正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

落ち着きを持つ秘訣である禅定の「定」

2005-11-21 | 手引書⑦

 「定」とは、私達の気持ちを定めることです。つまり、心を一つの対象に集中して安定させること。心の散乱を静めた瞑想の境地です。
 この「定」は、生活や仕事を安定させ更に大成するには大事なことです。「定」を心がけることにより、「戒」を充実させます。悪道を完全に閉ざします。三大秘法の御本尊様が「戒」と「定」を具え、更に「慧」も具えています。この「戒定慧」を三大秘法といい御本尊様のことであります。御本尊様に御題目を唱えることで心の散乱を静めます。
 変動しやすい現代において、心を安定させることが大事です。心の安定感を失うと、そこから病気を引き起こします。「病は気から」という由縁は、ここから来ております。薬に頼る前に、気持ちの安定をはかることが必要でしょう。心身両面に渡る病気は、心の安定感を失うところからはじまります。
 心の安定を得る「定」は禅定ということであり、日蓮正宗の信心、勤行唱題によって気持ちの安定を保つことが出来ます。心の乱れを静め、あらゆる病を封じ、私達が必ず経験する生老病死という、四苦の働きを弱め遅らせることが出来ます。遅らせることで長生きすることになり、より長く人生を楽しく生きることが出来ます。心の安定を失っては、人生を楽しく生きることは出来ません。安定させるところに「歓喜」が涌きやすくなり、人生を明るくします。
 「本門の本尊」が、世界で最高の「定」であります。御本尊様は御覧の通り、常に心を乱すことなく安定しておられます。私達も御本尊様の心の安定感を得て生活のあらゆる場面に活用することです。そこに我此土安穏という仏国土「常寂光土」が完成されるのであります。
 「定」である禅定・三昧に入ることで「慧」である、人生を優雅に生きる智慧を、御本尊様から頂き易くします。精神が乱れていては、正しい智慧が出ず、反対に邪な三悪道に堕ちる邪智が生まれ易くなります。同じ御本尊様に御題目を唱えていても、気持ちに「定」が出来ているか出来ていないかで大きく別れます。信心で「定」は非常に大事なことです。心の落ち着きが有るか無いかで成仏に大きな影響をもたらします。
 「定」である禅定の種類には、世間的な世間定や有漏の禅定、仏教の初門的な定、無漏の禅定と深くなるにつれ、心の境界に様々な違いがあります。日蓮正宗では御本尊様を受持することで最高の「円定」「虚空不動定」を常に得ることが出来、この心の境界を全ての人が持つことで平和な世界が出来ます。この心の有り難い境界を施すために折伏をします。
 禅定に入ることで、煩悩を断ち、深く真理を思惟する境地に入ります。その境地に入る姿勢が、御本尊様に向かって正座をし合掌する姿になります。禅定を得る姿勢には「結跏趺坐(けっかふざ)」がありますが、全ての人には出来ない坐法(座り方)です。日蓮大聖人の一切衆生を救済するという御精神に反するために、結跏趺坐という坐禅は行わず、比較的多くの人が出来る正座をして禅定の境地を求めます。
 『御義口伝』に、
 「持つ所の行者決定無有疑(けつじょうむうぎ)の仏体と定む、是は定なり」(御書1756)
と仰せであり、御本尊様を持つところに「定」があることを御指南であります。持つということは、信心の実践となる勤行唱題をすることです。