リカルデントをかみながら

社会人受験生のブログおわりました。

医学部不正入試について

2019年06月08日 01時42分30秒 | 病院・歯科

東京医科大学をはじめとする、医学部不正入試について、高齢再受験で面接で落とされた経験をもとに見解を述べます。

まず、この問題の端緒は東医大が厚労省の役人の息子の裏口入学の斡旋をしたことだったことを忘れてはいけない。

厚労省がその事件の矛先をそらすために大学側に非難の目を向けるべく問題をすり替えている。

それとはまた別に、女性であることや多浪・高齢であることで一律に試験の点数から減点し、差別しているという問題が明るみに出て非難されている。

正直、ほぼすべての医学部受験生が、女性であることや多浪であること、高齢であることで入試に何かしら不利である大学があることは重々承知している。

特に自分は高齢だったので、高齢に不利な大学はネットの情報を元に避けた。

例えば2ちゃんねるで調べれば一覧表になっていてすぐにわかる。

信憑性については、信じるか信じないかは自分次第だけど。

女性に不利な大学も、自分は女性じゃなかったから調べなかったが、調べればうすうす感じるはず。

自分が某国立大学に面接で落とされたとき感じたことは、「この大学は自分を一人前に育てる能力がない」「自分はこの大学や県に必要とされていない」だった。

大学医学部はそれ以外の大学学部と同じに考えてはいけない。

俺は文系の大学を出ており、その後医学部を出ているのでその違いを論じるのに適任である。

医学部は医師養成専門学校である。一人前の医師に育て、社会で活躍させる義務がある。

一方、ほかの学部はそんな義務はない。

例えば俺がはじめに卒業した心理学科は、一部の卒業生はその後大学院に進みカウンセラーの資格を取るが、学部自体はカウンセラー養成専門学校ではない。

大学院がカウンセラー養成学校と言える。

医学部は社会で活躍する医師としての能力を身につかせるのが義務であり、受験生はその能力の指標となる医師免許取得を目指して医学部を受ける。

医学部受験の目的は、学力をはじめとする医師になる能力があるか判定するとともに、自校がその人物を医師の卵にまで養成する能力があるか、自校の医局に貢献してくれるかを判断する場でもある。

「うちは馬鹿を受け入れてマンツーマンで医師の根本をたたき込むので人件費、学費が高いです。なので親御さんが金持っていない学生を受け入れることはできません」は成立する。

「自校は教えるのが下手なので、体力とポテンシャルのある若者しか医師免許を取らせる能力がありません」も成立する。

「我が県は医師の数が少なく、また魅力がないので卒業生があまり残りません。なので地元の人を優先しますし、長く働ける人も優先します」も成立する。

「我が校はノーベル医学生理賞を取る人材を募集しています。なので人格は無視して研究に没頭してくれる人を受け入れます」も成立する。

「うちの医局は僻地医療の担い手が少なくて関連病院に医師を派遣できなくて困っています。これらに従事してくれる人は優先します」も成立する。

これらを総合すると、若い男性が優遇され、また寄付金を多く出せる人を優先することになる。

一般的に、若い方が医師として働ける年限が長い。

一般的に男性の方が内科や外科を専攻しやすく、楽な科を選ばない。

一般的に男性の方が僻地の関連病院に行ってくれやすい、行かせやすい。

 

とはいえ、今までがそういう傾向だっただけで現状がベストなわけではなく、例えば女性がマイナー科を選びがちな理由が外科的なことをしたくないわけではなくて外科的な生活がライフワークバランス的に厳しい場合は、外科が今までの待遇を改める努力をするべきであり、そうすることで女医の獲得を目指すべきである。

その努力をせずに差別だけを漫然とするのは間違っている。

2019年の入試から女性や高齢であることの差別に対して世間の目が厳しくなるだろう。

それは医療界によいことかは疑問。

まとめると、医師養成専門学校である医学部では、純粋に学力だけが判断基準ではなく、最低限の学力を持っていればあとは各大学のニーズ(性別、年齢、体力、金力、学力、人格)に合わせて採用を決めればいいと言うこと、今の世の中ではそれを募集要項にきちんと書くべきと言うこと。しかし、一億総活躍社会を目指すためには、現状に妥協せず女性がマイナー科を選ばざるを得なくならないような社会システムを作るべきであること。

コメント (4)
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