▼いま生で放送されているテレビ朝日の番組で、ぼくのコメントが流れました。(3月21日午後)
仕事をしながら、それを、たまたま視ていて、びっくり。
ワシントン条約の会議でクロマグロの輸出禁止提案を否決したことに関連して、ぼくはテレ朝のVTR取材に対して、こう述べた部分があります。
「シーシェパードはさっそく声明を出してですよ、これはもう人類にとって不幸な事態だ、だから、われわれは断固、いま向かってる地中海への船団を進めるんだと、言っているわけで、彼らにとってこの否決は実はチャンス拡大じゃないですか。(日本は)喜んでいるんじゃなくて、次の事態に備えるしかない」
すなわち、否決されたからといって油断してはいけない、というお話をしました。
ところが放送されたときの字幕では、話の後半が「地中海にいる船団を沈めるんだ!」となっていました。
シーシェパードが、地中海の漁船を沈める、という話に一変しています。
ぼくの述べたのは、漁船ではありません。
地中海に向かっているシーシェパードの船団を(否決によってむしろ勢いづいて)進めるんだ、そうシーシェパードが言っていると、指摘したのです。
▼ぼくはシーシェパードの蛮行に強く反対しています。
また彼らは、日本の正当な調査捕鯨船に、彼らの船を意図的にぶつける行動もしていますから、それがいつ船が沈む不測の事態に結びつかないとも限りません。
しかし、彼らが言っていないことを、言っていると放送されるのは、いけません。
彼らはクロマグロの一件で「漁船を沈める」とは全く言っていないし、ぼくの知る限り、「船を沈める」とはかつて言ったこともない。
シーシェパードは、それほど幼稚じゃない。
もっと、したたかです。
調査捕鯨船の件でも、捕鯨船からぶつかってきたと嘘を平然と言っているぐらいです。
VTRを作ったスタッフのかたがたの聞き間違いです。
ただし、収録のとき、ぼくはまったく眠っていない徹夜明けだったから、滑舌が悪くて、聞き取りにくかったのでしょう。
だから、VTR制作スタッフのかたがたの責任は一切、追及しません。
だけど、幸いにして生放送ですから、訂正が間に合う可能性もあると思い、急ぎ、テレ朝に電話しました。
ところが、ぼくの携帯電話にある複数の電話番号にいくつ、かけてもかけても、「この番号は、もう違う番組です」ということで、つながりません。
これは、テレビの世界では、よくあることです。
▼この書き込みのタイトルに、「残念なこと」と表現しているのは、次の出来事です。
ようやく、番組の電話につながったので、電話口のひとに、スタジオにいるディレクターに伝えてくれるよう頼むと「いや、そう言われても、スタジオは遠いし、時間がかかるし…」などと言って、まったく動いてくれません。
ぼくは、訂正してくれと求めたのではありません。
それは編集権を持つテレビ局の判断だし、ぼくの滑舌も悪いのだから、そう要求するのではなくて、「とりあえず、スタジオ内のディレクターに伝えてください」と頼んだのです。
訂正するかどうかの判断は、そちらの自主的判断だから、まずは伝えてください、という趣旨だけを言っているのにもかかわらず、伝えるなんて時間がかかるから…という返事でした。
ぼくはやむを得ず、声を荒げて、「あなたもテレビマンの一人でしょう。伝えるぐらいはやりなさい」と叱責しました。
相手のかたは、声からして若手ではなく、明らかにベテランです。
すると、ようやく、分かりましたと電話を切りました。
▼そのあと、旧知のディレクターからぼくの携帯に電話があり、このスタッフがベテランであることをフェアに明かされたうえで、その行動の鈍さを謝罪され、「番組では訂正できませんでしたが、シーシェパードなどからクレームがあれば、間違えたのはこちらですから、こちらで対応します」ということでした。
個人としては、すでにまったく怒っていません。
しかし、テレビであれ、どんなメディアであれ、発信することに関わるひとびとはすべて、間違ったときにこそ俊敏に動くべきです。
ぼくのいた共同通信ならば、上記の間違いは必ず、即、訂正を出します。
しかし通信社とテレビは当然、メディアが違います。テレビはきわめて放送時間が限られているから、訂正できる場合とできない場合があります。
それを承知のうえで、VTR出演を引き受けたのだから、そこはテレビの編集権を基本的に尊重すべきだと、ぼくは思います。
ただ、そのうえで、「間違ったときにこそ、責任感を直ちに発揮する」という姿勢でないと、視聴者を裏切ります。
スタジオに伝えることすら避けようとしたベテラン・スタッフの名前も、ご本人にその電話で聞きました。それはもちろん、明らかにしませんし、これ以上の責任追及もしません。
しかし、地上波のテレビ番組にふつうの国民の不信感が強まっていることを改善するには、やはり基礎的な責任感が肝心だなと、あらためて痛感しています。
それは、ぼく自身にも当てはまります。
ぼくがテレビタレントでもなくテレビ評論家でもなくて、テレビにあまり顔を出さない、顔を出すのは1週間に1回でも、たとえ10年に1回でも、ちらりとでも関わる以上は、基礎的な責任感をさらに大切にしたいと、考えました。
それにしても、新刊の「ぼくらの祖国」の執筆追い込みに集中している時間を、この騒ぎで大きく削がれてしまいました。
それがいちばん、いまは、痛い。
私は放送を見ていないので滑舌の問題かどうかの判断はしかねますが、テレビ朝日が青山さん本人の意思とは違う事を伝えたのは事実です。
「間違って放送した」としなくとも青山さんが伝えようとした事との差異が生じたという旨は伝えるべきでしょう。
現にこうやってブログを通じての指摘を受けたわけですからテレビ朝日の信用の問題になると思います。
しかし本当に間違ったのでしょうか?
テレビ朝日だけに疑ってしまいます。
誠意の欠片も感じられない対応。
内容の偏向にもいつも唖然とさせられますが、
私はある種のイデオロギーが根底にあると思っていました。(少なくともNHKは確信犯)
でももしかしたら一番の原因は、
職員や社員が番組やテレビそのものに、もう愛情を持っていないからかも…
だからテレビマンとしての誇りもなく、ただ事勿れのマヒ状態に陥っている。
やはりこの国の全てを覆っている‘戦後レジュームからの脱却’を為し遂げない限り、
何一つ始まらない。
それをつくづく感じさせる出来事です。
青山さん。
くれぐれも体調に気をつけてくださいね。
もし気付かれたら、鳩山首相と同じで、間違えたのだから訂正すればよい、謝れば済みみたいなノリである可能性もないとはいえないかと思います。
たとえ意図的であっても。
はっきり言ってもう、地上波での報道番組は青山さんのアンカーしか見ていません。
そしてテレビではチャンネル桜です。
他のテレビ報道は余計な要素、偏向した内容などに警戒するエネルギーを注ぐ事に疲れてしまい、もう見限ってしまいました。。
ニュースはネット上で産経などから得ています。
NHKを筆頭に、テレビの中で政治や歴史を扱うと酷くなるのはもう伝統芸のように日常的な光景になっております。
もっともっとそういったテレビメディアの検証は強烈な批判をするような番組やメディアが活発になってほしいものです。
真っ当な検証と完膚なきまでの論破をするような。
今日は、テレビ局の怠慢さで貴重な時間を費やすことになったのですね。本当に残念なことです。
青山さんには失礼な発言かもしれませんが、なんだか、最初のテレビ局の対応が、至って特別であるとは思わないところが、悲しいかな自分でも不思議な感想です。
きっとテレビ局側は、視聴者などからの問い合わせやクレームが多くなっているために、誠実な応対が出来なくなっているのかもしれません。
そして、こんな応対姿勢だから、テレビの視聴率がドンドン下がっているのだと思います。
いずれにしても、こういった放送局の姿勢が番組制作の根底に蔓延っていることを考えると、放送局は、もうどうしようもない程に負のスパイラルに陥っているのだと思います。
そんな中、このインターネットなるものは、本当に素晴らしいですね!TVや新聞では訂正や更新に時間が掛かってしまいますが、ブログを通じて、直ちにコメントを発信することが出来るのですから。(勿論サイバーテロや嵐もありますが)
こうして青山さんが、インターネットを駆使して、様々な方面から情報発信して下さっていることに、本当に感謝しています。
ところで、「ぼくらの祖国」の執筆ですが、青山さんを追い込む程に発売を催促したいとは思っておりませんので、どうか焦らず急がずでお願いします。心の平安と体が資本ですので、引き続きお体ご自愛下さい。
わたしはクリエイティブの仕事をしているのですが、こういうこと本当に信じられないくらいよくあります。どうしてなんでしょうか?余計なことを言わない、波風をたてない、疑問に思っても質問をしない。間違っていても立場が上の人には何も言わないし、絶対に反対の意見を言わない。あいまいなまま進める。意見を言う人を白い目でみて変人扱いする。そういうものだから。で片付ける。青山さんのおっしゃるとおり、自分の仕事に対する責任感のなさが根本的な問題だと思います。自分は雇われているから、言われたことだけ何も言わすやっていればよい。。。という。でも、こういうとき、誰かがひとこと何か言うだけで、驚くほど変わる場合もあるんです。だから、今回青山さんがこうして大切な時間を削って、きちんとこの問題についてはっきりお伝えになったことには意味があることだと思います。少なくとも担当の人は今後同じ事をやろうとしても一瞬、思い出すのではないでしょうか?
いつも応援しています!!!!!!!!!お体だけはお気をつけてこれからもがんばってください。わたしもがんばります。
それは、編集前と編集後の意味合いや印象が
異なるようにされることです。
編集権とは編集前と編集後の意味合いや趣旨
印象が変化しない限りにおいて許されることで
あり、意味合いを変化させたり趣旨を変えたり
印象を変えたりすればそれは捏造です。
ゆえに今のテレビ局のやってることは
編集ではなく捏造と理解しています。
あと、クレームがきたら対応という態度は
鳩山総理のばれたから税金を払うと本質は
同じだなと感じました。テレビメディアは
とことん腐敗しているのだなと感じます。
なるほど、そんな事情があったんですね。はなからテレ朝は信用していませんが。
青山さんも気が抜けませんね。余計な気苦労をさせるとは全く・・・・。
青山さんは優しすぎますよ。
放送記念日特集「激震マスメディア~テレビ・新聞の未来~」
と言う番組が有るようです。
既に締め切られて居ますが、この番組の為に行われたアンケートは
TV・新聞が市場を失いつつある事についての質問が並んで居ました。
(どうも市場をネットに奪われただけと認識して居るように見えます)
青山さんのおっしゃる通りTVや新聞が失ったのは信頼で有って、市場が減ったのはその結果にしか過ぎないと思えるのですが、彼らにその認識が有るのでしょうか?
もし、単に市場を奪われたと思って居るのであれば、それこそがメディアの危機で有るような気がします。
字幕でこれくらいの間違いをするのはよくあることなので、今回は間違いだったと捉えておきます。
でも今のテレビや新聞は、捏造や歪曲以前に、意識がしっかりしてませんね。
テレビで流されているような擬似的な平和の中、のほほんとしている人が多いかと思います。
しかしベテランの人の対応は完全に悪かった。
青山さんの説明はいつもきっちりと正確なので大変わかりやすく、のほほんとしてる僕の脳みそにも助かってます。
でもTBSはかつて、麻生さんの発言をわざわざ合成してまで捏造をしてました・・・。
あれは確信犯の大問題ですが、他のメディアはそのことに疎いんだよなぁ・・・。
そのくせ、自浄能力となる要素は上手く遮断しています。
BPO 間にあって 逆効果
お疲れ様です
今回の件、テレ朝だけに確信犯では?と思ってしまいました。