太田市長とれたて日記

清水まさよしが太田の元気をお届けします

前原大臣への手紙

2009年10月07日 | Weblog

自分の気持ちを伝えるのは「ことば」が一番です。
しかしながら、前原国交大臣にお会いするのは至難なことですので、思っていることをお伝えしたく手紙を書きました。
「どんな手紙の内容か」と、ある会合でいわれ内容をブログに書くことにしました。
ご一読いただきご批判をいただければ幸いです。
なお、配達証明付にしました。返事がいただければと思ってのことです。

                  

                                                 記

 

私は14年前、112億円の庁舎の基礎ができ、鉄骨が切り刻まれた建設途上であった庁舎を中止した経験があります。私の公約だったからです。
就任直後、建設は中止を業者にお願いしました。同時に、次の対応策を市民に約束しました。でないと、あまりに無責任な公約になるからです。
過日の報道で前原大臣は『八ツ場ダムの中止を公告』したとの報道がありました。中止にするのは民主党の政権公約ですから、そのとおり実行に移していただくことにまったく異存はありません。地域の生活再建なども配慮されているご様子でありがたく思っています。
おたずねしたいことがあります。それはコンクリートの塊を残したまま、木々を伐採し、地肌が無残なあの両岸の吾妻川のことです。
その後の対応策が示されていないことです。

 

私群馬県民のひとりとして申し上げれば、当然といえば当然過ぎることですが『吾妻峡の景観を元通りに復元』すべきだということです。
他に得がたい群馬の誇る景観、自然です。
『耶馬溪しのぐ吾妻峡』は群馬県人ならだれでも知っている自然遺産です。長年受け継がれた「上毛かるた」にあり、群馬の自然に関して最も誇りにする地域です。
その地域を一都五県の水利、治水を確保するために犠牲にしたわけです。住民の決断には時間が必要だったのでしょう。でも、日本のために決断をしたわけです。気持ちを察していただければ幸いです。

 

そこで前原大臣が決断すべきことは、「ダム中止」と「コンクリートの塊の除去」を同時進行させることです。国があの自然を壊してきたからです。
国は利水などで住民の犠牲の心は必要なくなったといいます。ただ、破壊された自然、あの『景観』をあのままにしておくのはあまりにも身勝手な行為でしかありません。

 

コンクリートの塊を清流の中に打ち込んだ。渓谷の木々を剥いでコンクリートを打った。
現地をご覧になってお分かりのとおり、あまりにも情けない『吾妻渓谷』に変えられてしまいました。国の責任は重大です。人の心をめちゃめちゃにしておいて、自然を、環境まで破壊しっ放しにしておくというのは政治のやる行為ではないと思います。

 

何度もいうようですが、中止は政権公約、国民が圧倒的に支持しました。しかしながら、政権公約は自然破壊をすることではなく、自然を保全するのが前提ではないでしょうか。めちゃめちゃにしたまま放置してもいい、と言ったのではありません。
「自民党がやったのだから、民主党には関係ありません」
こんな言葉は通用しません。吾妻峡のダム化は一都五県の水利、治水のため、お国のためでした。それが不要なら、元に戻して群馬県に返すのが国の仕事ではないでしょうか。

 

コンクリートの塊を撤去して、そして伐採した木々を植えなおすのが前原大臣の責務だと思います。
私たちの清流を、景観を早急に私たちに返してください。復元のためのタイムスケジュールを提示していただくことを要求します。

 

平成21年10月7日
太田市長 清水聖義


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