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テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて37年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

「算数学習の注意点」と「改善記録ノート」の作成意義を確認します

2025-05-26 18:58:02 | 中学受験


 新年度に入り、早くも4か月目を終えようとしています。エデュコ生たちは、それぞれの学年における学習スタイルを受容し、嬉々として通塾してきます。一人ひとりの「予習シリーズ学習ノート」、「改善記録ノート」などを授業前に確認していますが、皆さん、安定度を増してきているように感じます。
 とはいえ、達成感は人それぞれですから、他者との比較ではなく、学習の方法(質)・学習の量において、不断の検証意識をもって伴走してまいりましょう。

 本稿では、4年生から6年生前期に渡る「算数学習の要諦」を、時系列的に簡潔に述べてみることにします。エデュコが掲げる「勉強上手になろう!」は、点数評価ではなく、具体的な作業力の改善を目指すことですから、仮に「躓き」の様子が見られるなら、下記のようなポイントを再認識することをお勧めいたします。
 
 では、きちんとクリアしていきたい項目を、ハードルにたとえて確認してみましょう。
① 第1のハードル…線分図(和と差、分配)
「真に有用な図を書けていない」
…中学受験学習において不可欠ともいえる作図は、4年生時の線分図から始まります。数量の和と差、倍数関係を見える形にしてその有用性を感じられる作業にこだわりましょう。数の大小・量の多少を意識して、より正確な図にすることです。等しい数値は等しい長さにして書かなければ、和と差の関係、倍数の関係などを捉えることはできません。

② 第2のハードル…約数・倍数(素数と合成数)
「理解したつもりでも、実際の問題で正答に辿り着けない」
…子どもたちにとってはやや難解な事柄になりますが、素数の掛け合わせで合成数が成り立っていることに気づいていない子が多いようです。つまり、例えば、最大公約数はこうやって、最小公倍数はこうやって…、という「やり方」を真似することはできても、原理的な理解が伴っていない場合が多いといえます。素因数分解を丁寧にして、最大公約数・最小公倍数の連除法の仕組みの理解にこだわりましょう。担当講師をしっかり味方につけてください(質問ですね)。

③ 第3のハードル…三角形の面積(垂直関係の2辺の意味を知らない)
「公式は知っていても、底辺が「下」、高さが「下から上の方向」でないとわからない」
…そもそも面積は、単位面積となる正方形を出発点としています。多角形の面積は「単位面積の何個分?」となるのですが、垂直関係の2辺から導く面積ルールを意識することなく、隣り合う辺の長さを平気で掛け合わせたりしてしまいます。直角記号にこだわる意識を強く持たせてください。「公式」よりも「垂直関係の発見」を心がけましょう。そのためにエデュコは、自分で作図するスタイルを推奨しています。

④ 第4のハードル…割合(売買損益・食塩水)
「(小さな数)÷(大きな数)=(小数・分数)を倍数とは思えない。」
…「~倍」といえば、大きくエキスパンドする印象を伴っているのが実際でしょう。さすがにこれは、慣れてもらう以外にありません。「~倍は小さくなる場合も含まれる」という経験を積ませましょう。つまり、エデュコがお勧めする、小数・分数を扱う計算教材で感覚を磨いてください。
 また「抽象化された割合」と「具体的な数」の混合を整理できない、という「躓き」も多く見受けられます。この二つの数値を区別するために、割合数字には「倍数記号」をつけることを習慣にしましょう。

⑤ 第5のハードル…速さ(進行図・グラフ)
「速さの3公式は知っているのに、解けない」
…多角形の面積と同様に、単純な公式にあてはまる問題はないのが実態です。よく見受けられる「比例・反比例の簡便図」だけ示しても答えにはたどり着けないでしょう。問題文に示されたストーリーをしっかりくみ取ることが不可欠です。
 そのためには、ストーリーを形にする「進行図」「グラフ」をより正確に描くことを心がけましょう。この効果は、ただ正確な問題把握に止まらず、「解法の糸口」に気づくことができるものです。授業の「(時系列記号を含む)実践的な作図の要領」を習得してください。

⑥ 第6のハードル…比(比をそろえる)
「どうすれば『比』をそろえられるかわからない」
…わからないから、とりあえず図や表を作成します。そうしてはじめて、比のそろえどころに気づかされます。和が一定、差が一定、どれかが共通、どれかとどれかの割合指示など、図や表にして比のそろえどころに気づくことになるでしょう。

⑦ 第7のハードル…比の応用(速さと比・図形と比)
「抽象的な比と具体的な数のすり合わせができない」
…これも第4のハードル(割合)と同様、解法記述に「比記号」が見られず、混乱していることが原因と言えます。一般的な解説書の式などには比記号などは書き込まれていませんから、「分からないまま物まねだけをしている」ノートを多く見受けます。進行図や図形の各辺に比記号を書き入れる習慣をつけましょう。つまり授業流です。

⑧ 第8のハードル…図形の移動・点の移動(直線的な移動と回転移動)
「図を書いても答えられない」
…最も多いケースは、図が正確でないことです。移動あるいは回転途中の図、結果の図、というように、「動き」を意識してください。正確な図を描いたうえで、規則を発見してグラフ化できたり、周期に気づいたりできるものです。

⑨ 第9のハードル…場合の数(場合分け)
「順列・組み合わせの違いは分かっていても、正答に至らない」
…中学受験の「場合の数」問題は、結構間違いやすいものです。単純な順列公式、組み合わせ公式で処理できる問題は皆無と言っていいでしょう。公式を理解・暗記する力ではなく、具体的な「場合分け」の思考を伴わない限り、問題解決にはつながりません。さらには、その場合分けも漏れのないように規則的に行うことを求められます。
 まず具体的な場合分けで「調べ」を行い、理論で計算を完成させる手順を心がけてください。

 以上、子どもたちが「躓き」がちな、主な個所をあげてみました。いずれも、当たり前なことですが、実践は簡単ではないように感じられることでしょう。
 決して難しくはありません。「改善記録ノート」で授業解法を忠実に「再現」することで、上記のような解答スキルが自然に身につくと確信しています。「もう1回やったらできた!」ではなく、「その考え方分かった。その解き方再現できる!」と言えるようになることを狙いにしています。
 いわゆる「演繹法(公式化された論を具体例へ適用)」ではなく、具体的な調べから規則・解法を見出す「帰納法(具体例から公式の意味理解)」的な学習で、子どもたちに「自信」を獲得させたいというのがエデュコ流です。
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32期生 素晴らしい経験だったね。おめでとう!

2025-02-17 13:39:06 | 中学受験


 エデュコ32期生たちの駅看板用の写真撮影が終了しました。各期の受験生たちが、「エデュコ納め」として集まるイベントです。受験生57名中(1名が海外転居となり58名から57名へ)体調不良の3名が参加出来ませんでしたが、希望される54名の参加をいただき大いに盛り上がりました。保護者様のご来校も多く、まさに三位一体で取り組んだ営為の成果を共有できた場となりました。親子ともに達成感を漂わせる満面の笑みでいらしてくださったことは、嬉しい限りです。

 こちらは「合格校一覧」・「合格者氏名一覧」を用意し、教室内に「合格短冊」を貼りだして待ちました(33期以降の方には2月17日から配布予定です)。貼りだされた自分の名前を確認するその表情には、「喜び、達成感、安堵…」様々な感情が浮かび上がっています。素晴らしい経験だったね。おめでとう!

 子どもたちに増して、感慨深い表情だったのは保護者の方々です。壁に貼られた我が子の合格者名短冊を何度も見返されていたのが印象的です。それは、親業としての中学受験活動の総括でもあるからです。おめでとうございます(親業の充実感を実感させてくれる入学式がまっています)。

 いよいよ写真撮影の時間、エデュコの方針は、もとより「フェア」であること、不揃いな身長といえども、立ち位置は「抽選」です。「嬉し・恥ずかし・ドッキドキ」、終始笑いに包まれて撮影は終了しました。3月から1年間、ときわ台駅・志木駅で「エデュコの顔」として頑張ってくださいね。よろしくお願いします。

 写真撮影終了後、「合格校一覧」・「合格者氏名一覧」を配布しました。同じ学習を続けてきた同期の仲間の頑張りを確認します。同じ楽しさ、同じ苦しさを経験した仲間の成功を、素直に自分事のように称え合っていました。共通理解をもった仲間たちです。心から、「おめでとう!」と言い合えましたね。

 「受験体験記」への寄稿も、本人、保護者様とも届き始めました。保護者様の体験記には、「成長を感じさせられた」「勉強上手になった」という件が目立ちます。そして、異口同音に「ここまで成長してくれた我が子を、誇りに思う」という感情があふれています。
 32期生は、私の立場から見ても「とても幼い集団」から「直向きに、健気に、走り続けた、愛らしくも強い集団」に変貌したグループと言えます。

 新しい制服に身を包み、中学生となってエデュコにくる日を楽しみにしています。「やり遂げられた自分」に誇りをもって、突き進んでください。
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中学受験に失敗はありません、思い切り自分を試しましょう!

2025-01-25 19:34:28 | 中学受験
 

 エデュコ32期生も1月校入試を終え、2月校入試を迎えます。今年の1月校入試では、特に、エデュコ生の多くが受験した開智所沢中等教育学校の人気がすさまじく、例えば、特待A入試の実倍7.4倍(前年3.0倍)、算数特待の実倍14.1倍(前年1.6倍)となり、予感はあったものの、少なくないエデュコ生が困惑しました。

 このことで、再受験を余儀なくされるエデュコ生も多く出たのですが、本番入試での合格・不合格それぞれを体験できたことは、エデュコ生の意識を大いに高め、2月に向けた意気込みの形成に資する結果になったと評価できます。みんな、引き締まったいい顔になってきています。

 エデュコ内の雰囲気はと言えば、冬期講習終了後から毎日、社会人を含む卒業生たちがかわいい後輩たちの激励に来てくれています(エデュコからお願いしたことはありません、自然発生的なエデュコ族の伝統と言えます)。特に、制服姿でやってくる現役中・高生たちが話しかけてくれる際には、32期生の目も輝いています。

 自分の第1志望校の先輩が話しかけてくれる時には、目を輝かせて見つめ、第2志望・第3志望校にあたる先輩の声がけには、安心した表情を浮かべながら見つめています。
 「第3志望で入学した私だけど、今の学校をものすごく好きになり、誇りを持っています。だから、みんな来てね」、とても勇気づけられる激励です。成功体験を誇るのでなく、受験時の自分を回顧し、居ても立っても居られない気持ちで来てくれているのでしょう。私の立場とすれば、嬉しくて仕方がありません。

 1月校の受験体験、先輩たちからのリアルな激励、過去問演習での手応えなどが相まって、32期生には適度な緊張感が漂っています。いつもの繰り言ですが、「中学受験に失敗はありません」。不合格にペナルティはないのです(誰からも怒られません)。中学受験をできる立場に感謝して、「どこまで頑張れるか」「どれくらい変われるか」思いっきり自分を試してみましょう。

 そして、私たち大人はどんな結果が出ようとも、子どもを守り勇気づける姿勢を貫きましょう。
 新年度の学習カリキュラムが2月3日(月)から始まりますが、現3・4・5年生にご理解とご協力をお願いし(3日・4日の授業は動画配信)、エデュコスタッフも2月1日から2月4日まで「受験」を最優先にして伴走します。
 32期生の皆さん、入試期間中に不安を感じたら、エデュコに来てください。家族・私たち、みんなで支え合って頑張りますよ。合格を楽しみにしましょう!
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みんなで「合格を楽しみにして」走り抜けましょう

2025-01-07 20:26:32 | 中学受験


 エデュコ32期生が冬期講習を終えました。原理的に言えば、事前の準備として「一人ひとりが、できる限りのことをやった」ことになります。もちろん、傍目には「あれが足りない。これも足りない…」と映ることでしょう。

 私の立場から言えば、11・12歳の子ども各々が健気に前を向いて、入試を迎えられること自体を、とても嬉しく思います。エデュコ32期生も、4月以降の「退会者」は一人も見当たらず、4月度の6年生58名から、1月度も58名で終えることになります。「厳しさ」ばかりが話題になる中学受験ですが、全員が自己否定することなく、中学受験活動を終える目途がついたことを嬉しく思うのです。

 それは、保護者の皆さんが「子どもを追い込まず、鷹揚な姿勢で見守っていただいた賜物」、「エデュコ流に賛同し、信頼を寄せていただいたおかげ」、と言っていいでしょう。感謝申し上げます。共通理解を作るための「保護者会への参加」、「個人面談」でのすり合わせ等、積極的な「親業」に敬意を表します。

 あたり前と言われればそれまでですが、雨の日も風の日も小走りしながら、笑顔で教室に駆け込んでくる子どもたちの姿からは、大いなる元気をもらいました。そして、「勉強する理由って、なんだろう?」という問いに対して、「どれ位がんばれるか、どれくらい変われるか、経験すること」、と答え続けてきました。
 一人ひとりが、輝きながら成長しています。勝ち負けではなく、どの子にも「自分を好きな子」になってほしいと願っています。

 いよいよ1月10日から、埼玉県内の中学入試が始まります。持論ですが、「中学受験で失うものはありません」。合格をもらえれば、「自分の努力で自分の道を切り開いた」、という確かな自信の獲得になり、たとえ不合格でも「自身を改善し続ける経験」になります。「手を挙げて行動を起こす」積極的な経験は、どんどん積ませていいでしょう。不合格を恐れず、合格を楽しみにして立ち向かっていきましょう。

 私たちエデュコスタッフも。心を込めて応援します。一緒に走り切ります。朝一番の電車の音が聞こえ始める頃、エデュコ生たちが「約束の場所」へやってくる姿を想像しながら、毎日、家を出ます。待っていますよ!
 みんなで、「合格を楽しみにして」走り抜けましょう。
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32期生 「合格」を楽しみにして「改善」に取り組みましょう 

2024-09-27 14:38:33 | 中学受験


 エデュコ32期生たちが、志望する中学の「過去問」に取り組み始めました。毎週「1試験回」の問題に取り組み、ノートとともに「過去問演習記録」を持参して、その様相を担任講師に報告します。
 得点状況はといえば、「とてもリアル」で、例えば、合格基準点が60%前後の学校の場合、40%~50%に止まる報告になっています。「とてもリアル」とは、コーチの立場から見て「嘘偽りのない」現状報告で、順調に「改善」を重ねていけば、4か月後には合格点を超える展望が開けていると言っていい状況ということになります。

 各学校にとって入試問題は、経年的にみて「ブレ」のない、一貫した「選抜機能」を備えたものでなければなりません。つまり、出題領域・設問構成・解答様式などが一貫したものであることが求められます。
 だとすれば、それらの要件に「慣れ親しむ」ことが最も効果的な学習方法となります。「あれができない、これができない」と、モグラたたきの如く「闇雲に頑張る」という学習スタイルでは、展望が開けるとは言えないでしょう。
 過去問の「改善」こそ、「的を射た」無駄のない効果的な学習ですから、「改善」にはしっかり時間をかけてください。無論、すべての問題を「できる」に変える必要はないわけで、得点率で合格基準点に20%ポイント上乗せできる位を目安にして取り組んでください。

 ところで、立ち向かう気力はあるものの、「改善点」が合格基準点+20%ポイント(解説を見てわかる問題)にできなければ、合格の可能性は薄いとみられます。入試問題が「ブレのない、出題領域・設問構成・解答様式」である限り、突然に相性のいい問題へと変化することはありません。
 このような場合、受験校変更の検討も余儀なくされます。誤解が無いように言えば、「偏差値の低い学校への変更」ではありません。同じような偏差値帯にある学校でも、入試問題は学校ごとに異なるわけで、担当講師を交えた検討をお勧めします。
 さらに念のために、受験校の決定に関しては、第一に「各学校の運営哲学」と「ご家庭の教育哲学」が近似している学校であること、第二に「わが子が嬉々として通い続けられる予感」を持てること、そのうえで第三に「得点戦術において優位に立てる」ことなどを勘案する必要があります。この第三の点に関しては、エデュコスタッフと相談してください。

 改めて、2月1日までの期間を逆算すると、残り120日余りになりました。大丈夫!ここから十分合格の力をつけられます。6年生前期までの断片的な学習で得た知識・思考力・技能を統合するのはこれからです。過去問演習に対して直向きに取り組めば、それらの要素が有機的に結びつき、確かな理解・確かな解答能力として結実するでしょう。
 標準的なテスト形式に照らして言えば、算数なら毎月正解1問の積み増しを目指して4か月で計4問(5点×4個で+20点)、国語なら選択解答2問と記述解答1問(5点×2+10点×1で+20点)、理科なら4分野で5問(2点×5で+10点)、社会でも3分野で5問(2点×5で+10点)、合計60点を積み増しするとイメージすれば、実現可能と思えますね(もっと積み増しできる人もいるでしょう)。言い方を換えると、毎月各教科正答1問ずつの積み増しです。

 「楽しみのある努力」は苦痛ではありません。合格を楽しみにして「改善」に取り組みましょう。「合格」は見えてきています。
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