本も新しい立国のヴィジョンを建てる必要がある。

環境技術、ハイテクキーデバイス技術、文化資産・・・・・選択可能な分野はいろいろあるの・・・・・?

例えば、

小さな国型モデル:

アイスランド、オランダ、ルクセンブルグ、フィンランド・・・
小さな国は、必死になって生き延びなければならない。
他人の資源を活用して、自分の得意なことをいかして、他の国の投資を呼び込み生きるしかない。
人財か?、法的な利便性か?、金融制度の整備か?・・・何か得意なことをつくるのである。

アメリカ型モデル:

優秀な頭脳をいれて、技術革新をおこなう。
金融国家として、IT国家として、ハイテクを志向した。
移民を受けいれて人口を増やし労働力を確保し、消費力を維持しつづけた。

イギリス型モデル:

シティーの繁栄。
金融国家として、外資、人財を受け入れた。
ウィンブルドン方式である。
メジャーの試合・場を用意する。
プレーする選手は外人でもいいじゃないか、
大会をプロジュースし、場を提供していくことでイギリスの盟主としての体面は十分維持できるという選択をしたのである。

さて、日本型モデルは?:

中途半端である。

改革・抵抗の微妙な緊張感で大きな舵取りができない。
にっちもさっちも行かない状況である。


D.日本の今後:その方向性について?

日本の現実は厳しい。

一人当たりのGDP考えると、高賃金国家ではない。

国民生活レベルで見ると、昔のように経済大国ではない。
いまこそ、官の効率を高め、民間の技術革新、設備革新を進めなければならない。

民間の活力を高め刺激するために、規制緩和(労働規制、医療、教育・・・)と規制強化(環境規制、不正販売規制・・・)の両方を進めなくてはならない。

法律、規制をいじくるだけで、企業はいろいろと対応しなくてはならなくなる。
新しいチャンスを求めて、新規制をクリアするために、人とお金が動く。
お金が動けば景気が良くなる。
新しいマーケットが出来るということになる。

制度を変える。
規制を変える。
方法を変える。

これが刺激になる。
ソフトなお金のかからないインフラづくりである。

財政逼迫、硬直化の中で、ソフトな手を打つしかないのだが、かなり実効の上がる手である。

経済がこのような状況であれば、国民も生活の仕方を変えないといけない。

そう、生活のパラダイムシフトが求められているのである。

E.マーケティングのパラダイムシフトとは:

さて、ようやくマーケティングの話に戻る。

経済の世界がパラダイムシフトしなくてはならないように、マーケティングの世界もパラダイムシフトが求められている。

端的にいえば、生活のスタイル(購入、使用のスタイル)を変えなくてはいけない、ということである。

供給側の立場で言えば、作り方・売り方のマーケティングのパラダイムを変えなくてはならないということである。

大切なポイントは「5つ」ぐらいになる。

■ポイント1:自然環境からの要請

①環境マーケティング:(待った無しのスロー、ロハス的ライフスタイルへの対応)
②再生マーケティング:オークション等、ノミの市、セコハン流通などモノの使用復活、ベストマッチングビジネス・・・)
③節約マーケティング(非在庫、受注生産、もったいない思想・・・)



■ポイント2:精神的目標からの要請:脱物質という要請

④幸福マーケティング:(量的満足から、幸福満足へ/GDPからGNHへ・グロスナショナルハピネス)
⑤会話マーケティング:(人と人のつながりを大切にしたコミュニケーションを重視)

■ポイント3:生活効率、便利性からの要請

⑥非占有マーケティング:
(情報満足-ゲーム、ネットサーフィン、小説、TV・・・
視認満足―タウンウォッチング、ウィンドウショッピング・・・
人間関係満足―出会い、パーティ、家族団欒・・・
等の非占有で満足をえる枠組みの導入)
⑦共有マーケティング:(レンタカー、カーシェアリング、レンタルビジネス・・)


■ポイント4.ネガティブな、社会環境からの要請

⑧地道マーケティング:(ネガなことの清算をキチント、地道にする。例:高齢化対応)
⑨正直マーケティング:(食品・耐震偽装、アパレル原料偽装などいい加減な対応の排除)


■ポイント5.ポジティブな、社会環境からの要請

⑩本物マーケティング:(富裕層、高質なものへの本物ニーズへの対応)
⑪公共マーケティング:(収益概念からフリーな分野、社会インフラづくり 例:介護・・・)

以上、今後のマーケティングは、今までの量的なマネジメントではとらえられない次元で、動き出していくことになる。

パラダイムが変わればマーケティングの方法も、マーケティングの目標も異なる。

新しい認識・行動が社会要請にもかなうし、ビジネスチャンスにもなる。

‘08年から、マーケティングが変わる???!!!


この稿終わり