シノワレコード

女性Vo60sサイケガレージ的Indiepopバンド"シノワ/shinowa"のGtヒラタによる色々レビュー&世間の話題

2005年シノワ再発アワードへの道 ~最終章・大賞発表!

2005年12月30日 | 米サイケ・ガレージ
 アーニーを捜索する旅も最終章をむかえた。

 ここでまだまだ調査としては不十分感は否めないが、捜索結果を緊急レポートしよう。

 アカルマからリリースの『An All American Emperor』、『confusion』、『South East Tour』のうち、当時正式にリリースされたのは『confusion』だけであり、他のアルバムは未発表やリリースされなかった音源をコンパイルしたものだ。

 このすべての音源は「ALL AMERICAN RECORDS」というレーベルからのもので、いわゆるカリフォルニアのインディーレーベルにあたるようだ。ここのオーナーはBILL HOLMESという人物で、なんとストロベリーアラームクロック(以下SACと略す)のマネージャーであり、ストロベリーアラームクロックの1st~3ndアルバムのプロデューサーである。

 SACの前身は「THEE SIXPENCE」というバンドであることはよく知られているが(こちらもアカルマから再発されてます)、このバンドのシングルは「ALL AMERICAN」からリリースされていた。
 SACの大ヒット曲「インセンス&ペパーミンツ」は、当初はTHEE SIXPENCE名義でALL AMERICANよりインディーリリースされた。それがラジオでローカル大ヒットしたので、メジャーのUNI RECORDSに目をつけられ(このレーベルもまたカリフォルニアにある)、バンド名をSTRAWBERRY ALARM CLOCKとし、音源はそのままにリリースされることとなったようだ。
 
 ジャイアントクラブの2nd『Cool It Helios』でSACの曲をバックにナレーションをしている人物、Johnny Fairchildは、地元ラジオ局のディスクジョッキーで、SACとジャイアントクラブを相当オンエアでひいきにしていた人物だと推測される。彼らが売れたのもこのJohnny Fairchildの功績が大きいようだ。
 SACの1stアルバムのジャケット裏には、彼の写真入りの推薦文がのせられている。

 そして、ジャイアントクラブ時代を含むアーニーの全音源は、このBILL HOLMESのプロデュースである。 
 プロデューサーも一緒なら、エンジニアも同じだ。
 エンジニアはPAUL BUFFという人物で、ザッパ人脈の人のようだ。リンクから是非に彼のHPをご覧ください。


 今回のアーニー追跡の旅の第四章で登場した「Greg Munford」という人物は、SACの「インセンス~」でメインボーカルをとっている人物なのだ。彼はSACのメンバーではないのだが、彼がSACのレコーディングに遊びに行った時、詳しい経緯は忘れたが、なぜか突如メインボーカルを歌うことにになってしまったという話を聞いたことがある。彼は『An All American Emperor』の音源に参加しているらしいという。
 彼は「CRYSTAL CIRCUS」というバンドを結成しているが、このバンドのアルバムはテストプレスのみで、サイケの超メガレア盤として伝説化していたようだ。なお「Indescribably Delicious」というバンドにも彼は加わっているが、これもALL AMERICANからのテストプレスのみらしい。彼は呪われてるのか?

 また、ALL AMERICANのBILL HOLMESプロデュースのバンドには「BIRMINGHAM SUNDAY」というのもあるが、これは数百枚くらいのリリースだったそうだ。
 これらALL AMERICANの「お蔵入り」を含むSAC兄弟音源をアカルマが再発してくれて、ALL AMERICAN音源のすごさがわかるようになった。上記バンドはすべて再発されてて、非常に素晴らしいアルバムばかりである。こういう音源の一つとして、今回のアーニーの一連の音源もリリースされたというわけだ。
 まさに伝説の名レーベルである。

 うちにSACのファンジンがあったので、読み返してみたら、SACのベースさんのインタビューのなかに、オールアメリカンのレーベルメイトで一番仲がよかったのは「GIANT CRAB」で、一緒にツアーで回っていたという記事を発見。この両者は同じオールアメリカンを母体にして、そしてメジャーレーベルUNIからアルバムリリースした仲間だったということですね。
 ストロベリーアラームクロックファンは、もう何が何でもジャイアントクラブを聞かないといけなくなりました。

 ジャイアントクラブの作曲陣であるが、こちらも調べてみると結構すごい。
 ブログ第一章でもお伝えしたが、chocolate watch bandのmisty laneを書いた、Martin Siegel、そして、クラシック畑だがポップ界にも曲を提供していたClaus Ogerman
そして、AMERICAN BREEDの「BEND ME SHAPE ME」の作者チームである「Larry Weiss-Scott English」などが曲を提供していることがわかった。
 これらは日本でいういわゆるソフトロック系の作曲陣だ。

 こんなアルバムがハズレなわけない。
 
 さて、そこで・・・・・・・

 このジャイアントクラブの1st『A Giant Crab Comes Forth』と2nd『Cool It Helios』ともに、めでたくこの2005年に再発されたというわけだ!
 スペインのマイナーレーベルからの再発なのであまり売ってないのだが、ディスクユニオンなら入手可能。

 完全な出来レースだったが、ここに2005年シノワ再発アワードの大賞を発表することにする。

 大賞は・・・・・・・・・・・「GIANTCRAB」!!!!!!!!
 オメデトチャ━━━━( ´∀`)━━━━ン!!!!

 1st『A Giant Crab Comes Forth』の8曲目に収録されている「I ENJOY BEING THE BOY」はドリーミーなポップサイケの本気で最高峰だ。永遠のフェイバリットソングとなった。

 今回の旅の始まりであった『ALL AMERICAN EMPEROR』の音源と、GIANTCRABの2nd『Cool It Helios』の音源ダブリについて、ギターソロを強調したミックスに変更されていたりまだ不明な点か多い。また改めて検討したい。

 なお、ジャイアントクラブのメンバーは
 Ernie Orosco(Vo&G)、Raymond Orosco、Ruben Orosco、Dennis Fricia、Kenny Friciaとなっている。
 名前からするにアーニーの兄弟が二人いるので、アーニー兄弟を中心としたバンドっぽい。
 このうちRubenはビッグブラザーのベースのルーベンジェッツのことだ。

(フィナーレに続く)


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