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甲状腺がんは、本気になって探せばけっこう見つかるがん

2012-09-12 18:01:57 | メディアリテラシー・マスゴミ考察

「福島県の子どもが甲状腺がんにかかっていた!そら見たことか!!」とワーワー騒ぎたい人は、以下を落ち着いて読んでからにするのがよかろう。

 

まず、発見のニュース。

 

子どもの甲状腺検査で1人がん 福島県、被曝の影響否定(朝日さん 2012年9月11日23時6分)

 福島県は11日、東京電力福島第一原発事故による健康影響調査の一環で、18歳以下の子どもに行った甲状腺検査の結果約8万人分を公表した。1人が甲状腺がんと診断されたが、甲状腺がんは被曝(ひばく)から最短でも4~5年後に発症しているとして、被曝による影響は否定した。今後、甲状腺に異常が出る人がいないか、生涯にわたって調べていく。

 県は、事故当時18歳以下だった約36万人について生涯、甲状腺に異常が出ないか検査する計画だ。チェルノブイリの原発事故や原爆などのデータから、甲状腺がんは被曝から数年~数十年後に発生すると考えられている。現行の調査は、現状を把握して、今後、健康影響が出ないか、つかむ基礎データとして使う。

 県は11日の県民健康管理調査の検討委員会で、8月24日までにまとまった約8万人の結果について報告した。425人で5.1ミリ以上のしこり(結節)や、2.1センチ以上の液体の入った袋状の「嚢胞(のうほう)」が見つかり、2次検査が必要とされた。このうち、38人で2次検査が終わり、1人が甲状腺がん、27人が良性腫瘍(しゅよう)と診断された。(無料記事ここまで)

 

反原発の旗手を自認する朝日さんが、無料記事をここで切るというケチくささをいかんなく発揮しているので、毎日さんからも引用する。

 

東日本大震災:福島の子ども検査、初の甲状腺がん 原発事故と関係否定(毎日さん 2012年09月12日 東京朝刊)

 福島県の子どもの甲状腺検査で初めて1人が甲状腺がんと診断されたことが11日、県民健康管理調査の検討委員会(座長=山下俊一・福島県立医大副学長)で報告された。同大で担当の鈴木真一教授は「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」などとして、福島第1原発事故との因果関係を否定した。

 昨年度受診した原発周辺13市町村の3万8114人のうち、一定以上の大きさのしこりが見つかった2次検査対象者186人の中の1人。性別や年齢は公表していない。細胞検査でがんと分かった。甲状腺検査は同管理調査の一環で、事故時18歳以下だった約36万人全員が対象。これまでに約8万人が終えた。

 検討委では、40歳以上の特に男性で、肥満や肝機能異常のある人の割合が震災前より増えたことも報告された。避難生活のストレスなどが原因と考えられるという。【乾達】

 

で、甲状腺がんはどのくらい発生しているのかについて、以前当ブログでもこの記事などで何度もお世話になったgarbagenews.comを主催なさっている不破雷蔵さんがさっそくグラフを作ってくださっている。感謝に堪えない。

 

http://p.twipple.jp/qGQP2

 

 

15-19歳で、10万人あたり1人弱。今回の調査対象が約8万人なので、放射線の影響がなくても、探せば見つかるという数字と言えよう。

 

さらに、今年の1月にまとめられたtogetterより。

 

PKAnzug先生による「甲状腺癌は実はその気になって探せばすごく多い」って話。

このまとめを書いてらっしゃる方は放射線科医とのこと。

時間がないので、画像としていくつか貼り付ける。

 

さしあたって続きはリンク先を読み進めていただきたいが、医学書を写メで撮った画像を貼る。

 

以上を踏まえると、今回の検査で、約8万人の福島県の子どもの甲状腺を精密に調べたところ、一人甲状腺がんが見つかった、という事実以上のことも以下のこともないわけで、この事実だけで、この発症と放射線の間には因果関係があるとは全然言えない、ということがおわかりいただけると思う。

 

しかし2chではまたバカが遊んでいる(苦笑)。

 

 

もう「絶対に因果関係はあるんだ!」と思い込みたがっている放射脳(笑)が必死に煽っている。しかも自民党を叩くようなAAって(苦笑)。

 

なんか、放射脳って、ホントにわかりやすいね。単細胞なところが。

 

 



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