oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

少年よ、オレゴンで大志を抱け?

2005-10-28 | "Green"
いつものコーヒーショップにいます。さっきB. E. Kingの『Stand By Me』がかかっていたので思い出したのですが、この町は、日本では1987年に公開された同名の名作映画の撮影基地になったところです。少年4人が死体探しの旅に出て野山を歩き、さまざまな困難を乗り越えながら友情を深め、人間的にも成長するっていうような話だったと思います。

『Stand By Me』と似たような設定の映画が、去年アメリカで公開されました。実際の撮影はニュージーランドで行われたようですが、映画の舞台はオレゴンです。コメディーで、幼なじみの青年4人が登場し、そのなかの1人が28歳くらいで亡くなったとき、残りの3人がその男の遺品の中から宝のありかを示した地図を見つけ、その宝をみつけに山の中に冒険に出る、という話でした。

少年や青年が自然の中に冒険に出て、様々な困難を乗り越えながら成長する、というテーマは、シンプルライフ志向とも密接に関係しています。特に100年ほど前の世転換期、都市が発達し、中流階級以上の子どもが都会の中で快適な生活を送るようになると、そんな子どもは---特に少年は---軟弱になるのではないかと、アメリカのエリート層は心配し始めたのです。20世紀のはじめには、イギリスをまねてアメリカでもボーイスカウトができ、都会の少年を意識的に自然の中に送り込むようになりました。「自然の中で鍛えてこいっ」てことでしょう。今でも夏休みなどに、国立公園でのキャンプに都会の子どもがよく参加しているようです。

アメリカは、技術や科学の進歩の結果としてうまれた「都市」を国の誇りとしながらも、その都市が住民に与える影響は好ましくないのではないかという、「都市」に対して矛盾する感情を抱いていたようです。ボーイスカウトのほかCountry Life Movement (田舎生活運動)やArt and Craft Movement (芸術と工芸品運動)など、急速に進んでいた産業化や都市化に対抗してシンプル・ライフに対する興味が中流以上のアメリカ人の間で高まったのも、不思議ではありません。

こうしてみると、オレゴンというのは、少なくともハリウッドにとって、少年や青年を自然の中で鍛えるのには最適な場所だということでしょうか?まあ、わからないこともないですが・・・。

(写真は、下宿先から自転車で3分ほどの所にある、川べりの公園です。オレゴンは秋真っ盛り。自然の中にいると、確かに癒されます・・・)

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