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小沢一郎初公判で思い出す「朝三暮四」

2011-10-06 23:28:52 | Weblog

私にとってはいろいろなニュースが重なった10月6日であった。でもやはりこのニュースかな、今日は。

まずは、小沢一郎初公判。とりあえず日テレのニュースゼロとフジテレビのニュースジャパンを見る。

 

ニュースゼロより。事件の構図を簡単に言えば、陸山会の収支報告書の虚偽記載について、検察官役の指定弁護士は、

「(元秘書3人は)小沢氏に関係する重要な問題は全て小沢氏の指示に従い、

小沢氏に独断で事を運ぶことはなかった。

小沢氏も、秘書らが小沢氏の指示を仰がず、また指示に反して行動することを許さなかった。

したがって、陸山会の収支報告書の虚偽記載に関しても、小沢氏への報告と、小沢氏自身の了承があったと言えるわけで、

秘書らと共謀関係にある」

と主張。

それに対し、弁護士側は、

「そもそも小沢氏は、収支報告書の内容について、報告すら受けていなかったものであり、

共謀として刑事責任を負うべき理由もない。ゆえに全面無罪」

と、真っ向から対立する主張を述べている。

 

しかしながら、小沢氏が、「収支報告書の内容について、報告すら受けていなかった」のであれば、なぜ以下のように断言できるのかが全く理解できない。

「私も私の秘書も、有罪と認定されるようなことは何もしておりません!」

 

・・・弘中惇一郎弁護士が述べたように、収支報告書についての報告を何も受けていなかったのであれば、自分の秘書が有罪と認定されるようなことを何もしていないと判断できるはずがないのだが。ましてや断言などなおさらできない。

しかも、その秘書であった石川知裕衆議院議員は、自分の裁判で、収支報告書への虚偽記載について、「全てを合理的に説明できない」ということを認めている。

 

石川被告「すべてを合理的に説明できない」(読売 2011年3月3日03時07分)

 小沢一郎民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、同法違反(虚偽記入)に問われた同会元事務担当者・石川知裕衆院議員(37)ら元秘書3人の第6回公判が2日、東京地裁で開かれ、3被告への被告人質問が行われた。

 登石(といし)郁朗裁判長ら裁判官が、同会が土地を購入した際、石川被告が行った複雑な資金移動の理由について説明を求めたが、石川被告は「うまく説明できない」と述べた。

 同会は2004年10月に東京都世田谷区の土地を購入。その際、小沢元代表から4億円を借り入れた上で、定期預金を担保に銀行から同額の融資を受けたが、融資の利子として年間約450万円を払っていた。

 石川被告はその理由について、「小沢議員から借りたことを明確にしようとした」と説明。登石裁判長が「借用書は作っていますね」「借金とはっきりさせていればいいのでは」などと尋ねると、石川被告は口ごもり、「すべてを合理的に説明できない」と話した。(ここまで)

資金の流れを記入したものが収支報告書であるが、その報告書の記入方法について、全てを合理的に説明できないと、石川被告本人が裁判所で認めているということは、石川被告の供述調書に証拠能力があるかどうかとは全く別問題で、その重さは前者の方がはるかに大きい。だから石川被告は一審で有罪となったのだろう。

にもかかわらず、小沢一郎は以下のようなことさえ平気で言う。

 

 

TBSラジオ国会担当記者、武田一顕(たけだかずあき、通称TKD)も振りかざす理屈である、

「国会議員が検察から捜査を受けることは議会制民主主義を否定するものだ!」

である。

 

だったら、自民党時代の金丸信の脱税事件や、村岡兼造の日歯連ヤミ献金事件の時から同じことを言え。自分が野党に回ったときは、

「政治家は疑われたら自ら潔白を証明すべきだ」

と主張し続けていながら、自分が追及される段になると

「いや私は国民から選ばれた国会議員だ!私を捜査することは許さない!」

と、真逆のことを繰り返し言うのは、ただ国民をバカにしているだけにしか見えない。漢文の「朝三暮四」を地で行く頭の悪さである。

 

さらに、土地購入の4億円の出所を聞かれると、

 

 

・・・その検察が、議会制民主主義を踏みにじっているとさっき言っていたのは誰なんだよ(笑)。4億円の出所だけは検察が信用できるというこの都合の良さ。さすが、自民党時代には最も自民党らしい政治家と言われていただけある。

 

ダメ押しは、どの局でも扱っていた逆ギレ。

 

へ?起訴前は

「私は起訴されていないのだから、何も悪いことをしていない。だから、国会で私は何も説明する必要がない。」

と自ら述べ、検察(行政)の判断を、国会(立法)で自分が説明する必要がない理由として使っていたのはこのヒトである。

 

起訴されるまでは、行政と立法を勝手に混ぜこぜにし、

起訴されると、司法と立法は別だ!と開き直る。

「三権分立」を「さんけんぶんりゅう」とカッコつけて言っておきながら、自己都合で自己矛盾を繰り返しているのはこのヒトである。ここにも、国民を朝三暮四のサルと同一視してはばからない、小沢一郎という人間の頭の悪さが余すところなく現れている。

 

 

いきなりの逆質問で記者をひるませ、答えに窮すると

「だからちゃんとよく勉強して、筋道たてた質問して下さい」

と平気で言えるこの図太さ(笑)。

 

だからちゃんと、筋道立てて、4億円の出所を説明して下さいよ、小沢一郎さんよ。

 

あ、その小沢一郎さん、急病で病院に搬送されたとのこと。救急車で。



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