資料室

ディレクターによるコントラクトブリッジの資料です。

ブリッジメイトの機能説明。

2016-06-23 17:55:51 | コントラクトブリッジ

先日、SUS杯で遅刻者を待ち過ぎて、結果的に不参加者があたかも存在したような処理と成り、アベレージ賞の計算に支障をきたしてしまいました。

暫定順位と言うスッキリしない処理に成り申し訳ありませんでした。

ブリッジメイトの端末から、コントラクトを入力する時、”ゼロ”を入力すると、ノープレイとして処理される機能が有りました。

これなら、遅刻者がアベレージではないので、失格にしない時正しい順位やアベレージの算出が行われます。

プレイ出来たボードが少なすぎて失格の場合は、全てノープレイとすれば良いだけで便利な機能です。

ソフト製作者(高橋 克己氏)の周到さに感謝しつつ、記しておきます。


プレイのポイント(6)

2015-10-27 10:41:52 | コントラクトブリッジ

           プレイのポイント(6)

プレイの計画に先立って

 ノートランプコントラクトでは勝てるトリックを

 スーツコントラクトではまずルーザーを

と言った書き方をした教材が多く有りますが、私は誤解を引き起こしやすく、少なくとも

不親切な表現だと考えています。

 

最大のポイントは

勝てるトリックには、今すぐ勝てるトリックとエスタブリッシュ後勝てるトリックが有り

ルーザーには、オポーネントがリード権を得ればすぐに失うで有ろう、(クイックルーザー)

と、すぐには負けないがいずれ負けそうなルーザー(、潜在的ルーザー)

とが有ります。

(13-クイックルーザー)=(勝てるトリック) では無い事が屡々忘れられています。

クイックルーザーについては何らかの処理で少しでもクイックルーザーを減してから

オポーネントにリード権を渡す可能性が有るエスタブリッシュに向かう計画が必要です。

潜在的ルーザーならすぐ負ける訳では無く、オポーネントはそのスーツのディクレアラー

が持っているストッパー(Ace等のハイカードやラフする為のトランプ)を追い出しに来てから、クイックルーザーにする事が出来るわけです。

従って、すぐ勝てるトリックがコントラクト達成に必要な数に成れば、潜在的ルーザー

は勿論、クイックルーザーの数さえ関係有りません。

実際のハンドで各種、トリックやルーザーを見てみましょう。

 

AJx       KQxxx        W  E

xx        Axx         1NT―2H

AQxx      xx           2S―3NT

KJTx      Q9x          4S//

                    オープニングリード:♡K

♡K―♡A―♡X―♡X

この先の計画は?      すぐ勝てるトリックは:5+1+1+0=7

(トランプは3-2として) ♣で生み出せるトリック 2~3

              クイックルーザーは;0+1~2+0+1=2~3

              潜在的ルーザー♦に1

*トランプを刈りきると、♡クイックルーザーが2個に成る

*♡をラフする為負けに行くと、Southが勝って♦をリードして♦にクイックルーザー

 が出来てしまう恐れが有る。

*オポーネントには♣のAceを3回目に取る事でWestのエントリー問題を

起こさせる事が出来るかもしれない。

結構考えをまとめにくい情況です。

しかし、潜在的ルーザーとクイックルーザーとの性格を考えると

このハンドでは、最初の♡Kを勝たせるのが素晴らしい事を見いだせるでしょう。

Nothは自分から♦をリード出来ないので、何を返しても、トランプを2回刈って

♣Aceを追い出しに来られると、5メークを防ぐ手段が無いでしょう。

 

確かに、スーツコントラクトには、短い(或いは同じ長さの)トランプでルーザー

をラフする事が可能なら、ノートランプコントラクトでは不可能なルーザー低減方法が

有りますから、計画の選択範囲は広く成りますが、いずれにせよ勝てるトリックが足りれば、トランプを刈ってから進める安全策が取れるでしょうし、それではトリック不足の

場合は、トランプ刈りの前にラフ、とかクロスラフ等の計画に頼らざるを得ません。

潜在的ルーザーが多いように見えても、ディフェンダーもあちこちのストッパーを打ち破るには、それなりの時間(テンポ)が必要ですから、自分のエスタブリッシュに必要な

テンポとの競争で有る事を見極めて、どこから手を付けるか間違わないようにしましょう。

 *ここまで問題集の表題を拝借して6週間かいてみましたが、又小休止させてください。

  どちらかといえば、何を?? ですから、これまでの記事を含めて質問、要望を

  書いて頂けば対応出来ると思います。


プレイのポイント(5)

2015-10-20 09:58:01 | コントラクトブリッジ

 今日はセーフティープレイです。

10ページではトランプ刈りを中心に例が挙げられています。

但しセーフティープレイに属するのは

3ページのホールドアップ、11ページのアボイダンス も含みます。

一見何の苦労も無く、容易にメーク出来そうなダミーが開かれた時にこそ危険が潜んで

います

通常すぐに勝てるトリックだけでは、コントラクトが達成出来ず、いかにして

不足なトリックを作り出すか考えます。

それがトランプを刈り、サイドスーツを走れば終わり、と思った時にこそ注意が必要です

二人でAKQを含む6-3フィットなら、2-2ブレークを期待する人はいませんが

3-1が当たり前と思い、4-0と判って失敗に気がつくようではいけません。

勿論AKQT9をどのように持っているかによって、全ての場合に対処出来るわけでは

有りませんが、注意深いスタートを切ればどちらかの4枚にはほとんど対処出来ます。

この注意力が20回に1回貴方をトップグループに導いてくれます。

特にチーム戦やPairでもIMP採点の場合オーバートリックの価値は低いので

オーバートリックを犠牲にしてでも、コントラクトをより高い確率で作る、

セーフティープレイの考え方が重要に成ります。

 

主な類型として、5タイプを紹介しておきます。

1)Jが抜けた9枚フィットで4-0ブレイクに備える、手順とリードの方向。

2)QJが抜けた8枚フィットで2ルーザー出さない為のプレイ。

KTXX  と AXXX とが向かい合っている場合、Aを勝ってKに向けて

             リードして、QJ以外が出たらTをプレイします。

             勝てばQJのどちらかには負けますが2敗はしません。

             TがQ又はJに負ければ、3-2ブレイクだった訳です 

             矢張り1敗しかしません。

             QJxxと抜けている場合、1敗もしないのは

             QJがダブルトンの場合だけで、最初のAにQJが

             落ちてこなければ、全勝は有り得ません。

             KTXXの手前にQJXXの場合Kを出してしまうと

             QJの両方に負けます。

 

 

 

3)ハンドのシングルトンスーツをA,Kとリードされると、手拍子でラフしがちです。

しかし5枚スーツのトランプなら、ラフで4枚に成ってしまいます。

5-3フィットでスタートしたコントラクトが、4-1ブレイクの場合、

ディフェンダーと同じ4枚トランプの状態に成ると危険が大きく成ってしまいます。

このような場合

そのスーツを負けておく事で、次はハンドでは無く、ダミーのトランプでラフ出来るような場合

負けても良いトリックを充分確認した上で、ハンドの切り札長さを温存する事を

考えましょう。

4)2♡とOpenしたオポーネントが、♡A、♡Q と続けてきました

貴方は♡⒋のシングルトンです。

ダミーは

KXXXX 2トリック目にKを出してはいけません、ラフ、オーバーラフと成っても1トリック損しています、折角エスタブリッシュしたKはトランプを刈ってから

有効に使いましょう。これほど枚数関係がはっきりしていなくても、ラフされる危険には常に注意すべきです。

 

5)

      754       N  E  S  W

      J53      1D 1H 1S  P

      AK84     2S  P 4S//

      AJ2

                              4S/S と成り、 Wから♡Qのリード。

               貴方の計画は?

      AQJ962

      A42

      Q76

      5

  ♡で2個負けても、後は♠Kに負けるだけで、4メーク出来そうだから

  一刻も早く、トランプを刈りに行こう、なまじ♠Kへのフィネス等しないのが

  安全だろう。

 

 60点位はあげたいが、Wが♠KTXともっているとダウンするでしょう。

 正解は、ほぼダブルトンの♡Qを勝たせる事です。

 これでWから3巡目の♡をリード出来ないので、4巡目の♡をEからリードされて

 Wの♠10が生きる事を防げています。


プレイのポイント(4)

2015-10-13 20:12:28 | コントラクトブリッジ

           プレイのポイント(4)

 今回は、フィネスです。(問題集では9ページ及び12ページ)

フィネスは本来、特定のカードが希望的な位置に有る事を想定して勝てるトリックを増やそうとするカードプレイテクニックです。

1)QJXX <=xxx

2)KX   <=xx

3)AQ   <=xx

4)AJT  <=xxx

5)AQT  <=xxx

6)AQJ  <=xx

 

いずれも 矢印が示す側からプレイしないと勝てるトリックが無くなったり減るでしょう。

その成功率やエントリーが足りるか、等を検討して有力なフィネスを選ぶ事が大切です。

スーツコントラクトの場合ダミーがKQxでハンドがボイドの場合 ダミーのKをリードしてAでカバーされたらラフ、カバーされない場合

何かルーザーを捨てる、仮にAに負けても、次にQで更にもう一つのルーザーを処理出来ます

このラッフィングフィネスと呼ばれるプレイも有力です。

多くの場合、出来るフィネスは全てやれば何個かは成功してトリックが増加します。

しかしスーツコントラクトでオポーネントがリードしてきたスーツの場合

フィネスをした為、そのスーツをラフされる可能性が高い時など、フィネスせずに

勝てるなら勝って、切り札を刈りに行くべき例は数多く有ります。

 

オープニングリードの例

A)AQXXX     JTX  に対して8がリードされた場合、ダミーのAで勝ち

                 トランプを刈る方が良い場合が多いです。

                 特に右側のオポーネントにサイドスーツのAが有る場合、フィネスをした為、Kを取られリターンを

                 ラフされ、Aで渡ってもう一度ラフされる悲惨な 事故も有り得る、トランプの情況にも寄りますが

                 最初にAを上がってトランプを刈っておけば、その後Kに負けても、QやJも勝てるなら

                 フィネスをする理由は少ないでしょう。

 B)Axxx    QjTxxx と持っているトランプスーツの2がリードされた

                 この場合Kxからリードする人は少ないから Aを上がって、シングルトンKが落ちる事を期待します。

もう一つ考慮すべきは、フィネスには

*期待通りの配置なら 負ける事無くトリックが増える形

*期待通りでも、少なくとも一度は負ける形

*期待が外れるとトリックが増えない形

*期待が外れ負けてもトリックは増加する形

*エントリー問題を伴う形、とそうでも無い形

*先に出て来た、アボイダンスを考えた場合やろうとしているフィネスの方向は正しいか

 

等の幅広い条件が絡み合っているはずです。フィネスはそれ自身難しいプレイでは有りませんが、どのスーツを先に試すべきか?

フィネスの方向は正しいか?フィネスをしない方が良いのではないか?

等を検討して方針を決めるのが、貴方の仕事です。


プレイのポイント(3)

2015-10-06 08:24:49 | コントラクトブリッジ

         

今回は エントリーです。(8ページのダッキングも含めます)

ブリッジのルールでそのスーツの最高位のカードをリードすれば、そのトリックを勝つ

事が出来ます。

従って、トランプの関係を除けば、AKQJTからリードを続ければ5トリック

或いは、AKQJTが既にでた後なら、98765も5トリック連勝出来ます。

当たり前に見えますが、あくまでそのスーツをリード出来ればの話で有り、その為に

大切なのがエントリーと言う事です。

この問題については

1.短い方で先に勝つ

  短い方のハイカードが邪魔に成って、エントリー問題を起こさない為の格言。

2.完全なソリッドでないならば、枚数関係を考え、先に負けておく(ダッキング)

3.時にはトリックを犠牲にしてでも、オーバーテークする事で、エントリー不足に対処する。

 

1.はどちらでも勝てると考える不注意が多いので割愛します。

2. AKQ32 と 54 とが向かい合っている時 

    5トリック:36%

    4トリック:84% のチャンスが有りますが両方を試す事は出来ません。

    どうしても5トリック必要なら36%でも幸運に掛けるべきですが

    4トリックでもコントラクトはメークと言うよな場合1回ダッキングする事を選ぶでしょう。

    欲張って5トリックを狙うと、64%は3トリックになってしまいますから。                   

    5-2に限らず5-3,6-2、或いはその他でもハイカードとの兼ね合いで

     ダッキングの重要性は変わります

     詳しくはずっと以前に出て来た、カードコンビネーションを参考にして下さい。

3.AJT98  と Qとが向かい合っている場合、ついQを流すフィネスを併用

  したくなりますが勝たされてみると失策に気がつくことが有ります。

  AJT98のサイドに1エントリーさえ有れば、QをAでオーバーテークしてJを

  続ける事で4トリック取れたのです。若しその1エントリーが無いなら、このスーツ

  に触るのはもっと後で良かった筈です。

 

又間違い易い例では

   QJ2 と A93とが 向かい合っている所へ

 そのスーツがオープニングリードされた場合、このスーツに限って考えれば

 Qをカバーしておけば、直ちに2トリックが確定するのでQをプレイしがちです。

 しかしダミーにエントリーが欲しい又は欲しく成りそうな時は2をプレイして

 刈りに9で勝てるようでもAを上がっておくべきです。

 そうすれば必ずダミーに入る事が出来ますから。

 Qを出してしまうと、Kがどちらに有っても、その後正しく対応されると2度とダミーには

 入れません。

 ディフェンスの立場でどのように対処すればダミーに入れなく出来るか確認して下さい。


プレイのポイント(2)

2015-09-29 07:53:06 | コントラクトブリッジ

 今回は問題集4ページから、トランプマネージメントです。

少しでも系統立って話を進める為に問題集の順番を借用する事としましたが、トランプマネージメントと言えば極めて範囲も広く

4ページ~6ページも広い意味ではトランプマネージメントの範疇です。

 プレイの計画では

1.出来る事ならトランプを刈り上げ、サイドスーツの

エスタブリッシュしたトリックを取る、これが可能なら一番安全です。

 

2.しかしそれでは必要なトリック数を確保出来ない時、トランプを刈りきる前に、短い方のトランプでラフしてから、トランプを刈りに行く。

 

3.それでも未だトリック数が足りない時は、すぐ取れるトリックを勝ち、その後

  両方のトランプでバラバラにラフする事でトリック数を増やす。

 

これらに於けるトランプの取り扱いも、トランプマネージメントと言えるでしょう。

その他にも、ディフェンダーから弱いスーツを攻められて、ラフを強要された場合の処理、対応、も良く出てくる大切なマネージメントです。

通常、ラフせずいずれ出るであろうルーザーを捨てる等でやり過ごし、短いダミーの方の

トランプでラフ出来る体制に持って行きます。

何しろ、このフォーシングラフ(パンプ)によるディフェンスは最も強力なディフェンスです。

特にトランプのブレイクが悪い恐れが有る時は要注意です。

トランプを刈る前にラフをしなければ成らない事が有るのは

刈りきろうとすると、ダミーのトランプが無くなったりラフしたい枚数残らない場合は勿論の事

ディフェンダーがラフをさせないよう、トランプを逆刈りに来られそうな場合です。

   QJ5

   32       4S/S オープニングリード DQ 問題集の問題です

   K765     陥りがちな間違いはトランプのフィネスを急ごうとする事です。

   Q765     フィネスが効けば1トリック増えるかもしれませんが

            抜けてトランプを返されると、慌てて♡を負けに行っても

            3枚目の切り札を持っている人が勝ってトランプを返されます

   AT987    元々フィネスが効いていてもダブルトンKでなければ

   A654     意味の無い事も有り得ます。その点解答のすぐ♡A、♡4と負け

   A8       QJ5で2回ラフする方針は、たとえ♠Kにならオーバーラフ

   A2       されてもメークなので、フィネスより遙かに良い方針です。


再開

2015-09-23 10:27:15 | コントラクトブリッジ

         プレイのポイント(1)

オークションに於いては、不確実な条件の中で可能性と得点の期待値を比べて決断する部分が大きいのですが

プレイでは相当な部分が見えますので、少なくとも確率的な正解が判断出来るケースが多くなり、それらの応用力が技量に繋がります。

多岐に渡る内容で取り纏めが難しいので、“JCBLブリッジ講座 問題集”に於いて取り上げられている、項目の順番に沿って

書いてみようと思います。

今日は第1回なので、”ホールドアップ”です。

ホールドアップとは、勝とうと思えば勝てるトリックを故意に勝たず負けておくプレイの呼び名で

ディフェンダーの間のエントリー問題を有利に展開する事が目的です。

従って、ノートランプコントラクトに限らず、考慮されるべきものですが、問題集では

全て3NTに於けるオープニングリードへの対処という形で取り上げています。

 

それは、ノートランプコントラクでは主導権争いが、大きなトリック数の差と成って現れる事が多いことに起因しています。

ディクレアラーが或スーツのコントロールを失った段階で、ディフェンダーの二人が共にそのスーツを持っているとすれば

どちらに負けても問題のスーツの全てを負けてしまう事に成ります。

逆に言えば、ディフェンダーの一人はもうそのスーツが無い状態に出来れば負ける相手に注意をしながら

計画を進める事が出来るかもしれません。勿論、脅威となっているディフェンダーがその他のスーツのAceのような確かな

エントリーを持っている場合、努力は報いられぬ訳ですが、Aceの位置に期待したりフィネスの方向を特定したりしながら

少しでも成功確率の高い計画を立案して実行するのがブリッジプレイヤーに求められる事です。

 それでは、ホールドアップはどんな時に、どのように、行うのが正しいのでしょうか

*1.まずそのスーツよりももっと危険の大きいスーツや、同等の弱点を持つスーツが

   無い事が条件です。

   オープニングリードはダミーが見える前の推測に基づいてされたものです。

   貴方がホールドアップした場合、オポーネントはダミーを見て、もっと魅力的なスーツへのシフトを発見したかもしれません。

   その様な場合のホールドアップはノーテンポで1トリック進呈した馬鹿げたプレイに成ってしまいます。

*2,何回ホールドアップするのが正しいか、簡略法では

   1ストッパーの場合、7-(自分達が持っている合計枚数)=適正なホールドアップ回数

   2ストッパーの場合、6-(自分達が持っている合計枚数)=適正なホールドアップ回数

   と成ります。

 ホールドアップしようとしても、枚数不足でAceが飛び出してしまう。

 ホールドアップしない方が、2ストッパーに成る可能性が残る。

 ディフェンダーがブロックしている幸運に期待するしか無い。

 等々例外に属する事も有りますが ホールドアップの指針として有用です。

 

  ホールドアップしてはいけない例、を挙げておきます。

 

       A74      Nの1♦オープンから、3NT/Sと成り

       97       オープニングリードは♡2

       KQ8763

       A3       ♡2-♡7-♡Q と成りました。

                ♡は5枚(2+3) 7-5=2 なので

                2回ホールドアップでしょうか?

       T63      Eはパートナーの2を見て4枚スーツからの

       AT3      リードと知っていますから、Qが勝てば

       JT42     スペードにシフトする公算が大です。

       KJ5      そうなると、メジャースーツで4トリック

                ♦Aで5トリック取られダウンです。

 図のHandでは、4枚からのリードと判ったケースですが、すぐ勝って

♦Aを追い出しに行けば、9トリック勝てる状態ですから、♡で何連勝されるか

だけの問題で、ホールドアップして♠にシフトされると,少なくとも1トリック

余計に負ける事に成り、悪くすると2NTでさえダウンさせられるかもしれません。

 

簡略法と但し書きが着いたのは、ディクレアラーが自分のスーツをエスタブリッシュ

させるのに2回負ける場合 2ストッパー有っても

 7-(自分達が持っている合計枚数)が正しいホールドアップ回数と成るからです。

実例を書いておきます。

    A874      3NT/Sに対して ♡4 がリードされ

    973       ♡4-♡7-♡Q と成りました。

    QJ876   先に述べた簡便法では。2ストッパー有るので

    A3      6-6=0 ホールドアップの必要なしと成りますが

            ♦のエスタブリッシュには、AKを追い出す為

            2回負ける事に成りそうです。

    KJ6     ホールドアップしないですぐに勝ち、♦を負けに行くと

    AK5     Eが勝って♡を続けられるかもしれず、この場合

    T954    2回目の♦をWが勝つなら、♡3個、♦2個負けてダウンです

    KQ4     自分の必要とするテンポも加味してホールドアップして下さい

 


迷う事と考える事

2015-08-23 10:57:28 | コントラクトブリッジ

 

上手なブリッジプレイヤーとはどんな人なのでしょう。

ほとんどの人が行かないスラムをビッドして、メークする人でしょうか。

勿論そんなパートナーは頼もしい限りですが、そんなHandは一日で数ボード

残りの40ボードが結果を左右しているのが現実です。

貴方は オープンするかしないかで考え、判断

    ゲームにトライするかしないかで考え、判断

    オープニングリードを何にするかで考え、判断

考えて、判断した、と言う事は、それが二者択一で有ろうと3者択一で有ろうと

有る比率で間違った方を選択すると言う事です。

本来テーブルでは考えないで、自分の用意したシステムや基準で決まっている通り

行動すれば、用意した実力が発揮できます。

結果の悪い状態が長く続くようなら、判断を調整するのではなく、パートナーと

相談して、システムや基準を変更します。

その場で判断すると、もともと避けられないブレの中で悪い方に偏る悲劇が起こるかもしれません、当然ブレは有りますが、これを解決してくれるのは、ブリッジが単独のボード

の一発勝負では無く、多数のボードによる得点の平均を競うゲームで有る事であって

その場で考えたり、思いついたりする事で解決するゲームでは無いのです。

少しでも時間が有ればプレイについて使いましょう。

それとて、充分な時間等有りません

勿論安全第一か、最大得点狙いか、被害最小を考えるのか、情況判断は大切ですが

貴方が習得している色々の形の中で使えるものを思い出せるかどうか、の問題が大半です。

 

オープンする範囲をはっきり決めましょう。

AAKはオープンするのかしないのか、14HCPがMustーOpenなのか

4枚メジャーを含むマイナーOpennは 11HCP~又は12HCP~

今挙げた項目も点数も、どれが良いと言うのでは無く、より多くの事例がはっきり

決まっている事が極めて重要なのです。

決まっていて、常に忠実に守っていれば、自己裁量が加わって巾が拡がる事が無く

パートナーの対応も正確さが増す事請け合いです。


最近の試合から。

2015-08-11 08:15:51 | コントラクトブリッジ

 最近の試合から

 私のHANDは     J98532

               -

               AKQ752

               J

我々のみ Vulのディーラー、充分ルールオブ20を満足していると考え1SでOpen

以下のように進んだ。

            E  S  W  N

           1S  P 4S  ?

ここまでは、4Sがスペードの枚数を示唆しては居るが、HCPについては期待出来ず

自分も酷いトランプなので4Sに満足。

所がここで、Nが4NT、何か訊くとAny2スーターとの説明。

このNのプレイヤーが無茶な介入はあり得ない信頼出来るプレイヤーだったので

考え直す事にした。

Nのスーツは、HとCとでそこそこのHCPもここに集中していそう。

それならパートナーの4Sに

SのAKXXを期待するのも,まんざら無茶ではなかろう。

結論 それいけ6S

全体は          - 

             KJT53

             J93

             AQ853

     AKQT4          J98532

     742            -

     T4             AKQ752

     K42            J

             76

             AQ986

             86

             T976

クラブリードを見つけられずハートリードで7メークは42.5/52

まさに“雉も鳴かずば撃たれまいに!”

オポーネントも信用すべき時が有る!

蛇足ながら、C-Kが無くても6Sはメークするが

C-Kが有れば、7Cは4ダウンだが、無ければ2ダウン、サクリファイスされそう。

(7Hならどちらでも2ダウン)


強敵

2015-07-23 09:09:55 | コントラクトブリッジ

         やりがいの有る戦い。

横浜クラブリーグでの事でした。    N  E  S  W

North Dearer              P 1D 1S 2C

 Both Vul                P 2D  P   P

                       2S  P  P 3D

OL:♠K                  P   P  P//

 

ダミー   42

      AQT

      743

      KJT82

Nothからみて、♡のフィネスは効いているので 3Dに落ち目は無さそうです。

チーム戦なので一休みと言う所ですが、Eastの♠がJTXXなら,3NTが有るかも

そこでオーバーテークはやめて、8、続けられた♠をAceで勝って,♦2を返した

 ♦2-♦Aー♦5ー♦3

 ♦Kー♦6ー♦4     と刈りに来られたので困った。

♡Kオンサイドの3-3らしいので、切り札を刈りきってクラブでスローインされると

♠の無い私は、4メークを阻止出来ない、苦肉の策で2巡目の♦のTを落とした。

優秀なEastはこれを見過ごすこと無く反応して、♦8がSouthに有る事に期待

♠Jー♠Qー♦7  これを計画通り8でオーバーラフした。

結果は体制に影響のないもので有ったし、♡のダブルフィネスは自然としても3-3期待は

あまり良い選択では無いので、♦8に関する偽情報に騙されたEastは良いプレイヤー

だからこその反応と思う。

反応したPlayを選んだEastに拍手と、やりがいの有る戦いが楽しめた事に感謝でした。

全体は

       A8

       832

       T82

       A9763

42           JT7

AQT          J974

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