民主党は、生活(家計)が良くなれば、経済(企業)が良くなる。
自民党は、経済(企業)が良くなれば、生活(家計)が良くなる。
さて、11日付日経夕刊1面に次のような記事がありましたが、これは分からない。
なぜならリーマン・ショック後に「GDPが前年同期比、前期比プラス」と%で示されても、分母である前の数字が崩れまくっているのだから、何がどうプラスか分からない。書いている日経記者も隔靴掻痒だと思いますよ。
第171国会で衆参の予算委、財金委をだいぶ聞きましたが、財務大臣の与謝野のおっさんは本当にペテン師ですよ。数字を理解している上で、答弁はペテン師。あいつを政策通だと思っていた多くの政治部記者は大いに反省すべきだと思います。
というわけで、私はこの記事の元データを金額で読み込んでみました。内閣府のデータから実質原系列データ[Real Gross Domestic Product (original series)]をマイクロソフト・エクセルに取り込んで、カチカチ見ました。
2009年4月~6月期の国内総生産は128兆4551億円となり、前期(1~3月期)比では2000億円増えています。
そして前年同期(2008年4月~6月期)よりは10兆円減っています。厳しいですね。
そのうち、
【家計の最終消費支出】は、73兆5700億円で、前期からは2000億円増えました。これは定額給付金の直接的な効果でしょうが、定額給付金は一回こっきりですから、今後の消費への影響は皆無に近いでしょう。
で、昨年4月-6月期は74兆3000億円。この時期は民主党がガソリン値下げに成功した時期ですので、単価が下がった分が低めに出ています。とはいえ、1年前より7000億円消費が減ったのはかなり厳しいです。
自分の努力とは無関係に恵まれた環境で生きてきた私にも、人生でイチバン、財布が薄いです。
だから、民主党の直接給付が必要です。
たとえば、この1年間で、【民間住宅投資】は3兆6000億円→3兆2000億円、【民間企業設備】は20兆2000億円→15兆5000億円と下がっています。
ですから、国民が自民党を引き続き選んでいたら、自民党はまず企業を立ち直らせる政策をとりますから、企業の収益増→正社員の給与増→従業員の雇用増というサイクルに入るのは、来年以降になるのは絶対的と言っていいでしょう。
【政府最終消費支出】は24兆円台で変わらず。
民主党経済は外需の回復だって、もちろん必要だと考えています。【貿易黒字】は7兆5000億円→3兆6000億円に減って厳しい。しかし、前期(1~3月期)に比べると輸出は増え、輸入は倹約。差し引きプラスです。
もう一度、確認です。
民主党は、生活(家計)が良くなれば、経済(企業)が良くなる。
自民党は、経済(企業)が良くなれば、生活(家計)が良くなる。
で、これ第45回衆院選、マニフェストうんぬんというより、民主党という選択しかなかったことになります。とくに自民党の住宅ローン・贈与税・法人税減税で企業収益の改善を優先していた場合、日本経済はきりもみ状態になって墜落していた可能性もある。
さて、「選択肢がないとはいえ民主党になれば大丈夫?」かというと、まあ大丈夫でしょう。
特に我が国では、住居費や生活必需品が高く家計の自由度が低いうえ、住宅ローンなどで人生設計もがんじがらめの人も多く、消費低迷が生活崩壊につながりかねない人が多い、生活防衛にもろい体質があります。選挙戦で全国を回りながら、突然気づきました。静岡県の人は強いかな。
民主党は控除から現金直接給付の流れを加速します。配偶者控除を廃止し、子ども手当を給付します。このことをうだうだ言う人がいましたが、「黙っとれ!」と一喝すれば十分です。
まずは、現金が直接給付されれば、家計最終支出は畢竟、緩やかに回復すると思います。
私自身、選挙戦中(7月~8月)は日経および国内外の経済記事の読み込みが甘く、景況感が少し弱くなっていたことに、昨日辺りに気づきました(長期金利がずいぶん低くなっていることを知ってびっくりするくらいです)。それをご理解いただいた上で、このGDP速報だけを見た感想を申すと、12月のボーナス回復は厳しいか。とはいえ、子ども手当も来年6月初支給ですからタイムラグがありますね。それと、住宅ローンの返済が厳しい人は「早めの決断」をおすすめします。
くどいですが、民主党の政策は、内需優先(外需も大事!)、控除から現金給付へ。
これしか景気の自律的な回復はありえません。経済政策に限れば、自民党に政権を任せていたら、完全に沈没していたと思います。実態経済は生き物なので、何があるか分かりませんが、これは断言できると思います。