団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

芸能人は聖人君子か

2011-08-24 06:22:58 | Weblog
 島田紳助が暴力団との交際を理由に、芸能界から引退する記者会見を開いた。会見だけでは本当の理由は分からないが、よほどのことがあったのだろう。
 別に島田紳助がいなくても、誰も困るわけでもなく、しっかり稼いでの引退なのだから、本人にしてみれば、万々歳というところか。
 それにしても、芸能界というところは分からない世界だ。確かにテレビという化物の登場によって、芸能人は聖人君子を求められるようになった。芸能界に入る前は、チンピラというのはいっぱいいるだろうが、芸能界に入り多少人気が出るようになると、過去はないものになり、現在の清潔ぶりをアピールして、万人にいい顔をしようとする。
 別にそれが悪いわけではないが、そうした勝手な偶像を事務所も周囲も視聴者さえも作り上げているのが現状だ。
 それが、なにかの事情で壊れる。芸能人ではないが、ゴルファーのタイガー・ウッズなどはその典型だろう。
 かつて芸能は河原乞食といった。まともな人間のすることではなく、人を楽しませて、それでお膳所をもらって生きている特殊な職業の人だった。彼らの生きる場所は、いつも縄張りの中に入ってやるから、地面師との付き合いは避けられない。地面師は地元の顔役がやっていることが多かった。
 それが興行に発展し、その興行にやくざが絡み、地方巡業などは、その筋にあいさつしなければ、興行ができない仕組みができあがった。つまり芸能とやくざは切っても切れない関係になっていった。
 ところが芸能人となって、テレビで全国に顔が売れ、作られたイメージで生きていかなければならなくなると、そうしたダーティーな部分は覆い隠されるが、ずっと細くつながってきたのが実態だったろう。
 大相撲も、やはり地方巡業ではそうした関係が生きていた。それをスパッと切ったのが、八百長の暴露だったろう。
 むろん暴力団との付き合いはいいことではない。ただ芸能界の歴史の中でしかたがない部分もあったのではないか。かつて美空ひばりと山口組の関係がばれたこともあったが、それでひばりの名声が貶められるものでもない。
 テレビはネットやペイTVなどの台頭で、曲がり角に来ている。そこで育った芸能人もやはりそろそろいろいろな意味で限界に来ているのだろう。たぶんもう法外なギャラも出なくなる世界になっていこう。
 そうなれば、芸能人であっても、本音で生きていける時代に入っていくのではないだろうか。バブルが続くような異常な世界が終わりつつあるような気がする。

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