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ライブドア、たった63億円で韓国企業に買収される

2010-04-13 08:32:33 | ライブドア関連

ライブドアの株価と発行済み株式数をかけ合わせた時価総額が一番高かったのは
2004年1月で、その額9353億円。もうすぐ1兆円に届くかというところ。

東京地検特捜部による証券取引法違反で当時の社長だった堀江貴文らが逮捕されたのが2006年1月で、このときのライブドアの時価総額が986億円。このとき、ピーク時の10分の1にまで時価総額が縮小したにせよ、まだ1000億円規模の時価総額であった。



そして2010年4月12日、ライブドアホールディングス(LDH)は、その中核子会社を「韓国インターネット大手NHNの日本法人」に「63億円」で売却すると正式発表した。


売却されるライブドア本体自体が、買収や合併を繰り返していた以前のライブドアの企業群全体というわけではないにせよ、ライブドアという企業の価値が、この6年ほどで0.7%程度に減ってしまったということだ。

9353億円  →  63億円


未だに、「あの時の堀江逮捕は東京地検の横暴だ!」などと騒いでいる輩はこの機にばかりと小銭を稼いでいる上杉隆だけでもないだろう(笑)。そんな輩はきっと、「東京地検の不当逮捕さえなければ、ライブドアはこんなに落ちぶれなかったはずだ!」と自信満々なのだろう。

しかし、そういう自信に満ちあふれている堀江信者(それはそれで時代錯誤の天然記念物という意味で貴重ではあろうが)は、はるか昔に当ブログで以下のような記事で紹介した、堀江貴文社長の社長としての無責任ぶりをどれだけ理解しているのだろうか。まさか知らなかったというわけでもあるまいに。

堀江社長は何にがんばっていたのか(前編)(2007.03.16)

堀江社長は何にがんばっていたのか(後編)(2007.03.16)



自分に都合の悪い点は全て「私は人寄せパンダみたいなものだったので何も知りませんでした」と平気で開き直ることのできる人間にそこまで心酔できるのがむしろ気の毒だ。そのペースで新興宗教やネズミ講集団にひっかからないようにと他人事ながら祈りたいくらいだ。


堀江貴文が社会になした貢献はただ一点、近鉄球団の買収を名乗り出たことで、プロ野球12球団制を維持したことだけだ。そこを徹底的に持ち上げる主張ならいくらでも傾聴しようと思うが、

トンネル会社を作って自社株を自社に戻し、
株式分割によって短期的に自社の時価総額が上がる現象を利用し企業買収を重ね、
堀江軍団などいなくても全く問題なく運営できている企業の上前をはねることで「世界一のグループ企業を目指します」などといくら叫んでも、

「あなたの人生ゲームの中でどうぞお好きに、ただし周りを巻き込むのはやめてね」としか言いようがない。


せいぜい、韓国の会社に買収されて、シナジーでも何でもがんばってねというところだ。

NHN Japanがライブドア子会社化「日本最大のネット企業目指す」 (Internet Watch 10.04.12)

株式会社LDH(旧ライブドアホールディングス)は12日、傘下の株式会社ライブドアの全株式10万株をNHN Japanに譲渡し、63億500万円で売却することを明らかにした。同日、NHN Japan社長の森川亮氏とライブドア社長の出澤剛氏が共同会見を開き、株式譲渡の経緯や今後の方針を説明した。


● ライブドアの社名、ブランド、サービス、組織は継続

 会見の冒頭でNHN Japan社長の森川氏は、本来であれば詳細が決まった上で記者会見を開くべきだったが、事前にライブドアの買収が報道されたこともあり、「事業戦略はさておき、ユーザーや法人顧客、従業員に基本方針をいち早く伝えたい」という思いから、この時期に会見を開いたと説明した。

 森川氏はライブドアに対する基本方針として、1)社名、ブランド、サービス、組織を継続、2)現在の運営ポリシーに沿って運営、3)現常勤取締役の留任、4)従業員の雇用を継続、5)さらなる成長を支援――という5項目を「皆様との約束」として掲げ、今回の買収は事業投資で、売却益を目的としたものではないと訴えた。

 また、ライブドアへの印象としては、「ライブドア事件後、出澤社長を中心に技術力でポータルサイトやブログ、データセンターサービスを軌道に乗せた。特にブログに関しては国内トップレベルの位置にいる」として、新生ライブドアとして新たな成長が期待できると語った。

 「ライブドアの独立性を尊重し、サービスの精算も一切ない。これまでは厳しい中、新サービスへの投資が難しかったと察しているが、ブログと並ぶサービスを立ち上げるために資金や技術、人材面で積極的に支援したい。我々の中核事業であるハンゲームとNAVERに加えて、ライブドアを成長させ、日本最良のインターネット企業を目指す。」


● livedoor Blogなどとの連携でNAVERの集合知を強化

 会見で具体的な事業戦略は明らかにしなかったが、ライブドア取得の狙いについて森川氏は、ユーザー同士が検索結果を作り出す「NAVER まとめ」やミニブログサービス「pick」など、同社子会社のネイバージャパンが持つ集合知を強化することだと説明。両社のサービス連携の例としては、 NAVERが活用する集合知をライブドアのサイトと連携することで、検索結果をわかりやすく表示することができると語った。

 「ライブドアには多くのユーザー参加型サービスがあり、ブログやWikiに関しては国内最大規模。これらとNAVERのサービスをゆるやかに連携することで、従来のロボット型検索に加え、新しいナレッジプラットフォームを作っていきたい。これにより、両社のユーザーにも便利な機能が追加され、シナジーの循環が起こると考えている。」

 NHN Japanは累計会員数が3999万IDに上るオンラインゲームポータル「ハンゲーム」も提供するが、森川氏は「インターネットサービスのキーであるゲーム、検索、ポータルの3つを支える高度なネットワークサービスを持つ日本で唯一、かつ最大規模のインターネットサービス企業グループができる」と意気込みを語った。

 「我々はハンゲーム、NAVER、ライブドアにおいて強力なコミュニティを抱えている。今後はこれらのサービス間のシナジーを強化し、ナンバーワンのソーシャルプラットフォームを作り、日本最大のインターネット企業を目指す。」

 なお、ハンゲームやNAVERと、ライブドアのユーザーIDを統合する考えはないという。


● LDHから完全分離で新サービスへの投資やM&Aにも期待

 一方、ライブドア社長の出澤氏はNHN Japanについて、「テクノロジーに強いこだわりがあり、企業文化や組織は非常に親和性が高い」と評価。両社の事業内容も相互補完の関係があり、サービスを連携させることで高い成長が見込めるとした。さらに、経営独立性や事業継続も保証してもらっていると述べ、「経営の土台は変わらない」と強調した。

 また、現在は係争中のLDHと資本上のつながりがあることから、LDHの主要株主らは「新サービスへの投資に対する寛容度が高くなかった」と指摘。しかし、NHN Japanへの資本異動後はLDHから完全分離することで、韓国NHNグループの支援を受け、新規事業の開発やM&Aに加え、日本発のサービスをアジアほか海外へ展開することも視野に入れるとした。

 「これまでは収益を意識した経営をしてきたが、今後は短期的に収益が悪化したとしても、ライブドアもしくはNHNグループの成長につながるサービスを作っていきたい。投資については各方面で拡大していく。今回の資本異動は非常に楽しみで、新しい成長のステージに行けると考えている。」(出澤氏)

 なお、ライブドア取得の経緯について森川氏は、2009年末にLDHからNHN Japanへライブドア売却の提案があり、その後、NHN Japan社内で本格的に検討を開始したと説明。2010年春にはLDHからオークション参加の打診を受け、今日に至ったとしている。

 LDHは12日、ライブドア子会社であるエイシスの株式をライブドアから取得した上で株式会社ゲオに対して19億円で売却することも発表した。LDHは、NHN Japanからライブドア株式譲渡代金として63億500万円を受領するとともに、ライブドアから30億円の配当を受領する予定。

例えばtwitterが民放テレビ・ラジオだけでなく、NHKなどでもガンガンにプッシュされている状況で、仮にライブドアブログが「国内最大規模」だったとしても、一体どれだけのシナジー効果が得られるというのか。

さらに、ライブドアブログやwikiがビジネス面でも本当にパワフルな存在であったなら、売却額がこんなに小さくなるはずもなかろうに。


改めて、こんな会社にフジサンケイグループが買収されなくてよかったよかった。フジサンケイが沈没するとしても、それはフジサンケイとして自律的に沈没すべきであろう。



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