尖閣諸島映像を公開した海上保安官、一色正春氏は「内部処分」など受ける必要がない。特に、馬淵国交相による「映像の厳重管理の指示」が怪しいなと思い、いろいろ調べてみたらようやく見つけた。
■海保庁ずさん 「管理徹底」指示は一部
2010年11月14日7時35分 日刊スポーツ（リンク切れ、見つけたページは自民党中川秀直公式ブログのここ）
尖閣諸島付近の中国漁船衝突映像流出事件で、馬淵澄夫国土交通相（５０）が先月１８日に海上保安庁に指示した「情報管理の徹底」は、庁内のごく少数部署の幹部らだけにしか伝えられていなかったことが１３日、分かった。流出元とみられる海上保安大学校や、関与を認めた海上保安官（４３）が所属する神戸海上保安部などに伝わっていなかった。
一方、保安官の同僚が巡視艇内のパソコンで「数人で映像を見た」と話していることも判明。情報管理の「徹底」どころか「ずさんさ」が浮き彫りになった。
海上保安庁の鈴木久泰長官は今月５日、流出映像について「（馬淵）大臣の指示を受け、責任者を決めて厳重に管理してきた」と強調した。だが海保関係者によると実際、馬淵大臣の「情報管理の徹底」という指示は、海保内で第１１管区海上保安本部（那覇）、本庁関連部署、映像を撮影した石垣海上保安部（沖縄県石垣市）だけに発出された。「管理者を決め、専用保管庫に鍵を掛けて保管するように」との内容だった。
一方、映像流出元とみられる広島県呉市の海上保安大学校や、流出を告白した海上保安官が所属する神戸海上保安部などに指示は伝わっていなかった。流出発覚後の内部調査でも、海保大や神戸海上保安部は対象外だったことが判明。情報管理に加え、調査のずさんさが浮かび上がった。
一方、流出を告白した保安官は警視庁の聴取に対し「同僚が、（保安官らが乗船していた）巡視艇うらなみ内の共用パソコンに取り込んだものを、後から１人で（記憶媒体の）ＵＳＢメモリーに保存した」と話していることが、捜査関係者への取材で分かった。保安官の同僚職員も捜査当局に対し「乗務していたうらなみ内のパソコンで、数人で映像を見た」などと話していることも判明。
また海保関係者によると、うらなみでは、保安官のほかに少なくとも３人が船内パソコンで映像を見ていた。関係者によると、乗員の１人が船内パソコンで海保内のネットワークにアクセスし、資料を探していた際偶然、海保大の共有フォルダーに衝突映像があるのを発見。映像をパソコンに取り込んだ。それを保安官のほか、少なくとも３人の乗員が見たという。
警視庁も既に、海保大の共有フォルダーに９月中旬から下旬にかけての５日間程度、うらなみのパソコンから複数回アクセスがあったことを確認した。ただ保安官はこれまで「自分で大学校の共有フォルダーから入手した」とも話しており、慎重に捜査している。
海保はこれまで「映像は厳重管理し、現在は検察当局や沖縄の海保以外にはない」と説明。だが映像が容易に入手できたとすれば、国家公務員法の守秘義務違反に当たるのかも怪しくなるため、捜査当局は逮捕の可否を検討せざるを得ない状況に追い込まれている。（ここまで）
要点
馬淵国交相が出した「指示」とは、
「管理者を決め、専用保管庫に鍵を掛けて保管するように」との内容に過ぎなかった。
＝
１ その映像が海上保安大学にアクセスすれば、海上保安官なら誰でも見られる状態だったことを把握していなかっただけでなく、そもそもコピーされているかどうかすらチェックしていなかった。
さらに、
２ この映像は「機密である」という指定すら行っていなかった。
なんじゃこりゃあああああああああああああ！！！＃＃＃
こういうケースでは、一色氏が所属していた第5管区も含めて「機密」という指定をしていなかった「管理者」側に責任の100％があるのだから、管理者側である鈴木久泰海上保安庁長官や馬淵国交相、事件が起きたときの前原前国交相、そして自らの諸発言を通してこの「事件」の諸要素に影響を与え続けた仙谷由人官房長官、果ては彼らを監督する責任を負う菅総理大臣がまず責任を負うべきである。
いわば、従来はこのような言葉づかいはなかったが、仙谷官房長官がドヤ顔で言っていた「執行職と政治職」の分類で言えば、今回の責任の大部分は、管理と統制の責任を負っている「政治職」である自分たちの方にある（鈴木長官は仙谷に言わせれば「執行職」らしいので、「大部分」という言葉を使った）。
一色氏から見れば、上司からの機密指定はそもそもなかったのであり、機密指定がなかった以上、その映像を公開したからと言って、海上保安庁の内部処分を受ける必要性自体がそもそも存在しないのである。
あ゛？「空気読め」って？いつから日本は内部処分を「空気」などという全く根拠のないもので他者を罰することができる社会になったんだ？？それこそ頭の悪いネトサヨが連呼する「戦前のあの時代のニオイがプンプンする極めて危険な発想」だなそれは(笑)。
これで、毎日がこの記事で報道していた,
一色元航海士の処分理由について、海保は（１）海上警察機関たる組織の規律に違反した（２）刑事訴訟法で公にしてはならない証拠物と同内容を含む映像を漏えいさせ、社会に影響を及ぼした（３）ネットで短時間に流れ、回収不能に陥った－－と説明。一方で、映像は海上保安大学校のパブリックフォルダーと呼ばれる海保職員なら誰でも見られる場所に５日間掲載され入手可能な状態だったことや、金銭的利益を得ていないこと、１７日に辞職願を提出していることを考慮し、免職を避けた。
＞（１）海上警察機関たる組織の規律に違反した
という理由は全く成り立たなくなる。また、
＞（２）刑事訴訟法で公にしてはならない証拠物と同内容を含む映像を漏えいさせ、社会に影響を及ぼした
これについては以前この記事で主張したように、証拠物としての実質性はゼロであるのだから、これも理由としては成り立たない。単なる形式性だけでどんどん「悪いと思われる容疑者」を有罪にしていくのは、これまた頭の悪いネトサヨが連呼する「戦前の特高並みの暴挙」に他ならない。
したがって、理由の（１）と（２）が成り立たないのだから、（３）も成り立つわけがないのである。
法的根拠もなく、日本の領海を守る貴重な海上保安官をこづき回して退職に追い込むなよバカ政治家どもよ！！
海保の処分、首相が評価 官房長官、自らの責任否定 （日経 10.12.22）菅直人首相は22日、海上保安庁が尖閣諸島沖で中国漁船が衝突した際のビデオ映像を流出させた海上保安官ら計24人の処分について「しっかりした一つの処分が行われたと受け止めている」と述べ、妥当な処分との認識を表明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
馬淵澄夫国土交通相は海上保安庁の処分にあたり、監督責任として給与を一部返納すると発表。「海上警察権のあり方を抜本的に見直す。私の果たすべき責務だ」と辞めない考えを示した。首相は記者団に「責任者として自らを律しられたのではないか」と評価した。
仙谷由人官房長官は記者会見で、仙谷長官自身や首相の責任について「従来の例ではそのような例はなかったように私は思う。従来はなかったということに尽きるのではないか」と否定した。（ここまで）
オイ仙谷よ、ふざけるなよ。「従来の例では責任はなかったから今回の例でも責任はない」という論理はどんだけ頭が腐っていれば出るんだ？？自分たちが空振りしたあの映像の機密の指定が、むしろ日本の国益にとって100％マイナスにしかなっていないということは頭の悪いネトサヨだって反論できないくらい明らかだろ？これこそ行政組織の管理者たる内閣の責任以外の何物でもない。いわば、こんだけアホな「従来の例」などなかったということだ。あったというのなら具体例を出してみろ。
仙谷といい小沢といい鳩山といい菅といい、民主党はどんだけクズばっかりなんだよ。去年の選挙で民主党に入れた衆愚は誰だ？？
最後に、一色氏の名前や顔写真がいくつかのメディアで発表されているが、写真に悪意を感じるので紹介しておく。
選ぶにしたってこれはないだろ？特に毎日新聞。そこで夜のフジテレビのニュースの映像から引用させていただく。
ごく普通の方である。今回の件で根拠もなくこづき回され、最終的に退職なさったことに対して、心からお見舞いしたいし、今後のご健勝とご活躍を心からお祈りしたい。
このニュースの映像で、
レポーター「この件で何かお話ししたいことはありますか？」
一色氏「何もありません」
レポーター「なぜ何もないんですか？」
一色氏「また機密漏洩とかいわれたら困るじゃないですか」
という言葉に、さんざんこづき回され続けたことについての疲れを感じた。本当にお疲れ様でした。
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